SNSは「真面目に」 修道女にローマ法王指南
ローマ・カトリック教会はこのほど、修道女たちに対して、ソーシャルメディア・アプリは「真面目、かつ慎重に」使うようにとのフランシスコ法王の指示を発令した。
「コル・オランス」(祈る人の心)と題された文書での今回の指示は、2016年に出された修道院生活の規律を、より詳しく解説している。沈黙と反省の習慣を守るための規律だという。
文書は、ソーシャルメディアを「ソーシャル・コミュニケーション」と呼び、特定のアプリは名指ししていない。しかしカトリック教会の新聞「タブレット」は、フェイスブックやツイッターを念頭においたものだと書いている。
文書では、「情報の量やコミュニケーションの種類」、さらにアプリ内の実際のコンテンツについて慎重な対応が求められると述べられている。
「時間の浪費」への警告
スペイン北部のパンプローナで毎年行われる伝統行事「牛追い祭り」で、2016年に当時18歳の女性を強姦したとして起訴されていた5人の男たちについて、裁判所が先月、強姦罪では無罪としたのを受けて抗議の声が上がるなか、地元の女子修道会「オンダリビアの女子カルメル会」がソーシャルメディアで、被害者を応援する内容を投稿し、話題を集めた。
修道会はフェイスブックで、自分たちが修道院に入り、酒を飲まず、夜遊びに出かけないのは自由意志に基づいていると書いた上で、自分たちの選択は「自由な決断だからこそ、私たちとは逆のことを全ての女性が、批判されず、強姦されず、脅されず、辱められず、自由にできる権利を、私たちは可能な限りのあらゆる方法(例えばここを使うとか)で擁護していく」と主張した(訳注・太文字は原文で大文字強調)。
修道会の投稿が今回の指示のきっかけになったとはみられていない。カトリック教会は過去にも、修道女に対してソーシャルメディアの使用に関する手引きを出している。
女子修道会の基本的な規律「スポンサ・クリスティ・エクレジア」は1950年にピウス12世が出したものだが、フランシスコ法王は2016年に内容を追加し、デジタル文化の社会に対する「決定的な影響力」について警告した。
フランシスコ法王は、デジタルメディアによって「時間が浪費させられる」ことにならないよう、修道女たちに促している。
ローマ法王庁(バチカン)自体は、頻繁にツイッターを活用している。「バチカン・ニュース」アカウントは1万5000回以上、法王の英語のアカウントは1500回以上、それぞれ投稿している。
法王庁はさらに、フェイスブックやインスタグラム、YouTube、グーグル・プラスのアカウントを開設している。