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株価はまだ上がり続ける 億万投資家の投資先はここ 億万投資家、相場はこう攻める(下)

日経マネー

2018/5/18

億単位の資産を有する「すご腕投資家」3人が本音でトーク(写真:都築雅人)
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 株式投資で億単位の資産を築いた、旧知の3人の腕利き投資家が相場展望や投資手法について熱く語り合った。3回に分けて紹介する(前回記事「億万投資家も迷う急落 下げ相場での戦略は」はこちら)。3回目は今後の相場の見通しなどについて話し合ってもらった。

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──相場の先行きについてはどんな見通しを持っていますか。

(写真:都築雅人)

今亀庵さん(以下、今) 「2020年の東京五輪までに日経平均3万円」と言い続けてきて、その考えは変わっていません。なぜなら、リーマン・ショック級の暴落はもう来ないと思っているからです。10年前の08年に起きたリーマン・ショックは「100年に一度の危機」といわれました。そうしたショックが頻繁に起きるはずがありません。

 1980年代後半に起きたバブルもそうですが、バブルがはじけて大きなショックが起きる前には、かなりの資産バブルが発生して株価が急騰しています。ですから、緩やかに上がり続けている限りはそれが何十年も続くとみています。五輪の後も日経平均は上昇し、3万5000円や4万円に5年ほどかけて到達する。信用取引で2倍のレバレッジを掛けられるのもこうした見立てがあるからです。

 2018年2月上旬の下げは、1987年のブラックマンデーのように、金利や為替のちょっとした変動にシステムトレードが過剰に反応して起きた一時的な調整にすぎません。米国だけでなく、欧州、日本、新興国も景気が拡大しています。米国の景気は、減税で企業業績が押し上げられてさらに良くなるでしょう。心配されるのは米金利の動向ですが、緩やかに上昇する限りは米国の経済や株価にもプラスに働くと考えています。

かぶ1000さん(以下、か) 私も日本株についてはまだ上昇するとみています。米国株は、米10年物国債の利回りが3%に近づいて株の益回りとの差が少なくなっているので、上値がきついと思いますが、日本の10年物国債の利回りは0.05%近辺です。日本株の予想益回りは7%くらいありますから、少なくともそれと同率のペースで日本株は上がっていくでしょう。

 円高が進むと輸出企業の業績が悪化して足踏みする可能性はありますが、日銀のETF買いによる下支えもありますし、上昇基調は変わらないと思います。

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