3〜4歳児の男の子をお連れになる患者さんとお話しさせていただくにあたって、必ず避けては通れない話題って何でしょう?
そう、それはダンゴムシです。
ズボンは、ポケットの中身を必ず確認してから洗濯しましょうね!(笑)
ところで。
ダンゴムシって幼児だけでなく、実は、小学生以上の子ども達にも人気があったりするのです。
今回は、その秘密について、お話ししましょう!
幼児達が夢中になるダンゴムシ
以前、このブログでもいちど取り上げさせていただいたダンゴムシ。
幼児たちは、たいていこの「小さな生き物」に夢中になります。
それは完全な球体にトランスフォームするさまが、男子の心をくすぐるから?
あのダイオウグソクムシとも近縁関係
その造形美は、もちろんのこと。
意外な近縁の生き物の存在も、興味を引き立てる理由になりましょうか。
ここ10年、すっかり人気者になった深海の人気者「ダイオウグソクムシ」です。
一時、江ノ島水族館で飼育されている個体が話題になりましたね。
ダンゴムシ類はワラジムシ目のワラジムシ亜目の各ダンゴムシ科、ダイオウグソクムシはウオノエ亜目のスナホリムシ科に分類されています。同じワラジ ムシ亜目のフナムシ科やワラジムシ科を兄弟とするならば、従兄弟のような関係でしょうか。ヒトで例えるなら、ニホンザルを兄弟として、アイアイとの関係に なります。
仲間ではあるけれど、近いようでそこまで近くない関係といったところでしょうか。
出典: ダイオウグソクムシとダンゴムシ
ダンゴムシにとって、 ダイオウグソクムシとは従兄弟の関係なんだそうな。
しかし、脚の数は7対14本で両者いっしょでも、サイズがぜんぜん違います。
ダイオウグソクムシのそれは、なんと20~40センチという巨大ぶり。
進化というのは、本当に凄いですよね。
ダンゴムシは迷路を抜ける達人
それと、もうひとつ。
ダンゴムシの習性を語る上で、ぜったい語らない訳にはいかないもの。
それは、
交替性転向反応(こうたいせいてんこうはんのう)です。
ダンゴムシには、ある決まったパターンで、障害物を避けていく習性があるのです。
他の昆虫や節足動物においても確認されている習性なのですが、ことダンゴムシやワラジムシに顕著に見られるんだとか。
交替性転向反応とは、動物に見られる行動に関する習性のひとつで、右に曲がった後には左、左に曲がった後ならば右に曲がるというように、曲がる向き(転向)を入れ替えて(交替)進む習性のことです。簡単にいうとジグザグに進むということです。
この習性が転じて、「ダンゴムシは迷路抜けの天才」といった話が有名になったのですが、厳密に言うとちょっと違うようです。
敢えて言うならば、交替性転向反応を考慮して設計した迷路であれば、ダンゴムシは初めて抜けられるのだそうな。
だから、基本的にダンゴムシも、迷路で迷うそうです。
小学生たちの自由研究の対象にも
でも、この習性があるおかげで、ダンゴムシは、小学生以上の子ども達の自由研究の課題にはうってつけの存在となります。
段ボールを用いた簡単な工作によって迷路を作れば、ダンゴムシの生態をじっくり観察することが可能になるから。
自分の記憶違いでなければ、たしか「交替性転向反応」を最初に発見したのは小学生の女の子ではなかったかと。
テレビのドキュメンタリー番組で、観た記憶が残っています。
ちなみに、はてなの過去記事にこんなブログがあるようです。
最後に
なるほど、ダンゴムシとは、たいへん興味深い生き物であることがわかりましたね。
場合によっては、小学生たちを夢中にさせてしまう魅力をも持っているのです。
え?
でも、やっぱり見た目が気持ち悪いって?
大丈夫です!
決して裏返しさえしなければね(笑)。
2018.5.19