打ち込み・オーケストレーション
2010年07月01日
どんな音源を使うか
ここからは、打ち込みでオーケストラサウンドを再現したい方向けの項目でございます。
スコアを書くだけで事が済む方は、どうぞ飛ばしちゃってくださいな。
「打ち込み」というのは、オールインワンシンセやパソコンを使って、生音を用いずに曲を構築することですわな。
パソコンを使う場合は、「DTM」「DAW」などとも呼ばれます。最近はあんまり言わないかな。
「DTM」は「Desk Top Music」、「DAW」は「Digital Audio Workstation」の略です。
どういう目的で音を作りたいのかによっても、いろいろと異なりますわね。
もう、超本気! ゲームのサウンド作りたいんです! なんていう人は、ある程度はしっかりとお金をかけて、パソコンとかソフトとか揃えないといけませんわね。
(会社に入っちゃえば会社が揃えてくれたのを使えばいいんですけど、入る際に先方に聴いてもらうデモは自分で作らなきゃいかんわけですし)
いやあ、趣味でちょいとやりたいんですよーなんていう場合は、お金をかけるかかけないかはご自身次第。
かくいうワタクシも、かつてはオールインワンシンセで、ちまちま打ち込んでいました。
5年ほど前と比較しても、随分と手軽にオーケストラサウンドの打ち込みを楽しめるようになって参りましたわね。
パソコンの進化もありますし、音源の低価格化も著しいです。
最も大きな出来事といえば、64bit化が進んで、もはやスタンダードとも言えるようになってきたことです。
ご存じの方も多かりましょうが、32bitと64bitでは、扱えるメモリの容量がものすごく違います。
ざっくり、32bitでは3ギガくらいまでしか使えなかったメモリが、64bitでは32ギガくらいまで使えるわけですよ。
(マザーボードとかOSの仕様によっては、16ギガとか8ギガまでしか使えない場合もあります。理論上は遙かに多くのメモリを搭載できるらしいんですけど、そこまでのメモリを必要とする状況が想定できないってことで、現状32ギガが最高らしいです。Mac Proは32ギガまでメモリを積めます)
以前は、メインパソコンの他に、音源専用のパソコンを組んでいたわけですから。ええ、ワタクシもです。
ソフトウェアサンプラーを使っておりますと、使えるメモリは多ければ多いほど良いわけです。
それだけ多くのサンプルをあらかじめ読み込んでおくことができるということですから。
新しい音源や高級音源ほど、多くのメモリを消費することを考えますると、ここは64bitでいきたいところですよね。
シーケンスソフトだと、CubaseとかLogic、Sonar、DPなんかは64bit対応してますよね。
一方で、エフェクトとかインストゥルメントとかのプラグインでは、まだ対応していないものも多いために、やむなく32bitでシーケンスソフトを立ち上げている方も多かりましょう。
幸い、シーケンスソフトが32bitでも、64bit分のメモリを使えるソフトウェアサンプラーが存在します。
Native Instrumentsの「Kontakt」ですとか、Eastwestの「Playエンジン」とかですよ。
あるいは、「Vienna Ensemble Pro」を使うとか。
シーケンスソフトに関わらず、32bit・64bitそれぞれのプラグインを呼び出せるホスティングソフトです。
ちょっとお高いですけども、シーケンスソフトの負荷も軽減してくれます。
64bitシーケンスソフト上で32bitプラグインを使えるようにする(あるいはその逆も可)、jBridge(Mac用にはjBridgeM)というツールもあります。(VSTのみ)
重たい音源を快適に使いたいならVienna Ensemble Pro、そんなに重たくないけども32bitプラグインを救済したいならjBridge、といった感じですわね。
で、実際どういった音源を使えば、より「それっぽく」打ち込めるのかと。
世の中の全ての音源を試したわけではないので、いろいろと不足はあるとは思うのですが。
最もコストパフォーマンスが高く、かつ汎用性の高いオケ音源ということで申しますと、とにもかくにもEastwestの「Symphonic Orchestra」(通称「QLSO」)ではないかと。
Playエンジンがやや不安定ということはありましょうが。
Platinumは、よっぽどでなきゃ必要ないです。Goldで充分。通常5万円前後。セールもしょっちゅうやってるし。
日本国内の代理店はHigh Resolution。
英語でのやり取りに問題がなければ、直でメーカーから買いましょう。すげー安いし。円高だし。
但し不良品率が高いようなので(DVDがダブってたりカビが生えてたり)、英語に自信がない方は日本の代理店で買いましょう。
Kontakt5付属の音源でも、ある程度までは充分使えると思われ。こちらは3~4万。
若干、音が薄い感じがするので、それっぽく聞こえるようにするには、オーケストレーションをちゃんと勉強しないといかんです。
音源が多少アレでも、オーケストレーションがちゃんとしていれば、そんなにひどくは聞こえないですよ。
(逆に、オーケストレーションが多少アレでも、音源が良いために実際より良く聞こえることもあったりなかったり)
この付属音源、Viennaの音源をKontakt用にエディットしたもののようなんだけれども、ちょいと物足りない感じはある。
あと、困ったことに、バイオリンの1と2の区別がないので、自分でうまいこと調節しないとイケナイ。Panとか音量とか。
Viennaは、やはり純正のVienna Instruments(Vienna専用のサンプラーエンジン)を使ってこそ真価が発揮できるのでしょうな。レガートとか。
(念のため言っておくと、Kontakt付属の音源はKontakt専用なので、Vienna Instrumentsを使って読み込むことはできません。Veinna special editionを買いましょう)
お金があれば、Viennaの各種音源をバンバン買ってしまうのも、それはそれで楽しみ方としてはアリです。
物足りなくなったら、ちょっと高級な音源に手を出してみますか。
弦楽器では
・LASS
・Hollywood Strings
金管楽器では
・Hollywood Brass
・Vienna DIMENSION BRASS
なんかの評判がいいようです。高いけども。
スコアを書くだけで事が済む方は、どうぞ飛ばしちゃってくださいな。
「打ち込み」というのは、オールインワンシンセやパソコンを使って、生音を用いずに曲を構築することですわな。
パソコンを使う場合は、「DTM」「DAW」などとも呼ばれます。最近はあんまり言わないかな。
「DTM」は「Desk Top Music」、「DAW」は「Digital Audio Workstation」の略です。
どういう目的で音を作りたいのかによっても、いろいろと異なりますわね。
もう、超本気! ゲームのサウンド作りたいんです! なんていう人は、ある程度はしっかりとお金をかけて、パソコンとかソフトとか揃えないといけませんわね。
(会社に入っちゃえば会社が揃えてくれたのを使えばいいんですけど、入る際に先方に聴いてもらうデモは自分で作らなきゃいかんわけですし)
いやあ、趣味でちょいとやりたいんですよーなんていう場合は、お金をかけるかかけないかはご自身次第。
かくいうワタクシも、かつてはオールインワンシンセで、ちまちま打ち込んでいました。
5年ほど前と比較しても、随分と手軽にオーケストラサウンドの打ち込みを楽しめるようになって参りましたわね。
パソコンの進化もありますし、音源の低価格化も著しいです。
最も大きな出来事といえば、64bit化が進んで、もはやスタンダードとも言えるようになってきたことです。
ご存じの方も多かりましょうが、32bitと64bitでは、扱えるメモリの容量がものすごく違います。
ざっくり、32bitでは3ギガくらいまでしか使えなかったメモリが、64bitでは32ギガくらいまで使えるわけですよ。
(マザーボードとかOSの仕様によっては、16ギガとか8ギガまでしか使えない場合もあります。理論上は遙かに多くのメモリを搭載できるらしいんですけど、そこまでのメモリを必要とする状況が想定できないってことで、現状32ギガが最高らしいです。Mac Proは32ギガまでメモリを積めます)
以前は、メインパソコンの他に、音源専用のパソコンを組んでいたわけですから。ええ、ワタクシもです。
ソフトウェアサンプラーを使っておりますと、使えるメモリは多ければ多いほど良いわけです。
それだけ多くのサンプルをあらかじめ読み込んでおくことができるということですから。
新しい音源や高級音源ほど、多くのメモリを消費することを考えますると、ここは64bitでいきたいところですよね。
シーケンスソフトだと、CubaseとかLogic、Sonar、DPなんかは64bit対応してますよね。
一方で、エフェクトとかインストゥルメントとかのプラグインでは、まだ対応していないものも多いために、やむなく32bitでシーケンスソフトを立ち上げている方も多かりましょう。
幸い、シーケンスソフトが32bitでも、64bit分のメモリを使えるソフトウェアサンプラーが存在します。
Native Instrumentsの「Kontakt」ですとか、Eastwestの「Playエンジン」とかですよ。
あるいは、「Vienna Ensemble Pro」を使うとか。
シーケンスソフトに関わらず、32bit・64bitそれぞれのプラグインを呼び出せるホスティングソフトです。
ちょっとお高いですけども、シーケンスソフトの負荷も軽減してくれます。
64bitシーケンスソフト上で32bitプラグインを使えるようにする(あるいはその逆も可)、jBridge(Mac用にはjBridgeM)というツールもあります。(VSTのみ)
重たい音源を快適に使いたいならVienna Ensemble Pro、そんなに重たくないけども32bitプラグインを救済したいならjBridge、といった感じですわね。
で、実際どういった音源を使えば、より「それっぽく」打ち込めるのかと。
世の中の全ての音源を試したわけではないので、いろいろと不足はあるとは思うのですが。
