初の米朝首脳会談、米大使館のエルサレム移転など、トランプ米大統領の思い切った外交に世界中の注目が集まっている。
また、金融をはじめ、さまざまな分野で世界のボーダレス化が進み、日本の政治家にとっても国際感覚や海外人脈、とくに米国人脈はこれまで以上に重要になっている。
ではこの点、次期首相の呼び声も高い、小泉進次郎・自民党筆頭副幹事長はどうだろう。
小泉氏は2018年4月3日の読売新聞の世論調査で、安倍晋三首相を押さえて堂々、「次の首相にふわしい政治家」第1位に輝いた。
官邸筋によると、「今秋の総裁選で安倍首相が敗れる可能性はほとんどないが、波乱があるとすると、小泉進次郎氏を始めとする若手が石破茂元地方創生相を推した場合だけ」と見ており、実のところ、官邸は小泉氏の動向に釘付けだといえる。
その小泉氏の国際人脈として真っ先にあげられるのが、米国・戦略国際問題研究所(CSIS)研究員時代の人脈だ。
共和党系の民間シンクタンクであるCSISは、防衛・安全保障分野では世界トップレベルで、歴代の米政府の対日戦略にも大きな影響力を与えてきた。
小泉氏は関東学院大学卒業(2004年3月)後、コロンビア大学院修士課程を卒業。2006年6月から約1年間、ワシントンDCに本部を置くCSISの研究員をつとめた。小泉氏のオフィシャルサイトでは、CSIS時代のことをこう書いている。
<配属されたのは、日本部という日本政治や日米関係などを研究する部門だった>
<仕事以外でも、ワシントンDCに駐在している日本人と交流があり、当時お世話になった方々とは今でも繋がりがある>
ある外務省関係者は、こう話す。
「CSISには世界中からエリート官僚らが出向し、政治家の子弟も多い。小泉氏はCSIS研究員として、ワシントン駐在の日本のエリート官僚たちと、よく酒を飲んだり、ゴルフをして親交を深めた。小泉氏の官僚人脈の基盤はCSISにできたといっていい。
また、小泉氏はCSISの元上司との交流もいまだに続けており、こちらも彼の米国人脈のベースになっている」
では小泉氏のCSIS時代の上司とは、どんな人物なのか。注目すべきは、当時日本部長だったマイケル・グリーン氏(CSIS副理事長)だろう。
マイケル・グリーン氏は、ブッシュ政権の国家安全保障会議(NSC)議長や大統領特別補佐官などをつとめ、現在でも米政府の対アジア・日本戦略に大きな影響力を持っている。米国きっての日本通として知られ、安倍首相とも親しい。
そのマイケル・グリーン氏は、小泉元首相の子息を自分の部下として預かったことについて、江戸時代、幕府が大名の妻子を人質として江戸に留め置いたことになぞらえて、「『大名の人質だよ』とユーモアたっぷりに話していた」(前出・外務省関係者)というが、なかなか含蓄のある表現だ。
彼ら米国の日本専門家からすると、将来の総理候補の一人である小泉氏は「重要なパートナーという位置づけ」であるとも、この外務省関係者は指摘する。