今春卒業した大学生の4月1日時点の就職率が98.0%だったことが18日、文部科学省と厚生労働省の調査で分かった。1997年の調査開始以来の過去最高を3年連続で更新した。文科省は「景気の回復基調が続き、企業の採用意欲が高まっている」と分析している。
就職率は就職希望者のうち、実際に仕事に就いた人の割合。全国の国公私立大62校を抽出し、4770人を調べた。
今春の就職率は前年同期を0.4ポイント上回り、過去最低だった11年(91.0%)以降、7年連続で上昇した。就職希望者の割合も0.6ポイント増の75.3%と過去最高を更新。文科省の推計では、就職した卒業生は41万9300人で、前年を3200人上回った。
就職率を全国6つの地域別にみると、最高は中部の99.5%で前年同期を2.1ポイント上回った。関東が98.5%、九州が97.5%で続いた。
男女別では女子(98.6%)が男子(97.5%)を6年連続で上回った。文系は98.2%、理系は97.2%だった。
卒業者に占める就職希望者の割合は私立が1.8ポイント増の86.1%だったのに対し、国公立は53.7%で1.6ポイント減った。文科省は「国公立大はもともと大学院への進学率が高い」としたうえで「景気回復によって、専門性をさらに磨いてから就職しても遅くないと考える学生が増えた可能性もある」とみている。
一方、全国の高校で実施した調査では、今春卒業した高校生の3月末の就職率は0.1ポイント増の98.1%と8年連続で改善。1991年以来、27年ぶりの高水準だった。