最もコストパフォーマンスが高く、かつ汎用性の高いオケ音源ということで申しますと、とにもかくにもEastwestの「Symphonic Orchestra」(通称「QLSO」)ではないかと。
Playエンジンがやや不安定ということはありましょうが。
Platinumは、よっぽどでなきゃ必要ないです。Goldで充分。通常5万円前後。セールもしょっちゅうやってるし。
日本国内の代理店はHigh Resolution。
英語でのやり取りに問題がなければ、直でメーカーから買いましょう。すげー安いし。円高だし。
但し不良品率が高いようなので(DVDがダブってたりカビが生えてたり)、英語に自信がない方は日本の代理店で買いましょう。
Kontakt5付属の音源でも、ある程度までは充分使えると思われ。こちらは3~4万。
若干、音が薄い感じがするので、それっぽく聞こえるようにするには、オーケストレーションをちゃんと勉強しないといかんです。
音源が多少アレでも、オーケストレーションがちゃんとしていれば、そんなにひどくは聞こえないですよ。
(逆に、オーケストレーションが多少アレでも、音源が良いために実際より良く聞こえることもあったりなかったり)
この付属音源、Viennaの音源をKontakt用にエディットしたもののようなんだけれども、ちょいと物足りない感じはある。
あと、困ったことに、バイオリンの1と2の区別がないので、自分でうまいこと調節しないとイケナイ。Panとか音量とか。
Viennaは、やはり純正のVienna Instruments(Vienna専用のサンプラーエンジン)を使ってこそ真価が発揮できるのでしょうな。レガートとか。
(念のため言っておくと、Kontakt付属の音源はKontakt専用なので、Vienna Instrumentsを使って読み込むことはできません。Veinna special editionを買いましょう)
お金があれば、Viennaの各種音源をバンバン買ってしまうのも、それはそれで楽しみ方としてはアリです。
物足りなくなったら、ちょっと高級な音源に手を出してみますか。
弦楽器では
・LASS
・Hollywood Strings
金管楽器では
・Hollywood Brass
・Vienna DIMENSION BRASS
なんかの評判がいいようです。高いけども。
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各種音源レビュー その1
ここいらで、目的別にまとめておきましょう。
最近では、もう二極化してきていますわね。
すなわち、趣味か超本気か。
音源の価格が二極化してしまっているので、中間層っていうのがなくなってるんだわね。
5万以内か、10万以上か、っていうような案配で。
各音源の印象は個人的なものなので、比較云々というよりは、あくまで参考程度に。
あと、リンクは基本的に国内代理店の製品ページに飛ぶようになっています。
円高の今、英語に難がなければ、ぜひメーカーからの直買いに挑戦してください。安いので。
メーカーはちょいとググればわかりますんでね。
<あくまで趣味。安ければ安いほどいい。でもシンセじゃなくサンプル音源が欲しい>
・QLSO Gold
QLSOというのは、「Quantum Leap Symphonic Orchestra」の略です。
Quantum Leapっていうのはメーカー名ね。
価格帯が近いので、下記のVienna Special editionと比較されることが多いけれども、コチラの方が使いやすいような気がする。音的に。奏法的に。
廉価版の「Silver」は、どうでもいい。ちょっと高くてもGoldを買いましょう。
まあ、多少の不都合はありまして。ソロ・トロンボーンに「スフォルツァンド」が入ってないとか。
これは上位バージョンの「Platinum」でも入ってないので、いかんともしがたい。
打ち込む際にExpressionでうまいこと再現しましょう。
弦がちょっと細い印象。
上位バージョンの「Platinum」は、マイクポジションのバリエーションが豊富っていうだけ(収録されているアーティキュレーションは同じ)なので、実質このGoldで必要充分。
値段的に「あくまで趣味」のカテゴリに入れちゃったけど、ある程度までは充分プロユースに堪える。
よくセールもやってるぜ。安いときに買えば、3万くらいかね。通常でも5万くらい。
「リリーストレイル」と呼んでいる「リバーブ成分」をオフにして、別のリバーブをかけた方が、良い感じになる気がする。
メモリの節約にもなるし。
リリーストレイルも悪くないんだけど、音が分離して聞こえてしまう感じのような。
オケの一体感を感じないっていう感じ。感じがダブった。
・Veinna special edition
Vienna音源の、主要な奏法のみを抽出したベーシックバージョン。
でも、きっとどんどん上位バージョンが欲しくなって、結局散財せざるを得なくなる、恐ろしい音源。
木管の音はなかなか良いですよ。弦も悪くない。トリルが入ってないけど。
クラシックをカンペキに再現したい、とか、特殊奏法の曲を打ち込みたい、とかでなければ、これでもいいんでないか。
奏法で補完したくなったら、拡張音源もあります。
ただし。
各拡張音源を揃えていった場合、結果20万くらいになってしまうっていうことにもなりかねないわけで。
それだったらQLSOを買っておいたらいいんじゃなかろうか。
ちゃんと、欲しい奏法が含まれているかどうかを確認してから、その音源が良いのかを考えましょうや。
・Garritan Personal Orchestra
安い。とにもかくにも。
ただ、安いだけあって、音が細い。容量も少ない。
木管楽器の音は、ViennaとかQLSOよりも使いやすいものもある。だけど、音が細い。
弦は、あんまりイケてない。
ソロのチェロなんかは、なかなかいいですよ。
プレイバックエンジンは、Garritanオリジナルの「Aria Player」。
プロユースはやっぱりきついかな。
やっぱり、コレを買うならQLSOの方がコストパフォーマンスがいい。と思う。
実は昔コレを使ってた。
・Kontakt5
付属のオーケストラ音源は、ViennaをKontakt用にエディットしたもの。
ほかにもシンセとかエスニックとかバンド系の音色が付属していることを考えると、なかなかコストパフォーマンスが高い。
Vienna Special Editionを買うなら、こっちの方がいいかもしれん。
ただ、奏法のバリエーションは豊富ではない。あと、金管楽器と打楽器の音が細い。「本物感」が弱い。
Kontaktは持っておくと非常に便利で、なかなか汎用性の高いサンプラーですよ。最新バージョンは5。
当たり前だけども、サンプルをプレイバックするだけじゃなくて、細かい調整ができるんで実に便利。
付属音源が目的じゃなくても、持っておくといろいろと便利なことは間違いないですよ。
Kontakt用の音源は、山ほど出てますんでね。
「ソフトサンプラー」に限っていえば、Kontaktは現状デファクト・スタンダードです。
ちょっと前までは、ソフトサンプラーのデファクト・スタンダードといえば、GIGA Samplerだったんですけどもね。
仕事で打ち込みをする人のほとんどが、Kontaktを使っていると言っても過言ではナイ。
<超本気。プロを目指してる。あるいはプロ。金に糸目は付けん!>
・Vienna各音源
もう、どうしますよ。
全部揃えてったら、100万コース。
リバーブとか空気感は入っていないので、そこは自分でいろいろと調整しないといかん。
基本的なものを全部一気に揃えようと思ったら、SYMPHONIC CUBEあたりかな。30万。なんじゃそりゃ。
弦の質感は、LASSと似てる。弓が弦をこすってる感じが強い。
ものすごく素晴らしい打ち込みにもなれば、すごくショボい打ち込みになってしまうこともあるという、テクニックが必要な音源。
リバーブ等の空気感はまったく入ってないので、自分で調整しましょうね。
ベタ打ちだと、ちょっと聴けたもんじゃなくなってしまう。
メジャーどころのゲーム音楽なんかでも使われることが多いですわね。
そういう方向に進みたかったら、事前にプレイバックエンジンの「Vienna Instrument」に慣れておいたらいいかもね。
打ち込む前に、生のオケを聴け。マジで。
生オケを聴く必要があるのはどの音源を使おうと変わらないけれども、ことこの音源に関しては重要。
弦のソロとか小規模編成はすごく良い。
・QLSO Platinum
弦・木管・金管・打楽器の全部入り。
QLSOの3マイクポジションバージョンにして、最高級バージョン。
目の前で演奏してるのと、指揮者の位置と、観客席と。
でも、ここまでのマイクポジションって、そんなに使わないですよ。
目の前で演奏している音が必要なことは、ポップスっぽい曲の時に木管なんかでたまにあるので、そういうのが必要な人はコレ。
安いときだと、5~6万くらい。
でもやっぱり、Goldでいいんじゃないかなあと。
サラウンドが必要な局面って、あんまりないんじゃないかなあと。
収録されている音がそんなに違うわけでもないし。
ある程度のことは、リバーブとかEQで頑張れば再現できなくもないですし。
むしろ、下記のHollywoodシリーズを買った方がいい。
余談ですけど、この音源。
ほんの5年くらい前までは、全部揃えると何十万コースで、最高級と言われていた音源なのですよ。
(当時はPlayエンジンではなく、Kontakt用音源でしたけど)
それが、いつのまにか10万もしないで手に入るようになり、そのせいか、オーケストラ音源のスタンダードとまで言われるようになり。
時の流れと、価格の趨勢を思わずにはいられません。
低価格路線のQLSOと、高級路線のViennaと。
それにしても、返す返すもKontakt用音源だった頃に戻っていただきたいと思う。
Playエンジンは、細かなエディットが全くできないんですよね。
サンプル音源というのは生の音を録音したものであって、ものによってはプレーヤーの方が失敗したような音が含まれていることもあるわけですよ。
それを、Kontaktの時代だったらばある程度自分で修正できたわけ。
Playエンジンでもそういうことができるようになるといいんだけど。
そういうことができるプレイバックエンジンが出ますよーというアナウンスが2年前くらいにあったけども、一向に出る気配がないし。
・LASS
