おそらく彼らは、「自分たちは○○○によってすでに権利を阻害されてきたのだ」と思い込んでいる。自分は全く納得はしないし頭がおかしいんじゃないの?と思うが、彼ら差別主義者の言い分や行動をみているとそうとしか思えない。
(本当は誰かの権利を踏みつけてきた結果不当に得ていただけでしかない)「自分たちが奪われたものを取り戻している」、というのが、彼らの差別を肯定する理由であり原動力なのではないか。
彼らが「自分が奪われた権利」だと思っているものは、自分の力で得たわけでもないし他者の権利を侵害する形でしか成り立っていなかったものでしかない、所詮は"砂上の権利"でしかない。だが、彼らに限らず人間というものは、それが不当で不法で不公平なものであれ、持っていたはずの権利を奪われると腹が立つものだ。
ダイエット的に考えると、「奪われたと思ってる権利」がそもそも明らかにカロリーオーバーだったというか、「権利の肥満状態」だったものが正常に近づきつきあるだけだ、と言ったところで、権利デブのライフスタイルはそう簡単には変えられないだろう。
彼らが主張する自分たちの権利は、本来的には不当で不公平の下敷きがあって成り立ってたものでしかないことや、そもそもキミカロリー取りすぎやからそんな権利デブなんやで?というのを気づかせるには、この「持っていたのに!」という思い込みをまずは何とかしないと、どうしようもない。しかし、そもそも人権という概念が大変希薄なうえに、自分の手に持っているものが減っていることだけには敏感である、それが元々自分じゃない誰かが差別されていた結果得られていた砂上の権利であることに気づくのは難しいだろう。
そういう彼らに人権を説いたところで、自分はすでに腹ペコペコだと思っているわけで(実際は権利デブが過剰カロリーを摂取してただけだが)、池田弁護士の手紙は、パンがないならブリオッシュ食べたらいいじゃない的なものにしかなってないのではという気がする。
「現実」を理解しないまま現実に特攻仕掛けてしまった罰を受けるのは仕方がないことではあるが、よりぐつぐつと不満が煮詰まって先鋭化する層も現れるだろうなぁという暗い気持ちもある。