この記事を読むのに必要な時間:およそ 0.5 分
Ubuntu開発チームは現在,10月にリリース予定の「Ubuntu 18.10(開発コード:Cosmic Cuttlefish)」に向けた開発サイクルに入っているが,デスクトップ版に関しての変更内容について,CanonicalのデスクトップエンジニアリングマネージャであるWill Cookeがブログで説明を行っている。
- Desktop plans for 18.10 | Ubuntu blog
7月に予定されているUbuntu 18.04のポイントリリース「Ubuntu 18.04.1」,GNOME Softwareの改善,Snapパッケージアプリのパフォーマンス向上などが挙げられているなか,ひときわ興味深い変更として「Chromium as a Snap」,ChromiumをSnapのみで提供するという決定がある。
Chromiumのようなローリングリリースのアプリケーションを,Ubuntuのような固定リリースのOSで動くうようにビルドすることは,バージョンを追うごとに双方の差が開くことから非常に難しくなってきている。Ubuntuの場合はとくに2年に一度,5年間のセキュリティアップデートを約束する長期サポート(LTS)版という存在があるため,モダンなC++コンパイラでビルドされるChromiumを古いリリースのUbuntuでサポートすることは日に日に厳しくなってきているのが現状だ。
こうした状況を改善するために,Ubuntu 18.10以降ではChromiumはSnapパッケージのみで提供,加えてUbuntu 14.04 LTS(開発コード: Trusty Tahr)におけるdebパッケージでのChromiumサポートをリタイアするとしている。本来なら2019年までサポートされるUbuntu 14.04 LTSだが,もはやdebパッケージとしてChromiumを提供するのは限界に達したようだ。Cookeは14.04ユーザのChromiumユーザに対し,いますぐ最新のSnapパッケージを入手するように呼びかけている。
ローリングリリースのアプリと,固定リリースのOSとの間に拡がる"新旧の差",この差を埋める解決策として,Snapのようなコンテナタイプのパッケージを活用するケースは今後,Chromium以外にも出てきそうだ。