弦専用音源。正式名称は、LA Scoring Strings。LAとはすなわちロサンゼルスですわね。
エンジンはKontakt5。
巷ではピッチが悪いなんて言われてますけれども。
なかなかどうして、いい音源です。自分がメインで使ってるから言うわけじゃないですけど。
(ただ、ソロ楽器の音程は確かに良くないです。時々、あれっと思う音がある)
こんなにスムーズにレガートやポルタメントが表現できるっていうのは非常にありがたい。
EQは切って使いましょうね。EQない方が、音に深みがある。(デフォルトだとEQはオンになってる)
EQがオンのままだと、か細いです。
QLSOの弦よりも、存在感がある。
あと、各セクションの人数を比較的柔軟に設定できるのがいいところ。
バイオリン1を8人にしようとか12人にしようとか。
バイオリン1を例に取りますと、ソロ・4人・8人・16人のパッチが用意されてる。
ただ、ソロに関してはやっぱりピッチが気になってしまうのは事実。
ピッチは音程ごとに調節できるんですけどね。めんどくさいんだよな。
スタッカートやスピッカートといった短い音では、弾く強さをベロシティとCCで調節できる。
あと、値段が高い。輸入で8万くらい。国内の代理店経由だと15万くらい。
容量が大きいので、パソコンの環境によっては重すぎてうまく使えないかも。
室内楽みたいな小規模編成は苦手っぽい。
あと、奏法が若干少ない。コレーニョとか入ってない。まあ、コレーニョが必要になったことはないけど。
(コレーニョってのは、弓の背の方=木の部分で演奏する奏法ですよ)
自分で使った実感と致しましては、なかなかいいです。高かったけど。
バージョンがアップして、ビブラートの案配を調節できるようになったことも大きいです。
デフォルトのままだと、バイオリン2の音量が小さすぎるのと、ビオラの音量がでかすぎるので、そこは調節が必要です。必要でした。
ほかにも、快適に使うにはいろいろと設定をいじった方が良かったりして、初級者にはちょと難儀な音源かもしれません。
それから。
サンプルの容量が大きい分、動作は重たいです。
がっつりメモリを積んで。
・Hollywood Brass
金管専用音源。
正直、持ってないのでなんともですけれども。
デモを聴く限りでは、すごく欲しいわー。欲しいので、書いてしまいました。
なんともきらびやかな、ハリウッドっぽい音がする。ファンファーレっぽい。
Chris HeinsとかFirst Call Hornsとかのブラス専用音源と比べても、芯の太い音がするような。
(Chris HeinsとかFirst Call Hornsは、そもそもオケ用の音源ではなくて、ジャズとかのブラスセクション向けなのですが)
ジャズとかポップス向けの奏法は、入ってないものも結構ある様子。フォールとかフラッターとか。
次に儲かったら買いたいなあと。
なんかスミマセン。
・Hollywood Strings
弦専用音源。
これを選ぶかLASSを選ぶかViennaを選ぶかは、もう好みの問題だろうなあと。
コチラの方がよりシルキーな感じ。奏者の人数が多い感じというか。LASSやViennaは、ボウイングの質感が強い感じ。
当たり前だけど、QLSOの弦よりは遙かに良い。質感が。
QLSOで気になっていた線の細さが、こちらではグッと改善されてる。
音の傾向はQLSOに似てるんだけれども。
演奏している人数は、QLSOよりも多い感じ。
奏法も豊富ですよ。
各音源のサイトにあるデモを聴いてみて、しっくりくるのを買うのが正解でしょうな。
もし、資金があり余って仕方ないようでしたら、いろいろ買って、曲によってチョイスしてください。
各種音源レビュー その2に続きます。
最近では、もう二極化してきていますわね。
すなわち、趣味か超本気か。
音源の価格が二極化してしまっているので、中間層っていうのがなくなってるんだわね。
5万以内か、10万以上か、っていうような案配で。
各音源の印象は個人的なものなので、比較云々というよりは、あくまで参考程度に。
あと、リンクは基本的に国内代理店の製品ページに飛ぶようになっています。
円高の今、英語に難がなければ、ぜひメーカーからの直買いに挑戦してください。安いので。
メーカーはちょいとググればわかりますんでね。
<あくまで趣味。安ければ安いほどいい。でもシンセじゃなくサンプル音源が欲しい>
・QLSO Gold
QLSOというのは、「Quantum Leap Symphonic Orchestra」の略です。
Quantum Leapっていうのはメーカー名ね。
価格帯が近いので、下記のVienna Special editionと比較されることが多いけれども、コチラの方が使いやすいような気がする。音的に。奏法的に。
廉価版の「Silver」は、どうでもいい。ちょっと高くてもGoldを買いましょう。
まあ、多少の不都合はありまして。ソロ・トロンボーンに「スフォルツァンド」が入ってないとか。
これは上位バージョンの「Platinum」でも入ってないので、いかんともしがたい。
打ち込む際にExpressionでうまいこと再現しましょう。
弦がちょっと細い印象。
上位バージョンの「Platinum」は、マイクポジションのバリエーションが豊富っていうだけ(収録されているアーティキュレーションは同じ)なので、実質このGoldで必要充分。
値段的に「あくまで趣味」のカテゴリに入れちゃったけど、ある程度までは充分プロユースに堪える。
よくセールもやってるぜ。安いときに買えば、3万くらいかね。通常でも5万くらい。
「リリーストレイル」と呼んでいる「リバーブ成分」をオフにして、別のリバーブをかけた方が、良い感じになる気がする。
メモリの節約にもなるし。
リリーストレイルも悪くないんだけど、音が分離して聞こえてしまう感じのような。
オケの一体感を感じないっていう感じ。感じがダブった。
・Veinna special edition
Vienna音源の、主要な奏法のみを抽出したベーシックバージョン。
でも、きっとどんどん上位バージョンが欲しくなって、結局散財せざるを得なくなる、恐ろしい音源。
木管の音はなかなか良いですよ。弦も悪くない。トリルが入ってないけど。
クラシックをカンペキに再現したい、とか、特殊奏法の曲を打ち込みたい、とかでなければ、これでもいいんでないか。
奏法で補完したくなったら、拡張音源もあります。
ただし。
各拡張音源を揃えていった場合、結果20万くらいになってしまうっていうことにもなりかねないわけで。
それだったらQLSOを買っておいたらいいんじゃなかろうか。
ちゃんと、欲しい奏法が含まれているかどうかを確認してから、その音源が良いのかを考えましょうや。
・Garritan Personal Orchestra
安い。とにもかくにも。
ただ、安いだけあって、音が細い。容量も少ない。
木管楽器の音は、ViennaとかQLSOよりも使いやすいものもある。だけど、音が細い。
弦は、あんまりイケてない。
ソロのチェロなんかは、なかなかいいですよ。
プレイバックエンジンは、Garritanオリジナルの「Aria Player」。
プロユースはやっぱりきついかな。
やっぱり、コレを買うならQLSOの方がコストパフォーマンスがいい。と思う。
実は昔コレを使ってた。
・Kontakt5
付属のオーケストラ音源は、ViennaをKontakt用にエディットしたもの。
ほかにもシンセとかエスニックとかバンド系の音色が付属していることを考えると、なかなかコストパフォーマンスが高い。
Vienna Special Editionを買うなら、こっちの方がいいかもしれん。
ただ、奏法のバリエーションは豊富ではない。あと、金管楽器と打楽器の音が細い。「本物感」が弱い。
Kontaktは持っておくと非常に便利で、なかなか汎用性の高いサンプラーですよ。最新バージョンは5。
当たり前だけども、サンプルをプレイバックするだけじゃなくて、細かい調整ができるんで実に便利。
付属音源が目的じゃなくても、持っておくといろいろと便利なことは間違いないですよ。
Kontakt用の音源は、山ほど出てますんでね。
「ソフトサンプラー」に限っていえば、Kontaktは現状デファクト・スタンダードです。
ちょっと前までは、ソフトサンプラーのデファクト・スタンダードといえば、GIGA Samplerだったんですけどもね。
仕事で打ち込みをする人のほとんどが、Kontaktを使っていると言っても過言ではナイ。
<超本気。プロを目指してる。あるいはプロ。金に糸目は付けん!>
・Vienna各音源
もう、どうしますよ。
全部揃えてったら、100万コース。
リバーブとか空気感は入っていないので、そこは自分でいろいろと調整しないといかん。
基本的なものを全部一気に揃えようと思ったら、SYMPHONIC CUBEあたりかな。30万。なんじゃそりゃ。
弦の質感は、LASSと似てる。弓が弦をこすってる感じが強い。
ものすごく素晴らしい打ち込みにもなれば、すごくショボい打ち込みになってしまうこともあるという、テクニックが必要な音源。
リバーブ等の空気感はまったく入ってないので、自分で調整しましょうね。
ベタ打ちだと、ちょっと聴けたもんじゃなくなってしまう。
メジャーどころのゲーム音楽なんかでも使われることが多いですわね。
そういう方向に進みたかったら、事前にプレイバックエンジンの「Vienna Instrument」に慣れておいたらいいかもね。
打ち込む前に、生のオケを聴け。マジで。
生オケを聴く必要があるのはどの音源を使おうと変わらないけれども、ことこの音源に関しては重要。
弦のソロとか小規模編成はすごく良い。
・QLSO Platinum
弦・木管・金管・打楽器の全部入り。
QLSOの3マイクポジションバージョンにして、最高級バージョン。
目の前で演奏してるのと、指揮者の位置と、観客席と。
でも、ここまでのマイクポジションって、そんなに使わないですよ。
目の前で演奏している音が必要なことは、ポップスっぽい曲の時に木管なんかでたまにあるので、そういうのが必要な人はコレ。
安いときだと、5~6万くらい。
でもやっぱり、Goldでいいんじゃないかなあと。
サラウンドが必要な局面って、あんまりないんじゃないかなあと。
収録されている音がそんなに違うわけでもないし。
ある程度のことは、リバーブとかEQで頑張れば再現できなくもないですし。
