ホンダから250ccスクーター「フォルツァ」がフルモデルチェンジして登場。7月20日(金)より発売されることになった。
各部熟成により総合性能をアップ
フォルツァは精悍なスタイリングとスポーティな運動性能が魅力のシティコミューターとして2000年に初代モデルがデビュー以来、幅広いユーザーに支持されてきたモデルだ。
新型では、軽量コンパクトな新設計のフレームに熟成された水冷4ストOHC4バルブ単気筒250ccエンジンを搭載。“安心・快適な高速走行性能のさらなる進化に、街中での扱いやすい軽快さをプラス”を開発のキーワードとして総合性能の向上が図られたという。
エンジンは吸気効率の向上を追求し熟成を図ることで、より低速での扱いやすさに優れた出力特性とするとともに、低中速域での余裕のあるトルク特性により発進から巡航速度域まで優れた動力性能を実現。また、低フリクション技術を各部に採用することで優れた燃費性能を両立している。
軽量コンパクト化しホイールを大径化
車体は高速域での快適な走行と低速域の小回りの効く軽快な走りの両立を目指し、軽量・コンパクトで剛性を最適化した新設計のフレームを採用。従来モデルのフォルツァ Si(ABSタイプ)に比べて車重で10kg軽量化、ホイールベースも35mm短縮された。
足回りも前後とも1インチサイズアップしたフロント15/リア14インチの新デザインアルミ製ホイールを採用し、ワイドタイヤを組み合わせることで優れた走破性を実現。また、ブレーキング時の安心感を高めるABSも装備されている。
スタイリングを一新しトラコンを装備
スタイリングも歴代フォルツァのイメージを受け継ぎながら、より軽快感と先進性を強調するデザインに一新され、LEDヘッドライト&テールランプを採用するなど、より上質で存在感も高められた。
また、140mmの範囲で調整できる電動式可動スクリーンやホンダのスクーターとしては初となるトラクションコントロール(HSTC)、便利にエンジン始動ができるスマートシステムが採用されるなど先進的な装備を投入。フルフェイスヘルメットを2個積載できるラゲッジスペースや携帯端末などの充電に便利なアクセサリーソケットを装備するなど、シティコミューターとしての優れた利便性も確保されている。
ビグスクブームの立役者
2000年に初代がデビューしたフォルツァは、折からの“ビグスク”ブーム(ビッグスクーターの略)に乗ってヤマハのマジェスティやスズキのスカイウェイブとともに250ccスクーターの全盛期を築いたモデルだった。
その後はマニュアルモードを搭載した電子制御式CVT(Sマチック)の採用やビルトインオーディオを採用したバージョンを追加するなど、代を重ねる度に高付加価値&ラグジュアリー化が進んだことで過剰装備による価格高騰などの影響もあり、次第に人気は衰えていった。
それは“ビグスク”ブームの終焉を意味するものでもあり、先代モデルはフォルツァSiを以て2017年に生産終了となっている。
▲FORZA si(従来モデル)
今風に洗練されたスタイルと走り
今回の新型は、従来の肥大化したビグスクのイメージを払拭する現代的なスタイルとなって登場した。見た目も従来のロー&ロングなクルーザー的スタイルから一新され、シャープで凝縮感のあるデザインとなり、各部のフィニッシュも上質感がある洗練された雰囲気に仕上がっている。
スペック的にも従来モデルの最終型だったフォルツァSiの車重とホイールベースが194kgと1,545mmだったところ、新型では184kgと1,510mmにコンパクト化され、逆にシート高は715mmから780mmへと高くなっている。つまり、軽量化しつつ前後には短く上背は高くなり、顔立ちもキリリとしまった今風スタイルへと生まれ変わったのだ。
エンジンは従来型がベースだが、各部の熟成と効率化により最高出力も1psアップの23psへと最大トルクも含めて向上している。軽い車体と剛性感を高めた新型フレーム、サイズアップした前後ホイールとも相まって、力強い加速と安定感のあるコーナリングを見せてくれるはずだ。
250ccスクーターブーム再来の予感
▲XMAX
そして、気になるライバルはというと、排気量やスペック、見た目の雰囲気なども含め誰が見てもヤマハのXMAXであることは明らか。ちなみに昨年末に先行デビューしたXMAXシリーズはグローバルモデルとして世界的に好調なセールスを記録していると聞く。
新型フォルツァとの直接対決は楽しみにするとして、いずれにしても250ccスクーターに本格的ブーム再来の予感あり。今後の展開に期待したいところだ。