アメリカのニューヨーク州マンハッタンのレストランで、スペイン語を話していた人々に対し「英語を話せ」「自分の国から追い出す」と脅迫した男性弁護士に批判が殺到している。
問題が起きたのは、5月15日。弁護士のアーロン・シュロスバーグ氏(42)は、法律事務所の隣にあるレストランにランチを買いに来ていた。
店員と客がスペイン語で会話しているのを目撃したシュロスバーグ氏は、マネージャーを呼び出し、「スタッフが客にスペイン語で話している。英語で話すべきだ」と伝えた。
「多分、不法移民だろうから、自分の国から追い出してもらうよう、移民税関執行当局(ICE)に今から電話する」
「ここはアメリカだ!ここに来て私の金で生活する度胸があるんだったら…私が彼らの福祉のために払っているんだぞ…彼らがここにいられるのは私が払っているからだ。せめて英語を話せ」
シュロスバーグ氏の暴言や脅迫の一部始終を、スペイン語で会話していた客のエミリー・セラノ氏(35)が撮影していた。
ニューヨークで生まれ育ったプエルトリコ系アメリカ人のセラノ氏。友人ディーナ・スアソ氏と昼食のために毎日レストランを訪れていたとBuzzFeed Newsに話す。店員は全員英語が喋られるが、スペイン語を話すのも多いという。
マネージャーに暴言を吐いていたシュロスバーグ氏に、スアソ氏とセラノ氏は「ICEを呼ぶぞ」と脅されたという。
セラノ氏は、ショックを受けたという。ドナルド・トランプ大統領を責めるつもりはないと言いつつも、人種差別的な人が差別的な言動を取ることを「大丈夫にした」と話す。
スアソ氏の夫がFacebookに投稿した動画は、7万6000回以上シェアされている。
これを受けて、5月19日、シュロスバーグ氏の人種差別的な言動を抗議するために、人々は彼の自宅前でラテンパーティーを開いた。
「#HolaAaron(やあ、アーロン)」というハッシュタグで動画や写真が投稿されている。
マリアッチが集い、歌やダンスで賑わった。
パーティーではタコスが配られ、有権者登録をするスペースも設置されていたという。
ラテンパーティーを主催した政治団体「Young Progressives of America」はFacebookで「私たちは沈黙させられることはない、とシュロスバーグやほかの人種差別主義者に訴えるために、このパーティーを開催した」と投稿。
「アメリカはみんなで共有されるのものであり、この国でスペイン語やほかの言語を喋り続けていく」
シュロスバーグ氏は、反ムスリムのデモに参加したり、観光客に「さっさと帰れ、アメリカがめちゃくちゃになっているのはお前のせいだ」と叫んだりするなど、過去にも人種差別的な言動が多数あったことが発覚している。
しかし、法律事務所のサイトでの自身のプロフィールでは、「スペイン語に堪能」と紹介し、またLinkedInでは語学を習得していることを実績としている。
大学時代には、スペインへの留学プログラムに参加していたという。
バズフィード・ジャパン ニュース記者
Eimi Yamamitsuに連絡する メールアドレス:Eimi.Yamamitsu@buzzfeed.com.
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