むしろ、下記のHollywoodシリーズを買った方がいい。
余談ですけど、この音源。
ほんの5年くらい前までは、全部揃えると何十万コースで、最高級と言われていた音源なのですよ。
(当時はPlayエンジンではなく、Kontakt用音源でしたけど)
それが、いつのまにか10万もしないで手に入るようになり、そのせいか、オーケストラ音源のスタンダードとまで言われるようになり。
時の流れと、価格の趨勢を思わずにはいられません。
低価格路線のQLSOと、高級路線のViennaと。
それにしても、返す返すもKontakt用音源だった頃に戻っていただきたいと思う。
Playエンジンは、細かなエディットが全くできないんですよね。
サンプル音源というのは生の音を録音したものであって、ものによってはプレーヤーの方が失敗したような音が含まれていることもあるわけですよ。
それを、Kontaktの時代だったらばある程度自分で修正できたわけ。
Playエンジンでもそういうことができるようになるといいんだけど。
そういうことができるプレイバックエンジンが出ますよーというアナウンスが2年前くらいにあったけども、一向に出る気配がないし。
・LASS
弦専用音源。正式名称は、LA Scoring Strings。LAとはすなわちロサンゼルスですわね。
エンジンはKontakt5。
巷ではピッチが悪いなんて言われてますけれども。
なかなかどうして、いい音源です。自分がメインで使ってるから言うわけじゃないですけど。
(ただ、ソロ楽器の音程は確かに良くないです。時々、あれっと思う音がある)
こんなにスムーズにレガートやポルタメントが表現できるっていうのは非常にありがたい。
EQは切って使いましょうね。EQない方が、音に深みがある。(デフォルトだとEQはオンになってる)
EQがオンのままだと、か細いです。
QLSOの弦よりも、存在感がある。
あと、各セクションの人数を比較的柔軟に設定できるのがいいところ。
バイオリン1を8人にしようとか12人にしようとか。
バイオリン1を例に取りますと、ソロ・4人・8人・16人のパッチが用意されてる。
ただ、ソロに関してはやっぱりピッチが気になってしまうのは事実。
ピッチは音程ごとに調節できるんですけどね。めんどくさいんだよな。
スタッカートやスピッカートといった短い音では、弾く強さをベロシティとCCで調節できる。
あと、値段が高い。輸入で8万くらい。国内の代理店経由だと15万くらい。
容量が大きいので、パソコンの環境によっては重すぎてうまく使えないかも。
室内楽みたいな小規模編成は苦手っぽい。
あと、奏法が若干少ない。コレーニョとか入ってない。まあ、コレーニョが必要になったことはないけど。
(コレーニョってのは、弓の背の方=木の部分で演奏する奏法ですよ)
自分で使った実感と致しましては、なかなかいいです。高かったけど。
バージョンがアップして、ビブラートの案配を調節できるようになったことも大きいです。
デフォルトのままだと、バイオリン2の音量が小さすぎるのと、ビオラの音量がでかすぎるので、そこは調節が必要です。必要でした。
ほかにも、快適に使うにはいろいろと設定をいじった方が良かったりして、初級者にはちょと難儀な音源かもしれません。
それから。
サンプルの容量が大きい分、動作は重たいです。
がっつりメモリを積んで。
・Hollywood Brass
金管専用音源。
正直、持ってないのでなんともですけれども。
デモを聴く限りでは、すごく欲しいわー。欲しいので、書いてしまいました。
なんともきらびやかな、ハリウッドっぽい音がする。ファンファーレっぽい。
Chris HeinsとかFirst Call Hornsとかのブラス専用音源と比べても、芯の太い音がするような。
(Chris HeinsとかFirst Call Hornsは、そもそもオケ用の音源ではなくて、ジャズとかのブラスセクション向けなのですが)
ジャズとかポップス向けの奏法は、入ってないものも結構ある様子。フォールとかフラッターとか。
次に儲かったら買いたいなあと。
なんかスミマセン。
・Hollywood Strings
弦専用音源。
これを選ぶかLASSを選ぶかViennaを選ぶかは、もう好みの問題だろうなあと。
コチラの方がよりシルキーな感じ。奏者の人数が多い感じというか。LASSやViennaは、ボウイングの質感が強い感じ。
当たり前だけど、QLSOの弦よりは遙かに良い。質感が。
QLSOで気になっていた線の細さが、こちらではグッと改善されてる。
音の傾向はQLSOに似てるんだけれども。
演奏している人数は、QLSOよりも多い感じ。
奏法も豊富ですよ。
各音源のサイトにあるデモを聴いてみて、しっくりくるのを買うのが正解でしょうな。
もし、資金があり余って仕方ないようでしたら、いろいろ買って、曲によってチョイスしてください。
各種音源レビュー その2に続きます。
各種音源レビュー その2
各種音源レビュー その1からの続き。
他に出ているオーケストラ音源としては、Kirk HunterとかMiroslavとかHalion Symphinic OrchestraとかMOTU Symphonic Instrumnetとかありますけれども。
このあたりは、あんまりよく知らないので、お好みでどうぞ。なんて。無責任な感じで。
Miroslavは安くて良いですよね。Garritanより音の存在感がある。
ただ、いろんな調整がしづらいんだな。
MiroslavもPlayエンジンも、とにかく個々のサンプルをいじれないということが残念だ。
昔は、Miroslavといったら最高峰の音源だったんですよ。QLSOとかViennaとか出る以前のお話。
(当時はGIGAサンプラーというソフトサンプラー専用音源でした)
いつの間にか、入門用音源という位置づけに。時代ですな。
シンセとかハード音源(有名どころで言ったら、YAMAHAのMOTIFとかRolandのIntegraとか)にもオーケストラ音色は含まれていますけど、これはオケサウンドを再現しようという目的には不向き。
有り体に申し上げて、シンセ系の音源はあくまでシンセの音しかしません。
これは仕方がない。目的とか音を出す仕組みが違うんだから。
また、安い音源はやっぱり安い音がするのは仕方のないことなので。
購入する際は、じっくりと各サイトのデモを聴いて、価格とクオリティの妥協点を探しましょう。
当たり前だけども各サイトのデモは、ものすごく手間をかけてある上に、弱点は出さないように細心の注意を払って作成されておりますんで、デモの3割減くらいの感じで聞いておくといいんでないでしょうかね。
いろんなブログや掲示板を見てみて、実際使った人のレビューを参考にするのもいいですわね。
いろいろと批判はあれど、やっぱり2ちゃんねるのDTM板は参考になります。
youtubeにも、様々なデモがアップされています。
でもって、物足りなくなってきたら、いろいろと補強していけばいいのではなかろうか。
自分だったらこうするよっていうセット。
・趣味の場合
とにもかくにも、QLSO Gold。
これだけでいい。
別に、回し者でもステマでもないですけども。
それくらい、コストパフォーマンスに優れてるし、比較的ミックス等のテクが無くてもそれなりに聞こえる。
「趣味の場合」と書きましたけど、プロユースにもかなりの度合いで使用可能。
・本気の場合
弦はLASS・Hollywood Strings・Viennaからお好きなものを。
木管・打楽器はQLSO GoldかVienna。木管は最近Hollywoodシリーズも出ましたわね。
打楽器は、TRUE STRIKEの方がいいかもしれん。
金管は、Hollywood BrassかVienna Dimension Brassあたり。
もしくは、弦・木管・金管・打楽器の全てをViennaで。
そこいらは、好みで。
ただ、ここいらはエンジニア的なテクがないとそれっぽく聞こえないので要注意。
というわけで。
音源レビューはここいらで。
<2012.6.24 追記>
気になる音源が出ましてございます。
Sample ModelingのFrench Horn & Tuba。
物理モデリングといいまして、実際に演奏された録音ではなく、演算で楽器を再現するというコンセプトの音源。
(実際は、演奏されたサンプルと物理モデリングのハイブリッドのようですが)
このシリーズ、トランペットとトロンボーン、サックスは出ていたんですが、オケに不可欠なホルン・チューバが無かったことでレビューからは外しておりました。
それが、ホルン・チューバ音源が出たということで、一挙に選択肢に入って参りまして。
エンジンがKontaktなのも嬉しい。
値段的にも、Hollywood BrassのGoldエディションと良い勝負。
Sample modelingの方は、音が完全ドライ(リバーブ皆無)なので、ミックスが難しくなりますけども。
何が良いって、全てを録音されたサンプルで表現するわけではないので、動作・容量が軽いのです。
音が悪かったらどうしようもないけど、これがなかなか良いのでして。
(使ってみてからの追記:思ったほど軽くはなかったです。そこそこ重い)
巷では、セクションを作るのがムズカシイとか、MIDIコントローラーを揃えなきゃイケナイとかいろいろ言われてますけども、そこまで難儀な音源ではない印象です。
息の強さをCC11(エクスプレッション)で表現し、アタックの強さをベロシティで表現。
(このシリーズの、「the Trumpet」は実際に使用しています。しっかり打ち込めば、ジャズでもオケでも充分商業レベルに耐える)
ただ、複数の音を同時に出すことができないので、鍵盤を弾きながらアレンジするタイプの人は要注意。
(セクションを構成する際は、インストゥルメントを複数立ち上げる必要がある)
今まで、物理モデリングの音源というと、どうしても本物に追いつけない薄っぺらい音の印象だったんですが。
ここへ来て、一気に実用に耐えるものが出てきました。
ピアノのpianoteq4とか。
(このpianoteq、かつては実にしょぼい音だったんですが、バージョン4になって急激に使える音になりました)
大容量サンプル一辺倒だった流れから、いかにコンピューター上で楽器をうまく再現するかというモデリングの方向に動いていくのかもしれん。
正直、容量がでかいばっかりで使い物にならない音源も結構あるし。
