2014年に発売されたHUNTER×HUNTERのゴンをフィーチャーしたフィギュアを覚えているだろうか。覚醒したゴンの逆立った髪を完全に再現し、ネットで大きな話題となったやつだ。
その後も、「栽培マンにやられたヤムチャ」や「股間が光るヒソカ」、「震え上がるベジータ」など独特の商品が登場。一連のシリーズを企画したバンダイの三原脩平さんという人が、今度はアパレル分野でヤバイ新作を企画したそうだ。
今度は「ゴンのピアス」。またゴンなのかーー。
せっかくなので新作について語ってもらった。
「仮想通貨で損したから頑張る」
ーーついにゴンの新作を出されたんですね。今度はピアスということですが。
三原脩平さん(以下、三原):その前に僕、仮想通貨で400万円くらい損したんですよ。
ーーえっ。
三原:一時期はすごい稼げてたので、このペースでいけばすぐにタワマン買って会社やめられるわって思ってたんです。
そしたらいろいろあって最終的に損してました。うける。
ーーうけますね。
まぁ全然うけないですけどね。会社やめるどころかもっと働かないといけなくなりましたからね。
とりあえず失ったものを取り返したいし、何ならまだタワマンの夢も捨てられない。
でも仮想通貨をまたやるための軍資金がちょっと足りないので、ちゃんと働いて実績残して評価してもらわないといけないわけなんです。
そしてそんな状況で生まれたのが今回の新作です。
ーーいきなり背景が重くて嫌ですね。…で、ピアスの話ですが。
三原:いま着けてるんですけれど。HUNTER×HUNTERのゴンのシルエットのピアスです。
これを5月22日からプレミアムバンダイ限定で受注開始する予定です。合金製とシルバー製の2種類があります。
合金製のほうはゴンの憎しみに因んだ「憎しみ価格」の2943円、シルバー製のほうは9999円と「ありったけ価格」で展開です。
ーーありったけ価格…。
三原:2943円のゴンじゃ我慢できない、もっとハイクオリティなゴンを身に着けたいという粋な方に向けたハイエンドモデルですね。そんな方がいるかどうかわかりませんが。
ちなみに2個つける方はあまりいないだろうなと思ったので、1個ずつの販売にしています。そのほうが価格も落とせて買い求めやすくなりますし。
あとピアスとイヤリングの両方に対応しています。
「このためにわざわざ耳に穴をあけたくない」っていう方はたくさんいるはずなので、そういう方のためにイヤリングタイプを用意しました。
笑いながら買ってくれる人がいたら嬉しい
ーー親切ですね。ちなみに三原さんだったらどのように着けますか。
三原:僕だったらそもそも着けません。
ーーそのスタンスはどうかと思いますよ。ところで、どうしてゴンをピアスにしたんですか。
三原:4年前に、ゴンのこういう髪の毛の長いフィギュアを作ったんですけど、それが当時すごくネットで話題になり、ちょっと笑えるくらい売れたんですよ。
これを皮切りに、いろいろと一風変わったフィギュアを出していって、どれもわりと話題になったんですね。
まぁそんなわけで始まりであるゴンに対する思い入れが深く、いつかまたゴンをやろうと思ってたんですよ。勝手にゴン担当みたいな自負がありますからね。
「こいつゴンばっか出してるな」って思われたい。ゴンとともに歩んでいきたい。
ーー深いような深くないような。
三原:で、このゴンはパッと見のインパクトが強いので、これがアクセサリーになってたら面白いだろうなって企画しました。
最終的には「こんなピアスいらないわ」って笑いながら買ってくれる人がいたら嬉しいです。
とにかく長い、おなじみの受注ページが今回も
ーー三原さんの企画した商品はいつも受注ページがすごいですよね。普通じゃないこだわりを感じます。
三原:このやたら長いやつですね。
今回はゴン・フィギュアの時に作った受注ページをまるまるオマージュして、要は前のフィギュアのページをそのままピアスに置き換えた、みたいな感じにあえてしました。
ーーすごい楽してそうですが、こうやってラフを作るんですね。
三原:自分はそうですね、全部手で書いちゃいますね。その方が直感的に作れるので。
どうでもいいですが使うのは基本青いペンです。青色は人の心を落ち着かせる効果があるらしいので、仕事の依頼とか修正指示は青色を使うようにしています。
本当にどうでもいいですね、この情報。
ちなみに普通の値段の方のページと高価な方のページで中身がわりと違うんです。
普通の方のページの最後には「高価なのもあるよ」という紹介が入り、リンクから高価な方のページにも飛べるようになってます。
高価な方のページは、全体的に「ハイブランドでございます」って感じのイメージになっています。
