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新社会人もベテラン社員も必見!
ビッグデータで新社会人の悩みを先に知る
こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。
つい先月の4月25日は、一部の人たちにとってとても大きな記念日でした。それはいったい何でしょうか? そうです、新社会人にとって待望の「初任給の日」でした。
中には4月25日以外が初任給の日だった人もいるかと思いますが、今年新社会人になった人やすでに社会に出て経験済みの人は、その初任給いったい何に使いましたか? 2017年の検索キーワードを見てみると、「初任給」とともに検索されるキーワードの1位は「初任給 プレゼント」。さらにその下には「初任給 両親」や「初任給 親」というキーワードが現れていることからも、初めての給料でプレゼントを買い親へ感謝の気持ちを伝える人は多くいることがわかります。
(図1)「初任給」を含む第二ワード検索数ランキング
- 資料:
- Yahoo!検索 集計対象期間:2017年4月1日〜4月30日
ちなみにどんな贈り物を調べているのかというと、「ペアグラス」「旅行」「食事」「ネクタイ」「お酒」「花」「夫婦箸」「小型マッサージ器」など多種多様でした。
さて、そんな初任給についてですが、「初任給 プレゼント」と検索する人はいったいどういう人だと考えられますか? そのほとんどが新社会人であることは疑いがないように思われます。つまり、「初任給 プレゼント」と検索するグループを「新社会人」属性を持ったグループとカテゴリ設定し、全体の検索傾向と比較して特徴的な検索行動があれば、そこから新社会人の傾向を浮かび上がらせることができると考えられます。また時間の差分をとることで、その出現頻度を時系列として置き換えることもできます。つまり、データから新社会人の特徴的な行動とそのタイミングを抽出できるのです。
詳しい手法を知りたい方は過去に掲載した「ビッグデータから見えたママの悩みと育児あるある」の中で触れていますので、未読の方はぜひそちらもご覧ください。
さて、実際にデータを抽出してみたところ、その一例として次のような結果がでました。
(図2)データに基づいた新社会人の悩み予測の一例
「初任給 プレゼント」の検索頻度ピークは毎年だいたい4月25日です。それを検索したグループのデータは、そこから241日後つまり12月21日頃に全体の検索データと比較して特徴的に上昇する検索キーワードがあります。それが「上司 年賀状」。
まさに社会人一年目としてその年最後の大きな悩みの一つと言えるのではないでしょうか。このように、新社会人の悩みを時間軸とともに抜き出すことができました。
そこで新社会人の皆さんに向けて、もしくは新社会人の悩みを受け止めるベテラン社会人の皆さんに向けて、これから直近直面するであろう新社会人特有の悩みを過去のデータから先読みして、「お金関連」「社会人生活」「新生活」「美容・体調」の軸で時系列でマッピングを行いました。これを見ることで、新社会人の皆さんは心づもりを、すでに過ぎてしまった人は当時自分も同じ悩みがあったかなと思い返してみてはいかがでしょうか?
(図3)新社会人の悩み時系列マップ
多
検索量
少
全カテゴリ
社会人生活
お金関連
新生活
美容・体調
- 資料:
- Yahoo!検索
表は初任給が出る4月25日を時間軸の基点として抽出しており、今回は4月1日から6月30日までの期間のデータを抜き出してプロットしています。また縦軸は検索量です。
「初任給 プレゼント」の検索キーワードを基点にデータを抽出しているので、やはりお金関連の結果が多く抽出されている傾向がありますが、「お金関連」の軸には初任給をどう使うか、両親へのプレゼントや自分へのご褒美はもちろんのこと、しっかりと将来のことを考えて積み立てや定期に関心を持ったり、光熱費や奨学金返済といった生活費の見直し行動が見事に表れています。
「新生活」軸には4月頭の「洗濯機 使い方」のような一人暮らしをはじめたことを感じさせるキーワードがある一方、6月になると生活も慣れてきたのか「休日の過ごし方」をはじめとしたライフスタイルを充実させようとするキーワードが多くみられるようになります。
「美容・体調」軸で目に付いたのは、この時期足のにおいを気にする新社会人が多いこと。新しい革靴と気温の上昇により気になる人が増えるのでしょうか?
そして、やはり特に注目したいのは、「社会人生活」軸の5月後半に出現が増える仕事のミスや、精神的なネガティブ感情です。きっとこれを読んでいる新社会人も今まさに同じような状況に直面しているかもしれませんが、データが示す通りこれまでも多くの新社会人がこの時期に同じように悩み、精神的なつらさに直面してきたことが可視化されました。仕事のミスで悩んだり落ち込んだりするようなことがあれば、ぜひこのデータを思い出してみてください。
検索キーワードというビッグデータを紐解くことで、このように特定グループがどのタイミングでどのような行動をとるのを特定することができました。このようなデータは広告やショッピングサービスなどにも活用可能ですが、今回の事例のように体感的・感覚的にはわかっているが具体的な統計データがなかったり、調査することが難しかった感覚値を見える化してくれるところがとても面白いところですね。
これからも、Yahoo! JAPANビッグデータレポートをよろしくお願いいたします。