次に買おうと思ってたブラス音源は「Hollywood Brass」だったんだけど、こっちの方が自分の中で株急上昇しつつある。
悩む。
ダウンロード購入できるんだよな。
っつーか、多分7日以内に買ってしまう気がする。
<2013.4.25 追記>
さて。
Sample ModelingのBrass Bundleを結局買いまして。
デモを作ってみましたですよ。
ムソルグスキー作曲・ラヴェル編曲の「展覧会の絵」より「プロムナード」です。
今回は動画にしてみました。
この音源、難しい。
このプロムナードを打ち込んだ時点で、購入から4ヶ月ほど経ってるんですけど、なかなかうまくいかん。
ちょこちょことミックスの案配や楽器の配置を調整して、今現在の状態がコレ。
打ち込みが、というよりもミックスが難しい。
この音源の難しさは、音が良すぎるところにありそう。
音はものすごくいい。
全く反響のない部屋で、至近距離のマイクで録音した音。素材そのものの音。
(ちなみに、Viennaも似た感じの録音状態ですけど、これよりはミックスしやすい感じ)
だからこそ、他のオケ楽器と馴染ませるのが難しい。ヌケが良すぎる。
金管はオケの中でも後方に配置されているので、実際は少々くぐもった音になるんだけど、そのくぐもった感じは自分で出さなきゃイケナイ。これが難しいんだ。現在進行形で難しい。
Youtubeなんかでアップされているものを聴いても、なんかブラスだけ浮いて聞こえる感じのものが多い。
今のところ、EQで高域をいくらか削り、テープサチュレーターで若干ザラつきを付加してる。
うっすらとディレイをかけて距離感を表現。
リバーブはコンボリューション・リバーブを使った。
様子見状態。
オーケストラじゃなくて、ソロとかジャズだったら、そんなにミックスがややこしくない。と思う。
逆に言えば、あくまで素材そのものの音なので、ミックスの腕さえあれば、距離感や質感は自由にコントロールできる。ミックスの腕さえあれば。
まあ、あるべき姿といえばあるべき姿です。
ちなみに、弦はLASSです。これも素材そのもの系の音源です。
打ち込み自体は、そんな難しくないです。
むしろ打ち込みやすい。
とにかく、実際の楽器でやれることは全部できる感じで、ちょっと手数をかければ、やれる表現の幅はものすごく広い。
音が良いんで、弾いてるだけでも楽しい。
ラピュタの、パズーのラッパとか弾くと、すごくノリノリになる。
トロンボーンのポルタメントとか、ものすごくリアルです。
というわけで、レビューとしては。
・ミックスの腕がある人には、ものすごく強力な音源
といったところです。
この音源を自在に活用するには、エンジニア的な面と、演奏者的な面と、どっちも磨いていかないといかんわ。
手をかけずにオケサウンドを打ち込みたい人には、Hollywood Brassの方が向いていると思う。
Hollywood Brassは、そもそもの収録をオケの配置で行っているので、馴染ませるっていう行程にそんなに手をかけないで済むんで。
Diamond Editionを買えば、マイクポジションも3パターン入っているし。高いけど。
Sample ModelingやViennaのような、「空間感」を自分で作っていくタイプの音源と。
QLSOやHollywoodシリーズのような、「空間感」も収録されている代わりに自由度はそんなに高くない音源と。
さあ。どうする。高い買い物だけに、なかなか難しい選択だ。
これを機に、ミキシングの腕を磨くっていうのも選択肢のひとつだ。
<2017.7.24 追記>
ひさびさに音源のデモを作ってみました。
今回もSample ModelingのブラスとLASSです。
Sample Modelingの金管は、すべてバージョン3となりました。
以前は、たとえばトランペットだったらtrumpet1〜3まで音が揃い過ぎてて、ユニゾンをやらせると音が干渉しあってフランジングを起こすという欠点がありました。
シュルシュルとノイズみたいなものが入っちゃうんで、調整が大変だったのです。
それがこのバージョン3では解消されました。
特にトロンボーンは非常に良くなりました。
でも今回作ったデモはユニゾンではなくてソロです。
金管1本ずつ順番に、ストリングスをバックに淡々とアメージンググレイスを演奏する、といった内容です。
ではどうぞ!
はい。
あまりに淡々としてるんで、途中2度ほど転調させました。
まあ、ただこれだけのデモなんです。
ちょっとトロンボーンの打ち込みが甘いですがお許しを。
金管のソロで使い物になる音源って、以前は本当になかったんですよ。
それがこれだけリアルにできるっていうのはすごいことです。
すごい時代になったもんだ!
・・・ということを世間に発信したくてこのデモを作りました。
またいつかデモを作ることがありましたら追記します。
他に出ているオーケストラ音源としては、Kirk HunterとかMiroslavとかHalion Symphinic OrchestraとかMOTU Symphonic Instrumnetとかありますけれども。
このあたりは、あんまりよく知らないので、お好みでどうぞ。なんて。無責任な感じで。
Miroslavは安くて良いですよね。Garritanより音の存在感がある。
ただ、いろんな調整がしづらいんだな。
MiroslavもPlayエンジンも、とにかく個々のサンプルをいじれないということが残念だ。
昔は、Miroslavといったら最高峰の音源だったんですよ。QLSOとかViennaとか出る以前のお話。
(当時はGIGAサンプラーというソフトサンプラー専用音源でした)
いつの間にか、入門用音源という位置づけに。時代ですな。
シンセとかハード音源(有名どころで言ったら、YAMAHAのMOTIFとかRolandのIntegraとか)にもオーケストラ音色は含まれていますけど、これはオケサウンドを再現しようという目的には不向き。
有り体に申し上げて、シンセ系の音源はあくまでシンセの音しかしません。
これは仕方がない。目的とか音を出す仕組みが違うんだから。
また、安い音源はやっぱり安い音がするのは仕方のないことなので。
購入する際は、じっくりと各サイトのデモを聴いて、価格とクオリティの妥協点を探しましょう。
当たり前だけども各サイトのデモは、ものすごく手間をかけてある上に、弱点は出さないように細心の注意を払って作成されておりますんで、デモの3割減くらいの感じで聞いておくといいんでないでしょうかね。
いろんなブログや掲示板を見てみて、実際使った人のレビューを参考にするのもいいですわね。
いろいろと批判はあれど、やっぱり2ちゃんねるのDTM板は参考になります。
youtubeにも、様々なデモがアップされています。
でもって、物足りなくなってきたら、いろいろと補強していけばいいのではなかろうか。
自分だったらこうするよっていうセット。
・趣味の場合
とにもかくにも、QLSO Gold。
これだけでいい。
別に、回し者でもステマでもないですけども。
それくらい、コストパフォーマンスに優れてるし、比較的ミックス等のテクが無くてもそれなりに聞こえる。
「趣味の場合」と書きましたけど、プロユースにもかなりの度合いで使用可能。
・本気の場合
弦はLASS・Hollywood Strings・Viennaからお好きなものを。
木管・打楽器はQLSO GoldかVienna。木管は最近Hollywoodシリーズも出ましたわね。
打楽器は、TRUE STRIKEの方がいいかもしれん。
金管は、Hollywood BrassかVienna Dimension Brassあたり。
もしくは、弦・木管・金管・打楽器の全てをViennaで。
そこいらは、好みで。
ただ、ここいらはエンジニア的なテクがないとそれっぽく聞こえないので要注意。
というわけで。
音源レビューはここいらで。
<2012.6.24 追記>
気になる音源が出ましてございます。
Sample ModelingのFrench Horn & Tuba。
物理モデリングといいまして、実際に演奏された録音ではなく、演算で楽器を再現するというコンセプトの音源。
(実際は、演奏されたサンプルと物理モデリングのハイブリッドのようですが)
このシリーズ、トランペットとトロンボーン、サックスは出ていたんですが、オケに不可欠なホルン・チューバが無かったことでレビューからは外しておりました。
それが、ホルン・チューバ音源が出たということで、一挙に選択肢に入って参りまして。
エンジンがKontaktなのも嬉しい。
値段的にも、Hollywood BrassのGoldエディションと良い勝負。
Sample modelingの方は、音が完全ドライ(リバーブ皆無)なので、ミックスが難しくなりますけども。
何が良いって、全てを録音されたサンプルで表現するわけではないので、動作・容量が軽いのです。
音が悪かったらどうしようもないけど、これがなかなか良いのでして。
(使ってみてからの追記:思ったほど軽くはなかったです。そこそこ重い)
巷では、セクションを作るのがムズカシイとか、MIDIコントローラーを揃えなきゃイケナイとかいろいろ言われてますけども、そこまで難儀な音源ではない印象です。
息の強さをCC11(エクスプレッション)で表現し、アタックの強さをベロシティで表現。
(このシリーズの、「the Trumpet」は実際に使用しています。しっかり打ち込めば、ジャズでもオケでも充分商業レベルに耐える)
ただ、複数の音を同時に出すことができないので、鍵盤を弾きながらアレンジするタイプの人は要注意。
(セクションを構成する際は、インストゥルメントを複数立ち上げる必要がある)
今まで、物理モデリングの音源というと、どうしても本物に追いつけない薄っぺらい音の印象だったんですが。
ここへ来て、一気に実用に耐えるものが出てきました。
ピアノのpianoteq4とか。
(このpianoteq、かつては実にしょぼい音だったんですが、バージョン4になって急激に使える音になりました)
大容量サンプル一辺倒だった流れから、いかにコンピューター上で楽器をうまく再現するかというモデリングの方向に動いていくのかもしれん。
正直、容量がでかいばっかりで使い物にならない音源も結構あるし。
次に買おうと思ってたブラス音源は「Hollywood Brass」だったんだけど、こっちの方が自分の中で株急上昇しつつある。
悩む。