ーー高い方には「肩にも届き得た!!」って書いてありますね。
三原:これはいつものセリフオマージュですね。もともとはネフェルピトーの「王にも届き得た!!」ってセリフですが、ピアスが長いので肩にも届くなって。
このオマージュが浮かんだ時、光明が見えたと言いますか、このピアスいけるなって思いました。
ちなみに高価な方のページの最後には、「普通のもあるよ」っていうことでまた普通の方にリンクが貼ってあります。
相互にリンクが貼られているので、迷い込んだら一生抜け出せないかもしれませんね。ずっとゴンのページに滞在し続けることになる。
ーー恐ろしい作りですね。このピアスはどういうファッションの時につけてほしいとか、そういうのってあるんですか。
三原:これは受注ページにも書いてあるんですが、存在感が強すぎておそらくどんな服にも合いませんので、逆にどんな服にも合うという考え方もできるのではないでしょうか、と提案しています。
ーー着けてみていいですか。
三原:遠くから見ると「なんか長いの着いてるなー」って思うくらいですが、近づくと「…ゴンじゃんこれ!」ってなる面白さ、みたいなのが日常に生まれれば満足です。
飲み会とかでも話題になると思いますので、男女問わずオススメです。
意識しているのは、まず「笑えるかどうか」
ーー最近だとネットで話題になった仮面ライダーの「万丈だTシャツ」も三原さんの企画とのことですが、こういうネタ探しはどうやってるんですか。
三原:僕は休日は引きこもりなのでずーっとネットを見ているんです。
Twitterを徘徊してるといろいろ流行りがわかります。それが仕事に繋がることもある、って感じですかね。
流行りに乗っかるだけでなく、それが商品として成立するか、バンダイとして販売できるかが重要なので、そういうところまで考えてから料理します。
ただ本当に、できるなら仕事なんて行きたくなくてずーーっと引きこもってたいということはお伝えしておきます。
ーーいままで三原さんが作ってきた商品、ゴンとかヤムチャとかヒソカとか採用するキャラに思い入れ、共通点というのはあるんですか。
三原:自分が好きかどうか、それだけですね。好きなキャラじゃないと愛のあるページは作れないので。
受注ページは商品と同じくらい、相当こだわってますね。受注ページのアイデアを考えついてから、これイケるなって思うこともたくさんあります。
ーーヤムチャが登場したのってもう30年以上前じゃないですか。なんで今もネットで話題なんでしょう。
三原:なんですかね。当時はネットとかなかったから、皆思うことはあったけど、その思いを簡単に語れなかったんじゃないですかね。
語れなかったものが、いまやっとネットを通して情報発信できるようになった。だから今でも盛り上がるのかもしれません。え、この真面目な話いりますか?
ーーSNSでのシェアをきっかけにヒットする商品も増えてきましたよね。
三原:今の時代ですと、やはりTwitterで拡散されるのが告知効果的には大きいので、そこを意識してます。
商品も溢れてる時代なので、その群の中でより多くの人の目にとまるように企画、プロモートすることが大事なのかなと思います。え、この真面目な話いりますか?
ーーシェアされるために大事なことって何でしょう。
三原:僕が意識しているのは「笑えるかどうか」ですね。
自分が笑って面白いと思ったものは、たぶん他の人にも伝えたいとみんな思うんですよ。「めっちゃ笑ったー!」みたいな感じで。
ゴンさんフィギュア届いたんだけどwwwwwww
ゴンさんフィギュアデカ過ぎワロタWWW 置く場所無いWWW
ーー三原さんにとって「企画」とは。
三原:そうですね、自分の商品で多くの人が笑顔になり、さらにSNSを通してその笑顔の輪が広がったら、そんなに素敵なことってないと思うんです。そのために僕ができること、それが「企画」なのかなと思っています。今日は本当にありがとうございました。
ーー勝手に終わらせようとしてますね。三原さんのアパレル事業部での目標は何ですか。
三原:なんで終わらせてくれないんですか。
アパレルでの目標…。やはり昨今のアパレル業界に身を置く者としては、剛力彩芽さんのような素敵な女性とお付き合いするのが目標になるんじゃないですかね。僕は岡本玲さんが好きなので岡本玲さんに会いたいです。もういいですか?
ーーすごい終わらせようとしてきますね。今後アパレル事業部でこんな服を出したい、みたいな展望はありますか。
三原:嵐のデビュー曲の時の服が作りたいです。
ーーそれは売れそう。受注ページみたいに長いインタビューにお付き合いいただきありがとうございました。
三原:もっと時間は大切に使ったほうがいいと思いますよ。