囲碁・将棋などで人間を超えた人工知能(AI)が写真や画像のカラー化でも才能を発揮し始めている。大量のデータを学習して人間と同じ能力を獲得する仕組みは同じだが、「人をだます力」をつけることで従来の欠点を克服し、漫画やアートの世界で新境地を開いている。(原田成樹)
パソコンや携帯電話、携帯ゲーム機などの画面が2000年ごろにカラー化され、白黒でもよかった写真をカラー化する需要が高まった。古い写真を自動で着色する研究も始まったが、被写体ごとに色をあらかじめ指定したり、参考となる類似の写真を選んだりする必要があり、完全自動化にはほど遠かった。
壁を打ち破ったのはディープラーニング(深層学習)と呼ばれるAIの手法だ。脳の神経回路を模した多層構造の情報処理ネットワークのことで、画像認識など多くの分野でブレークスルーを生んでいる。
早稲田大の飯塚里志研究院講師らは16年、230万枚もの写真データを使った深層学習で、白黒写真に自然な色をつけることに成功した。被写体の“質感”から人間、樹木、空などを識別し、色の境界や全体の情景を判断してカラー化する。
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