ダウンロード購入できるんだよな。
っつーか、多分7日以内に買ってしまう気がする。
<2013.4.25 追記>
さて。
Sample ModelingのBrass Bundleを結局買いまして。
デモを作ってみましたですよ。
ムソルグスキー作曲・ラヴェル編曲の「展覧会の絵」より「プロムナード」です。
今回は動画にしてみました。
この音源、難しい。
このプロムナードを打ち込んだ時点で、購入から4ヶ月ほど経ってるんですけど、なかなかうまくいかん。
ちょこちょことミックスの案配や楽器の配置を調整して、今現在の状態がコレ。
打ち込みが、というよりもミックスが難しい。
この音源の難しさは、音が良すぎるところにありそう。
音はものすごくいい。
全く反響のない部屋で、至近距離のマイクで録音した音。素材そのものの音。
(ちなみに、Viennaも似た感じの録音状態ですけど、これよりはミックスしやすい感じ)
だからこそ、他のオケ楽器と馴染ませるのが難しい。ヌケが良すぎる。
金管はオケの中でも後方に配置されているので、実際は少々くぐもった音になるんだけど、そのくぐもった感じは自分で出さなきゃイケナイ。これが難しいんだ。現在進行形で難しい。
Youtubeなんかでアップされているものを聴いても、なんかブラスだけ浮いて聞こえる感じのものが多い。
今のところ、EQで高域をいくらか削り、テープサチュレーターで若干ザラつきを付加してる。
うっすらとディレイをかけて距離感を表現。
リバーブはコンボリューション・リバーブを使った。
様子見状態。
オーケストラじゃなくて、ソロとかジャズだったら、そんなにミックスがややこしくない。と思う。
逆に言えば、あくまで素材そのものの音なので、ミックスの腕さえあれば、距離感や質感は自由にコントロールできる。ミックスの腕さえあれば。
まあ、あるべき姿といえばあるべき姿です。
ちなみに、弦はLASSです。これも素材そのもの系の音源です。
打ち込み自体は、そんな難しくないです。
むしろ打ち込みやすい。
とにかく、実際の楽器でやれることは全部できる感じで、ちょっと手数をかければ、やれる表現の幅はものすごく広い。
音が良いんで、弾いてるだけでも楽しい。
ラピュタの、パズーのラッパとか弾くと、すごくノリノリになる。
トロンボーンのポルタメントとか、ものすごくリアルです。
というわけで、レビューとしては。
・ミックスの腕がある人には、ものすごく強力な音源
といったところです。
この音源を自在に活用するには、エンジニア的な面と、演奏者的な面と、どっちも磨いていかないといかんわ。
手をかけずにオケサウンドを打ち込みたい人には、Hollywood Brassの方が向いていると思う。
Hollywood Brassは、そもそもの収録をオケの配置で行っているので、馴染ませるっていう行程にそんなに手をかけないで済むんで。
Diamond Editionを買えば、マイクポジションも3パターン入っているし。高いけど。
Sample ModelingやViennaのような、「空間感」を自分で作っていくタイプの音源と。
QLSOやHollywoodシリーズのような、「空間感」も収録されている代わりに自由度はそんなに高くない音源と。
さあ。どうする。高い買い物だけに、なかなか難しい選択だ。
これを機に、ミキシングの腕を磨くっていうのも選択肢のひとつだ。
<2017.7.24 追記>
ひさびさに音源のデモを作ってみました。
今回もSample ModelingのブラスとLASSです。
Sample Modelingの金管は、すべてバージョン3となりました。
以前は、たとえばトランペットだったらtrumpet1〜3まで音が揃い過ぎてて、ユニゾンをやらせると音が干渉しあってフランジングを起こすという欠点がありました。
シュルシュルとノイズみたいなものが入っちゃうんで、調整が大変だったのです。
それがこのバージョン3では解消されました。
特にトロンボーンは非常に良くなりました。
でも今回作ったデモはユニゾンではなくてソロです。
金管1本ずつ順番に、ストリングスをバックに淡々とアメージンググレイスを演奏する、といった内容です。
ではどうぞ!
はい。
あまりに淡々としてるんで、途中2度ほど転調させました。
まあ、ただこれだけのデモなんです。
ちょっとトロンボーンの打ち込みが甘いですがお許しを。
金管のソロで使い物になる音源って、以前は本当になかったんですよ。
それがこれだけリアルにできるっていうのはすごいことです。
すごい時代になったもんだ!
・・・ということを世間に発信したくてこのデモを作りました。
またいつかデモを作ることがありましたら追記します。
シーケンスソフト・リバーブなど
シーケンスソフトは、なんでもいいです。
ただ、トラック数が無制限のものがいいですよ。
オーディオインターフェイスにタダでくっついてくるお試し版のソフトなんかだと、「48トラックまで」みたいな制限があることもあるので。
そういうんじゃなければ、Cubase、Sonar、Singer Song Writer、Logic、DP、ProTools、なんでもいいです。
そんなに機能に差があるわけではないので。
ビジュアルで選んでも良いし、値段で選んでも良いし。
ぶっちゃけ、お試し版でもある程度のことはできます。
ただし、Ableton LiveとかFL Studio、Acidなんかは、どちらかといえばクラブサウンドとかエレクトロ方面に強いようなので、これらよりは上記のものを選んだ方がいいんでないかな。
Reasonもちょっと方向性が違いますわね。
あくまでオケの打ち込みに限った話ですよ。
やっぱね、楽譜を書くように打ち込めるのがいいんでないですかね。
(かといって、楽譜作成ソフトとかは買ってはダメですよ)
値段も随分と安くなりましたよ。
ちょっと前までは8万くらいが普通だったのに、今や3万程度で手に入るものでも、十分プロユースに応えます。
ホント、Logic Proが2万円しないんですから。円高であるにしても。
(ちょっと前までは、Logicはいろんなものとバンドルになったものしか売ってなかったんですけども、最近になってシーケンスソフト単体でダウンロード販売されるようになったのです)
フリーウェアやシェアウェアでも、よくできてるものはホントによくできてますよ。
Music Studioとかね。
いろんなレビューを読んで、楽器屋で触ってみて、自分に合うものをチョイス。
くどいようだけど、オーケストラをやるんなら64bit対応のソフトで。
オケ音源は重たいですから。
Windowsを使おうがMacを使おうが、どっちでもいいです。大差ありません。
もしプロを目指しているのであれば、Macの使い方を覚えておいて損はないです。
未だに、Macは業界標準です。
もちろん、WindowsのCubaseで完パケを作っている方も多いので、なんとも言えなくなってきていますけども。
どっかで書いたかもしれんけども、ゲームメーカーとかパチスロメーカーのサウンドチームでは、LogicやCubaseを使うことが多い模様。
映画音楽やカラオケ制作なんかではDPが優勢のようです。
レコーディングとかマスタリング、MA(「整音」と呼ばれる、映像の音量や音質を整える作業)といったエンジニア系では、やっぱりProToolsですわね。
リバーブは、どうぞ好きなメーカのを使っていただいてよござんす。
リバーブってのは、「残響」のことですな。
オーケストラサウンドの場合、リバーブの種類は基本的には「Hall」で。Reverb Timeは長めで設定するといいかな。2秒〜4秒くらいで調整。
自分は、パーカッション系に「Plate」のリバーブを混ぜたりすることもあります。
ティンパニーなんかはPlateの方がスッキリした音に聞こえるので。
最近ではシーケンスソフトに付属のリバーブでも、サードパーティー製のものと遜色ないものも多いですよ。
欲しい質感のリバーブがなんかのきっかけで見つかったならば、買ったらよろしいでしょう。
リバーブの種類をおさらいしておきますと。
一般的には「Hall」「Plate」「Room」あたりが選択できるようになっています。
Hallっていうのはその名の通り、コンサートホールを再現したもの。
Plateってのは、金属製の板に向かって音を出した際にはね返ってくる音をシミュレートしたもの。
Roomっていうのは、その名の通り「部屋」を再現したもの。レコーディングスタジオのシミュレートなんかも含まれます。
オーケストラということを考えると、Hallを選ぶのがデフォルトだってのはおわかりいただけるかと。
ここ5年くらいの間に、コンボリューション・リバーブ(AltiverbとかwavesのIR-1とか)というものが台頭して参りました。
コンボリューション・リバーブっていうのは、実際のホールとかのリバーブ成分をサンプラーのように再現するリバーブです。ムズカシイ。
演算で残響を再現する普通のリバーブと違って、「その場の音」を「再生」している感じですかね。
従いまして、よりリアルな音になるというわけですよ。
(その分、CPUとかメモリは食います)
簡単に言えば、「ボストン・シンフォニー・ホール」で演奏した場合のリバーブ、とか、「ウィーンフィル」の残響とか、「お風呂で演奏した際の音」を再現できるわけですよ。
なので、いろんな環境の残響をレコーディングしたwavファイルが付属してくるわけです。
ものによっては、自分で収録した残響のオーディオファイルを使うこともできます。
シーケンスソフトに標準で付属していることもありますよ。
サンプラーや音源に標準でついてくることも多いです。
この辺は、ときどきSound and Recording Magazineあたりで特集されてたりするんで、読んでみたらいいんでなかろうか。
エフェクト・テクニックとかミキシング・テクニックの本も随分と出てますんでね。
リバーブもシーケンスソフト同様、好みで選んだらいいと思うんですけども。
オケ系の方がよく使っているのは、Altiverbのようです。
(自分は、あんまり使わないですけど)
どのスタジオにも必ず入っているといえば、リバーブに限らずwavesのプラグインですわね。
ほかによく使われるのは、IK MultimediaのCSR CLASSIK STUDIO REVERBとか、LEXICONのとかでしょうか。
個人的には、コンボリューションリバーブよりは、通常の演算形式のリバーブの方が、自由度が高くて好きです。
