速報!小田急「ダイヤ改正後」の駅別利用状況
京王と激突「多摩センター」利用人数に大異変
複々線化によって線路容量が増えるというメリットを生かした3月17日の小田急電鉄のダイヤ改正から2カ月が過ぎた。
新ダイヤでは運行本数増、混雑率緩和、スピードアップなどが図られるため、競合路線から旅客がシフトし、小田急は「鉄道収入が3年後に50億円プラスアルファ増える」と算段していた。初年度に目標の6割を達成し、2年目に9割、3年目に100%達成するというイメージだという。
この50億円プラスアルファとは人数に直すとどれくらいなのだろうか。小田急の星野晃司社長は、「乗降客数が4~5%増えることになる」と語っていた。大ざっぱに見て1日の利用者が4万~5万人増えるということだ。
では、小田急はもくろみどおりのスタートダッシュを切れたのだろうか。
定期外では目標達成?
4月27日、小田急は3月末時点における前年同月比の鉄道利用状況を開示した。路線全体の輸送人員を見ると、通勤定期利用者が1.7%増、定期外利用者が2.4%増という結果だった。2017年度の1年間を通じて見ると、通勤定期利用者が1.4%増、定期外利用者が0.6%増であり、3月の伸び率は年平均よりも突出している。とりわけ定期外の伸びが大きい。3月におけるダイヤ改正後の日数は17日から31日までの15日間のみだったことを考慮すれば、複々線化効果は目に見える形で発現したと思われる。
ちなみに星野社長の言う「4~5%増」の目標のうち、初年度に6割を達成するということは2.4~3.0%増に相当する。通期定期は1.7%増で未達だが、定期外は2.4%となったため、達成できていることになる。通勤定期よりも定期外の利用者のほうが伸びているのは、定期外利用者は思い立ったらすぐに乗れるのに対して、通勤定期利用者は定期券の切り替えのタイミングを待つ必要があるからだろう。
同時に小田急は主要駅の対前年増減率も開示している。まず新宿駅では通勤定期が2.0%増、定期外が3.7%増という結果になった。全線平均の状況とよく似ている。