前田:成井さんとは、僕が新卒でDeNAに入社していたら同期だったんですよね。僕はUBS証券に新卒で入ってから転職したので、ほとんど被っていないけど。でも、社内を歩いている姿を見ただけで、「この人は仕事できる人だな」と思ってました。なんていうか、エネルギッシュで。
成井:前田さんにそう言われると、恐れ多いです!
前田:大前提として、DeNAに入社している時点で一定のハードスキルはクリアしているし、知識もあるし地頭もいい。あとは愛嬌とか、自信があるとかのソフト面が成功の分かれ目になるのでしょうが、ソフト面のレベルも相当高いと思っていました。社内でも目立ってたよね。
成井:女性が少なかった、ということもありますよね。同期57人中、女性は5人だけでしたし。前田さんが入社してきた時は、「ペリー来航」みたいな感じでした。すごい優秀な人が外資から引っ張られてきた、しかも創業者の南場(智子)さんが口説いて連れてきたということで、社内で話題になってたんですよ。でも実際に会ってみたら、物腰やわらかで、絶対に偉ぶらないし、人のことを否定しない。すごく好印象だったのを覚えています。
前田:ありがとうございます。新卒の面接時はもう少し尖ってて(笑)、「DeNAでの目標は?」と聞かれた時には、「3年以内に辞めること」などと答えていました。3年以内に明確な付加価値、爪痕を残す自信がある、と。
成井:すごい! 入社面接で「辞めます」なんてなかなか言えない。
前田:僕がDeNA出身というだけで会社のブランドが引き上がるところまで成果を出します、というコミットの仕方です。
「三つ子の魂百まで」じゃないですけど、昔から社会人最初の3年間で培うものがすごく大事だと信じていました。だから、新卒で入社したUBSではとにかくたくさん働きました。いまだに昭和的な価値観の働き方をしてしまうのは、その「三つ子の魂」が効いている部分が大きいと思います。
DeNAで最初の3年を過ごした人は、起業家マインドが高い人が多いですよね。
成井:辞めた同期はほとんど起業しているかも。私含め、メディア領域で起業している同期が何人もいるので、ノウハウなどもシェアできて。同期内で「プチ経済圏」ができあがっている感じです。