評価版とかデモ版を活用して、自分に合ったものを見つけておくんなさい。
---
手の内を明かしますと。
実践・オーケストレーションの「七つの子」は以下の構成で打ち込みましたよ。
「運命」「花のワルツ」はちょっと違う構成で打ち込んだんだけれども。
シーケンスソフトはいずれもDP。
(打ち込んでた時点で、DPは64bit対応していません。なんということでしょう)
弦・・・・LASS(ピチカート含む)
木管・・・フルート・ピッコロはVienna、それ以外はQLSO
(QLSOのピッコロ・フルートはビブラートが強すぎるんで、ちょっと苦手)
金管・・・QLSO
打楽器・・QLSO
リバーブはwavesのRenaissance Reverbが中心。
QLSOの「リリース・トレイル」はオフにしています。
打楽器にはコンプをかけていますよ。
「運命」「花のワルツ」あたりでは、コンボリューション・リバーブを使用しています。
この辺は、もうそのときのフィーリングですよ。ホント。
他に自分で打ち込む場合、
弦のソロは曲調によっていろいろ。セクションストリングスはLASS。気に入ってます。
ブラスはポップスやジャズっぽいものの場合は別の音源を使うこともアリ。
Hollywood Brassを次に買いたい。もしくはVinna Dimension Brass。欲しいわー。
ピアノは基本Galaxy2。ジャズ系は曲によりチョイス。
ドラムとかシンセ、エスニック音源に関しては、オケに関係ないので割愛。
ってな具合で。
ほんの数年前と比べても、アマチュアの方とプロの方と、使うツールに差が無くなってきましたわね。
10万もあれば、仕事としてやれるだけのツールが手に入るわけですから。
学生さんがバイトで稼げる金額ですもんね。
音源はなんであれ、あとは作曲・オーケストレーション次第。
頑張れ自分。頑張れみんな。
ただ、トラック数が無制限のものがいいですよ。
オーディオインターフェイスにタダでくっついてくるお試し版のソフトなんかだと、「48トラックまで」みたいな制限があることもあるので。
そういうんじゃなければ、Cubase、Sonar、Singer Song Writer、Logic、DP、ProTools、なんでもいいです。
そんなに機能に差があるわけではないので。
ビジュアルで選んでも良いし、値段で選んでも良いし。
ぶっちゃけ、お試し版でもある程度のことはできます。
ただし、Ableton LiveとかFL Studio、Acidなんかは、どちらかといえばクラブサウンドとかエレクトロ方面に強いようなので、これらよりは上記のものを選んだ方がいいんでないかな。
Reasonもちょっと方向性が違いますわね。
あくまでオケの打ち込みに限った話ですよ。
やっぱね、楽譜を書くように打ち込めるのがいいんでないですかね。
(かといって、楽譜作成ソフトとかは買ってはダメですよ)
値段も随分と安くなりましたよ。
ちょっと前までは8万くらいが普通だったのに、今や3万程度で手に入るものでも、十分プロユースに応えます。
ホント、Logic Proが2万円しないんですから。円高であるにしても。
(ちょっと前までは、Logicはいろんなものとバンドルになったものしか売ってなかったんですけども、最近になってシーケンスソフト単体でダウンロード販売されるようになったのです)
フリーウェアやシェアウェアでも、よくできてるものはホントによくできてますよ。
Music Studioとかね。
いろんなレビューを読んで、楽器屋で触ってみて、自分に合うものをチョイス。
くどいようだけど、オーケストラをやるんなら64bit対応のソフトで。
オケ音源は重たいですから。
Windowsを使おうがMacを使おうが、どっちでもいいです。大差ありません。
もしプロを目指しているのであれば、Macの使い方を覚えておいて損はないです。
未だに、Macは業界標準です。
もちろん、WindowsのCubaseで完パケを作っている方も多いので、なんとも言えなくなってきていますけども。
どっかで書いたかもしれんけども、ゲームメーカーとかパチスロメーカーのサウンドチームでは、LogicやCubaseを使うことが多い模様。
映画音楽やカラオケ制作なんかではDPが優勢のようです。
レコーディングとかマスタリング、MA(「整音」と呼ばれる、映像の音量や音質を整える作業)といったエンジニア系では、やっぱりProToolsですわね。
リバーブは、どうぞ好きなメーカのを使っていただいてよござんす。
リバーブってのは、「残響」のことですな。
オーケストラサウンドの場合、リバーブの種類は基本的には「Hall」で。Reverb Timeは長めで設定するといいかな。2秒〜4秒くらいで調整。
自分は、パーカッション系に「Plate」のリバーブを混ぜたりすることもあります。
ティンパニーなんかはPlateの方がスッキリした音に聞こえるので。
最近ではシーケンスソフトに付属のリバーブでも、サードパーティー製のものと遜色ないものも多いですよ。
欲しい質感のリバーブがなんかのきっかけで見つかったならば、買ったらよろしいでしょう。
リバーブの種類をおさらいしておきますと。
一般的には「Hall」「Plate」「Room」あたりが選択できるようになっています。
Hallっていうのはその名の通り、コンサートホールを再現したもの。
Plateってのは、金属製の板に向かって音を出した際にはね返ってくる音をシミュレートしたもの。
Roomっていうのは、その名の通り「部屋」を再現したもの。レコーディングスタジオのシミュレートなんかも含まれます。
オーケストラということを考えると、Hallを選ぶのがデフォルトだってのはおわかりいただけるかと。
ここ5年くらいの間に、コンボリューション・リバーブ(AltiverbとかwavesのIR-1とか)というものが台頭して参りました。
コンボリューション・リバーブっていうのは、実際のホールとかのリバーブ成分をサンプラーのように再現するリバーブです。ムズカシイ。
演算で残響を再現する普通のリバーブと違って、「その場の音」を「再生」している感じですかね。
従いまして、よりリアルな音になるというわけですよ。
(その分、CPUとかメモリは食います)
簡単に言えば、「ボストン・シンフォニー・ホール」で演奏した場合のリバーブ、とか、「ウィーンフィル」の残響とか、「お風呂で演奏した際の音」を再現できるわけですよ。
なので、いろんな環境の残響をレコーディングしたwavファイルが付属してくるわけです。
ものによっては、自分で収録した残響のオーディオファイルを使うこともできます。
シーケンスソフトに標準で付属していることもありますよ。
サンプラーや音源に標準でついてくることも多いです。
この辺は、ときどきSound and Recording Magazineあたりで特集されてたりするんで、読んでみたらいいんでなかろうか。
エフェクト・テクニックとかミキシング・テクニックの本も随分と出てますんでね。
リバーブもシーケンスソフト同様、好みで選んだらいいと思うんですけども。
オケ系の方がよく使っているのは、Altiverbのようです。
(自分は、あんまり使わないですけど)
どのスタジオにも必ず入っているといえば、リバーブに限らずwavesのプラグインですわね。
ほかによく使われるのは、IK MultimediaのCSR CLASSIK STUDIO REVERBとか、LEXICONのとかでしょうか。
個人的には、コンボリューションリバーブよりは、通常の演算形式のリバーブの方が、自由度が高くて好きです。
評価版とかデモ版を活用して、自分に合ったものを見つけておくんなさい。
---
手の内を明かしますと。
実践・オーケストレーションの「七つの子」は以下の構成で打ち込みましたよ。
「運命」「花のワルツ」はちょっと違う構成で打ち込んだんだけれども。
シーケンスソフトはいずれもDP。
(打ち込んでた時点で、DPは64bit対応していません。なんということでしょう)
弦・・・・LASS(ピチカート含む)
木管・・・フルート・ピッコロはVienna、それ以外はQLSO
(QLSOのピッコロ・フルートはビブラートが強すぎるんで、ちょっと苦手)
金管・・・QLSO
打楽器・・QLSO
リバーブはwavesのRenaissance Reverbが中心。
QLSOの「リリース・トレイル」はオフにしています。
打楽器にはコンプをかけていますよ。
「運命」「花のワルツ」あたりでは、コンボリューション・リバーブを使用しています。
この辺は、もうそのときのフィーリングですよ。ホント。
他に自分で打ち込む場合、
弦のソロは曲調によっていろいろ。セクションストリングスはLASS。気に入ってます。
ブラスはポップスやジャズっぽいものの場合は別の音源を使うこともアリ。
Hollywood Brassを次に買いたい。もしくはVinna Dimension Brass。欲しいわー。
ピアノは基本Galaxy2。ジャズ系は曲によりチョイス。
ドラムとかシンセ、エスニック音源に関しては、オケに関係ないので割愛。
ってな具合で。
ほんの数年前と比べても、アマチュアの方とプロの方と、使うツールに差が無くなってきましたわね。
10万もあれば、仕事としてやれるだけのツールが手に入るわけですから。
学生さんがバイトで稼げる金額ですもんね。
音源はなんであれ、あとは作曲・オーケストレーション次第。
頑張れ自分。頑張れみんな。
打ち込みtips
打ち込むときのちょっとしたことをつらつらと。
まずは、とにもかくにもエクスプレッションの使い方を覚えましょう。CC11です。
抑揚をつけるためのMIDIコントロールチェンジですな。
(MIDIコントロールチェンジというのは、主に音色やら音量やらをコントロールするためのデータのことです。ピアノのサステインペダルなんかもこれで表現します)
音源によっては、この抑揚機能がCC1、すなわちモジュレーションによって提供されている場合もあります。
弦とかブラスの音源だと、CC1で弾く強さとか息の強さをコントロールしていることもありますんで、そこは音源の説明書をちゃんと読みましょう。
(この辺の概念については、いろいろとMIDIの説明書が出版されていますんで、探してみてください。MIDI検定のガイドブックがなかなか読みやすいです)
