ハリー王子とメガンさん、ウィンザー城で挙式 英ロイヤル・ウェディング
19日正午(日本時間同午後8時)からの式で、ハリー英王子と米女優メガン・マークルさんがウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で結婚した。カンタベリー大主教とウィンザー主席司祭の司式のもと、エリザベス女王と参列者600人の前で、結婚の誓いを交わした。
エリザベス女王は先に、ハリー王子にサセックス公爵位を授けた。挙式をもって、ハリー王子とメガンさんは、サセックス公爵夫妻となった。ハリー王子はさらに、ダンバートン伯爵とキルキール男爵の称号も得た。
メガン妃のウェディングドレスは、女性として初めて仏オートクチュールメゾン「ジバンシィ」を率いる英国人デザイナー、クレア・ワイト・ケラーさんによるもの。
頭にはエリザベス女王が提供した、メアリー王妃のダイアモンド・ティアラをつけていた。ベールは長さ5メートルで、英連邦各国を表す花が刺繍(ししゅう)されていた。
メガンさんには10人のブライズメイド(付き添い人)と聖書を運ぶページボーイが着いた。ブライズメイドとページボーイは全員8歳以下で、ウィリアム王子の息子のジョージ王子と、娘のシャーロット王女も参加した。
メガンさんの父親トーマス・マークルさんは健康上の理由で結婚式を欠席。礼拝堂内で新婦を祭壇までエスコートする役は、ハリー王子の父親、チャールズ皇太子が行った。
結婚の誓いで、メガンさんは夫に「従う」という表現は使わなかった。
米国出身のメガンさんの結婚を称え、米聖公会のマイケル・カリー首座主教がシカゴから出席し、「愛の力」について熱烈な説教を披露した。
2015年に米聖公会初の黒人首座主教となったカリー主教は、マーティン・ルーサー・キング牧師を引用しながら、「愛には力がある。私の言うことを信じなくても、自分が最初に故意に落ちたときのことを思い出してください。世界中が自分と自分の愛する人を中心に回っている気がしたでしょう。愛には力があります」、「私たちは愛の力で生まれ、愛の力によって生きるのです」、「私たちの命の源は、真実の愛です」などと熱弁した。
カリー主教は米国の教会指導者らしく、両手を振り上げ全身を使って、「愛が道になれば、私たちは剣や盾を川辺に置き、戦争を学ぶことをやめる」、「愛が道になれば、あらゆる神の子が生きる場所がたっぷりできる」などと力説した。
この後には、「スタンド・バイ・ミー」のゴスペル合唱が礼拝堂に響き渡った。
ハリー王子とメガンさんは挙式後、礼拝堂の外に並び、夫妻として口付けを交わした。それから4頭立ての馬車に乗ってウィンザー市内を通り、沿道を埋めた約10万人の祝福を受けた。
<おすすめ記事>
- メガン妃のウェディングドレスを徹底解説
- 【ロイヤル・ウェディング】 見ないで過ごす10の方法
- 非英国人のためのロイヤル・ウェディング・ガイド
- 婚約発表のハリー英王子「天の配剤」 求婚はチキンを焼きながら
前日の18日、ウィンザーの群衆の前に現れたハリー王子は「リラックスしている」と話した。メガンさんは「素晴らしい気持ち」と答えた。
また、これまで王室の男性は結婚指輪をしない慣習だったが、ハリー王子は着けることを選んだ。
王室の発表によると、ハリー王子の指輪はざらざらした加工のプラチナ製。メガンさんの指輪はウェールズ産の金を使ったものだという。
結婚式には600人が招待された。米司会者オプラ・ウィンフリーさん、英俳優イドリス・エルバさん、米俳優ジョージ・クルーニーさんとアマル夫人、デイビッド・ベッカムさんとビクトリア夫人などが含まれた。
一方、今回の結婚式は国家行事ではないため、政治家は招待されなかった。
テリーザ・メイ英首相はツイッターで、「ハリー王子とメガン・マークルさんの結婚に心よりお喜び申し上げます。この全国的なお祝いでストリート・パーティーやその他のイベントに出席する皆さん、よい1日をお過ごしください」と祝辞を述べた。
このほか、慈善活動などで活躍する一般人1200人が、ウィンザー城での式典に参加する。
聖ジョージ礼拝堂は入り口から祭壇まで、白いバラ、シャクヤク、ジキタリス、ブナやカバ、シデの枝で飾り付けられた。
結婚式の後、ウィンザー城の聖ジョージの間でエリザベス女王主催の昼食会が開かれた。
午後には、チャールズ皇太子主催で、ウィンザーにある王室所有地フロッグモア・ハウスを会場に、新郎新婦の親しい友人200人を招いたパーティーが開かれる。
結婚式や披露パーティーの費用は、王室が負担する。
ウィンザー市内には1週間前から2人の幸福を願う何千人もの人々が集まった。うち何百人かは野宿をして場所を確保していた。