<自主避難者訴訟>「何で来たの 福島の避難者はみんな身勝手」差別的発言に苦痛訴え
東京電力福島第1原発事故による山形県への自主避難者ら735人が、国と東電に総額80億8500万円の損害賠償を求めた訴訟の第26回口頭弁論が15日、山形地裁であり、自主避難者ら5人が原告本人尋問で、周囲の差別的な言動に苦しんだ体験を語った。
子どもと共に福島市から山形市に自主避難した40代女性は、山形県危機管理課の臨時職員に採用。引き継ぎの際、前任者から「何で来たの。福島の避難者はみんな身勝手」と言われた。
長女が山形市の公立高に合格し、当時通っていた山形市の中学校に点数を報告した際も、教員から「お前は避難者なんだから、こんなに点数を取らなくても合格できたのに」などと告げられ、長女が深く傷ついたという。
妻子と共にいわき市から酒田市に避難した40代男性は、原発事故直後に避難したことについて、勤務先の会社から「責任者としてふさわしくなく、職務放棄だ」などとして一方的に解雇されたと語った。
これまで原告21人の本人尋問が終了し、今後、4人に対して行われる見通し。原告側は7月中に本人尋問を終える考え。