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設計者が語る紙器の魅力 形状や構造の設計を一から考える「設計士」に紙器作りの魅力について聞いてみました。

「ゼロから作りだすこと、それが現実になることが楽しい。」

当サイトを運営している株式会社坂井印刷所では、紙器にデザインを施すデザイナーではなく、形状や構造の設計を一から考える「設計士」が存在している。お客様のご要望を聞きながら、それを実現する紙器を作りだす。その根幹である構造設計を担当している設計士に紙器作りの魅力について聞いた。

ー 紙器の設計について、普段から心がけていることを教えて下さい。
三輪-当サイトを運営している株式会社坂井印刷所では、紙器にデザインを施すデザイナーではなく、形状や構造の設計を一から考える「設計士」が存在している。お客様のご要望を聞きながら、それを実現する紙器を作りだす。その根幹である構造設計を担当している設計士に紙器作りの魅力について聞いた。

組み箱や貼り箱を作る際はできあがりが組みあがった状態がほとんどですから、お客様のご要望を反映するのにそこまで大きな苦労は伴いません。もちろん、いきなり手書きの完成図面のイメージを見せられて「これを箱にしてほしい」なんていう場合は、少し大変ですが。

一方でキャラメル箱のように、お客様に納品する状態ではまだ平面になっていて、お客様のほうで立体に組み立てたりする場合は大変ですね。立体物をどうやって平たくするか、その部分を考えなければなりません。またこうした紙器は組み箱や貼り箱と比べてコストを抑えることができるというのがメリットなので、あまり構造を複雑にし過ぎてしまうのも問題です。

コストを意識しながらもお客様のご要望に沿った構造設計を考える、これが一番注意しているところですね。
ー 具体的に、どのようにすれば構造設計ができるようになるんでしょうか。
三輪-はっきり言ってしまうとこればっかりは勉強だけでなんとかなるものではありません。どれだけ多くの箱を触ってきたか、展開図を書いてきたかということが大事だと思っています。私の場合はお客様からご要望をうかがった時に、今まで触ってきた紙器を頭の中で巡らせて、近い物はなかったかというような感じで調べていきます。そうこうしていると立体物のイメージやその展開図が自然と頭の中で描けるようになってきます。
そういう意味ではこの仕事はデザイナーと数学者の間になるのかもしれません。センスだけではしっかりとした形にならなかったり、隙間があいたりしてしまう。数学だけでは従来通りの紙器しか設計できずオリジナルを開発することは難しい。その両方が必要なのかも知れません。
ー 紙器の醍醐味はどういったところに感じられていますか?
三輪-やはり自分の頭の中に描いていたものが立体となって現実にできあがる時は、なんとも言えない喜びがありますね。平面のデザインとは違った充実感というか。もちろん、そんなに簡単にできるわけではなく、何度も失敗を重ねたりするんですが、その過程も後から考えると楽しんですよね。私の場合は、人の作ったものはできるだけ真似ないようにしてるんです。それをしてしまうと自分自身のオリジナリティがなくなってしまうような気がして。本当は単に悔しいだけなんですけどね。

三輪 直孝三輪 直孝

過去に設計した紙器は1,000点をくだらない。普段は口数が少なく黙々と仕事をしているが、構造設計や紙器の話になると止めどなく言葉があふれてくる。その腕は大企業からも評価され、長く採用されている紙器も多い。

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