日経マネー 特集セレクト
株価はまだ上がり続ける 億万投資家の投資先はここ
億万投資家、相場はこう攻める(下)
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億単位の資産を有する「すご腕投資家」3人が本音でトーク(写真:都築雅人)
株式投資で億単位の資産を築いた、旧知の3人の腕利き投資家が相場展望や投資手法について熱く語り合った。3回に分けて紹介する(前回記事「億万投資家も迷う急落 下げ相場での戦略は」はこちら)。3回目は今後の相場の見通しなどについて話し合ってもらった。
◇ ◇ ◇
──相場の先行きについてはどんな見通しを持っていますか。
(写真:都築雅人) 今亀庵さん(以下、今) 「2020年の東京五輪までに日経平均3万円」と言い続けてきて、その考えは変わっていません。なぜなら、リーマン・ショック級の暴落はもう来ないと思っているからです。10年前の08年に起きたリーマン・ショックは「100年に一度の危機」といわれました。そうしたショックが頻繁に起きるはずがありません。
1980年代後半に起きたバブルもそうですが、バブルがはじけて大きなショックが起きる前には、かなりの資産バブルが発生して株価が急騰しています。ですから、緩やかに上がり続けている限りはそれが何十年も続くとみています。五輪の後も日経平均は上昇し、3万5000円や4万円に5年ほどかけて到達する。信用取引で2倍のレバレッジを掛けられるのもこうした見立てがあるからです。
2018年2月上旬の下げは、1987年のブラックマンデーのように、金利や為替のちょっとした変動にシステムトレードが過剰に反応して起きた一時的な調整にすぎません。米国だけでなく、欧州、日本、新興国も景気が拡大しています。米国の景気は、減税で企業業績が押し上げられてさらに良くなるでしょう。心配されるのは米金利の動向ですが、緩やかに上昇する限りは米国の経済や株価にもプラスに働くと考えています。
かぶ1000さん(以下、か) 私も日本株についてはまだ上昇するとみています。米国株は、米10年物国債の利回りが3%に近づいて株の益回りとの差が少なくなっているので、上値がきついと思いますが、日本の10年物国債の利回りは0.05%近辺です。日本株の予想益回りは7%くらいありますから、少なくともそれと同率のペースで日本株は上がっていくでしょう。
円高が進むと輸出企業の業績が悪化して足踏みする可能性はありますが、日銀のETF買いによる下支えもありますし、上昇基調は変わらないと思います。
株式投資で億単位の資産を築いた、旧知の3人の腕利き投資家が相場展望や投資手法について熱く語り合った。3回に分けて紹介する(前回記事「億万投資家も迷う急落 下げ相場での戦略は」はこちら)。3回目は今後の相場の見通しなどについて話し合ってもらった。
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──相場の先行きについてはどんな見通しを持っていますか。
今亀庵さん(以下、今) 「2020年の東京五輪までに日経平均3万円」と言い続けてきて、その考えは変わっていません。なぜなら、リーマン・ショック級の暴落はもう来ないと思っているからです。10年前の08年に起きたリーマン・ショックは「100年に一度の危機」といわれました。そうしたショックが頻繁に起きるはずがありません。
1980年代後半に起きたバブルもそうですが、バブルがはじけて大きなショックが起きる前には、かなりの資産バブルが発生して株価が急騰しています。ですから、緩やかに上がり続けている限りはそれが何十年も続くとみています。五輪の後も日経平均は上昇し、3万5000円や4万円に5年ほどかけて到達する。信用取引で2倍のレバレッジを掛けられるのもこうした見立てがあるからです。
2018年2月上旬の下げは、1987年のブラックマンデーのように、金利や為替のちょっとした変動にシステムトレードが過剰に反応して起きた一時的な調整にすぎません。米国だけでなく、欧州、日本、新興国も景気が拡大しています。米国の景気は、減税で企業業績が押し上げられてさらに良くなるでしょう。心配されるのは米金利の動向ですが、緩やかに上昇する限りは米国の経済や株価にもプラスに働くと考えています。
かぶ1000さん(以下、か) 私も日本株についてはまだ上昇するとみています。米国株は、米10年物国債の利回りが3%に近づいて株の益回りとの差が少なくなっているので、上値がきついと思いますが、日本の10年物国債の利回りは0.05%近辺です。日本株の予想益回りは7%くらいありますから、少なくともそれと同率のペースで日本株は上がっていくでしょう。
円高が進むと輸出企業の業績が悪化して足踏みする可能性はありますが、日銀のETF買いによる下支えもありますし、上昇基調は変わらないと思います。
www9945さん(以下、w) 米国では金融緩和に伴う利回りの低下を受けて国債から株に資金が流入しましたが、食品や資源、通信といったいわゆるディフェンシブ銘柄は出遅れて、配当利回りが高くなりました。日本でも日本たばこ産業のような銘柄の配当利回りが高くなっているので、狙い目とみています。
■10倍株が出やすい4業種
──他にどのような銘柄に投資妙味を感じていますか。
w 上げ相場の終盤戦には、出遅れているセクターにも資金が回って上昇します。その一つになると踏んでいるのが、運送業界です。そこでアマゾンジャパン向けの物流拠点間輸送が拡大していて、運賃値上げの追い風も受け始めた運送中堅の遠州トラック(JQ・9057)を保有しています。
今 私は小型成長株で売却益狙いですが、それで留意しているのは業種です。「テンバガー(10倍株)」が出やすいのは統計上、「ネット関連」、小売りを含めた「サービス業」、「不動産」、銀行、証券、保険以外の「その他金融」の4つです。ですから、私の現在のポートフォリオでも、これら4業種の銘柄が全体の8割を占めています。
か 私の場合、株や不動産などの含み資産を保有している銘柄を売買する点は変わりません。光製作所(JQ・8191)、丸八ホールディングス(名2・3504)、日本アセットマーケティング(東マ・8922)、三菱倉庫(東1・9301)の主力4銘柄は事業も規模も全く異なりますが、不動産の保有や賃貸をしている点では共通しています。東海染工(東1・3577)は保育所や託児所の運営を手掛けていて、幼児教育の無償化という国の政策の恩恵を受ける点などに注目しています。
(日経マネー 中野目純一)
[日経マネー2018年5月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)
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