ちなみに、CCってのは「Control Change」の略ですな。
じゃあ、実際どうすれば本物っぽく聞こえるのか。
とにもかくにも、「イントネーション」ですよ。
「音の切れ目」とか。
ブチッと切れることっていうのはあんまりない。(金管だと曲によってはアリ)
こう、やわらかーくフェードアウトしていく感じや、じんわり盛り上がる案配を再現できるかどうか。その手間をかけられるかどうか。
例として、こんな感じで自分は打ち込んでみましたよ。
これが正しいってわけじゃなくて、あくまで一例で。
ビオラとチェロのピアノロール画面です。
藤色のうねうねしてるのがエクスプレッションです。
これはゆったりした曲なので、わりと細かくエクスプレッションを書き込みました。
1音1音書き込む必要はありませんで。
フレーズを意識して、「こうレガートで盛り上がって」とか「ひっそりと消え入るように」とかを書き込むわけです。
テンポの速い曲とか、テンションが一定の曲なんかだったら、こんなに書き込む必要がないかもしらん。
(使っている音源が、ベロシティが意味を持たない仕様なので、全部一定になっています)
ちなみに、自分の場合はマウスでちまちまと書き込んでいます。
腱鞘炎になっちまうぜ。
「MIDIコントローラー」という機材をお持ちでしたら、フェーダーとかノブにコントロールチェンジをアサインして、あとはフェーダーを上げ下げすることで書き込めます。楽ちん。
安いのだと、5000円くらいからありますよ。nano kontrolとか。
自分はMIDIコントローラーで書き込んでも、後でちまちま修正することになるんで、最初からマウスで書いちゃってます。
ペンタブレットなんかもいいんでないかね。
次に、アクセントの再現。
ベロシティで表現するのが基本ですけども、うまくいかないときは。
レガート系の音色に、アタック強めの音色を混ぜたりして、いろいろと工夫しましょうや。
トラック数が増えちゃいますけれどもね。
そこは、見た目の煩雑さと、音の再現度合と、どっちを優先するかですから。
人それぞれ。
短い音で繰り返し演奏するようなのってありますわね。タッタッタッタッっていうような。
そういうときには、全部同じベロシティで打ち込むんじゃなくて、どこにアクセントがあるかを考えてみましょうや。
一般的には1・3拍目あたりにアクセントが来ることが多いですけども、イレギュラーな拍にアクセントが来るのも、それはそれでかっこいい。2拍3連とか。
管楽器だと、音の切れ目も大事です。
なぜならば息継ぎが必要だからだ。
基本的には、フレーズの切れ目に息継ぎ分のちょっとした空白をいれてやると、よりリアルに聞こえてきますよ。
もちろん、ブチッと切るんじゃなくて、実際に演奏している気分でエクスプレッションを書き込みましょう。
まとめますと、「イントネーション」「アクセント」「音の長さ」ですわね。
これを丁寧にやりましょう。
いずれ、「コレはやんなくっても大して変わんないな」っていう手の抜きどころがわかってきますんで。
こういうことっていうのは、どれだけ実際の音になじんでいるかに左右されますよ。
少なくともCDで恒常的にオケの音を聴いていないと、これはやっぱりムズカシイ。
音をアタマの中でイメージできるかどうかなんだわね。
できれば、生のオケを聴いて欲しい。
抑揚を付けたり残響を調整したりっていうことは、すなわち指揮している感覚をデータで再現するっていうことなわけで。
すごくいい打ち込みをできる人は、きっと良い指揮ができると思う。指揮法をちゃんと学べば。
だんだんね、こんな風に演奏して欲しいていうイメージがわいてくるようになりますんで。
そうすると、次に弦は何人にしようとかそういうことまで考えるようになるわけで。
そんでもって、打ち込んだものを自分で聴いて、自然と手が指揮していたら、それはきっといい打ち込みです。
まずは気に入ったオケのCDを見つけて、その質感とかリバーブ感を頑張って再現してみたらいいんでないかと。
スピーカーとヘッドホンと、どっちで聴いても「お、似てるわ」ってなるように。
これは、オケ系だけに限った話ではなくて、バンドサウンドとかダンスミュージックでも同様ですよ。
なかなか、突き詰めて作業するっていう時間をとるのが難しかったりしますけれどもね。
そこは、自戒をこめて。
がんばろう。
というわけで、打ち込みについての諸々は、これにて閉幕。
お疲れ様でございました。
---
「参考」の諸々を除く、本編の記事はこれで最後になります。
どうでしょう。
いくらかはお役に立ちましたでしょうか。
自分が仕事をしていく上で、「こういうことを最初に知りたかった」ということを中心に書いて参りましたよ。
あとは、参考の章で挙げたものなんかで、学習を深めていっておくんなさい。
まだまだ、「基本の『キ』」ですんでね。
頑張れ頑張れ。
まずは、とにもかくにもエクスプレッションの使い方を覚えましょう。CC11です。
抑揚をつけるためのMIDIコントロールチェンジですな。
(MIDIコントロールチェンジというのは、主に音色やら音量やらをコントロールするためのデータのことです。ピアノのサステインペダルなんかもこれで表現します)
音源によっては、この抑揚機能がCC1、すなわちモジュレーションによって提供されている場合もあります。
弦とかブラスの音源だと、CC1で弾く強さとか息の強さをコントロールしていることもありますんで、そこは音源の説明書をちゃんと読みましょう。
(この辺の概念については、いろいろとMIDIの説明書が出版されていますんで、探してみてください。MIDI検定のガイドブックがなかなか読みやすいです)
ちなみに、CCってのは「Control Change」の略ですな。
じゃあ、実際どうすれば本物っぽく聞こえるのか。
とにもかくにも、「イントネーション」ですよ。
「音の切れ目」とか。
ブチッと切れることっていうのはあんまりない。(金管だと曲によってはアリ)
こう、やわらかーくフェードアウトしていく感じや、じんわり盛り上がる案配を再現できるかどうか。その手間をかけられるかどうか。
例として、こんな感じで自分は打ち込んでみましたよ。
これが正しいってわけじゃなくて、あくまで一例で。
ビオラとチェロのピアノロール画面です。
藤色のうねうねしてるのがエクスプレッションです。
これはゆったりした曲なので、わりと細かくエクスプレッションを書き込みました。
1音1音書き込む必要はありませんで。
フレーズを意識して、「こうレガートで盛り上がって」とか「ひっそりと消え入るように」とかを書き込むわけです。
テンポの速い曲とか、テンションが一定の曲なんかだったら、こんなに書き込む必要がないかもしらん。
(使っている音源が、ベロシティが意味を持たない仕様なので、全部一定になっています)
ちなみに、自分の場合はマウスでちまちまと書き込んでいます。
腱鞘炎になっちまうぜ。
「MIDIコントローラー」という機材をお持ちでしたら、フェーダーとかノブにコントロールチェンジをアサインして、あとはフェーダーを上げ下げすることで書き込めます。楽ちん。
安いのだと、5000円くらいからありますよ。nano kontrolとか。
自分はMIDIコントローラーで書き込んでも、後でちまちま修正することになるんで、最初からマウスで書いちゃってます。
ペンタブレットなんかもいいんでないかね。
次に、アクセントの再現。
ベロシティで表現するのが基本ですけども、うまくいかないときは。
レガート系の音色に、アタック強めの音色を混ぜたりして、いろいろと工夫しましょうや。
トラック数が増えちゃいますけれどもね。
そこは、見た目の煩雑さと、音の再現度合と、どっちを優先するかですから。
人それぞれ。
短い音で繰り返し演奏するようなのってありますわね。タッタッタッタッっていうような。
そういうときには、全部同じベロシティで打ち込むんじゃなくて、どこにアクセントがあるかを考えてみましょうや。
一般的には1・3拍目あたりにアクセントが来ることが多いですけども、イレギュラーな拍にアクセントが来るのも、それはそれでかっこいい。2拍3連とか。
管楽器だと、音の切れ目も大事です。
なぜならば息継ぎが必要だからだ。
基本的には、フレーズの切れ目に息継ぎ分のちょっとした空白をいれてやると、よりリアルに聞こえてきますよ。
もちろん、ブチッと切るんじゃなくて、実際に演奏している気分でエクスプレッションを書き込みましょう。
まとめますと、「イントネーション」「アクセント」「音の長さ」ですわね。
これを丁寧にやりましょう。
いずれ、「コレはやんなくっても大して変わんないな」っていう手の抜きどころがわかってきますんで。
こういうことっていうのは、どれだけ実際の音になじんでいるかに左右されますよ。
少なくともCDで恒常的にオケの音を聴いていないと、これはやっぱりムズカシイ。
音をアタマの中でイメージできるかどうかなんだわね。
できれば、生のオケを聴いて欲しい。
抑揚を付けたり残響を調整したりっていうことは、すなわち指揮している感覚をデータで再現するっていうことなわけで。
すごくいい打ち込みをできる人は、きっと良い指揮ができると思う。指揮法をちゃんと学べば。
だんだんね、こんな風に演奏して欲しいていうイメージがわいてくるようになりますんで。
そうすると、次に弦は何人にしようとかそういうことまで考えるようになるわけで。
そんでもって、打ち込んだものを自分で聴いて、自然と手が指揮していたら、それはきっといい打ち込みです。
まずは気に入ったオケのCDを見つけて、その質感とかリバーブ感を頑張って再現してみたらいいんでないかと。
スピーカーとヘッドホンと、どっちで聴いても「お、似てるわ」ってなるように。
これは、オケ系だけに限った話ではなくて、バンドサウンドとかダンスミュージックでも同様ですよ。
なかなか、突き詰めて作業するっていう時間をとるのが難しかったりしますけれどもね。
そこは、自戒をこめて。
がんばろう。
というわけで、打ち込みについての諸々は、これにて閉幕。
お疲れ様でございました。
---
「参考」の諸々を除く、本編の記事はこれで最後になります。
どうでしょう。
いくらかはお役に立ちましたでしょうか。
自分が仕事をしていく上で、「こういうことを最初に知りたかった」ということを中心に書いて参りましたよ。
あとは、参考の章で挙げたものなんかで、学習を深めていっておくんなさい。
まだまだ、「基本の『キ』」ですんでね。
頑張れ頑張れ。