金管楽器

2010年07月06日

フレンチホルン

単に「ホルン」とも呼ばれます。オーケストラだと4人が一般的ですかね。
これはねえ、もう万能中の万能な楽器ですね。すばらしい。
こんな楽器ですな。

金管でありながら木管にも似た音色なので、木管楽器とも一緒に使えるし、金管楽器とも一緒に使えるし。
非常に小さな音から非常に大きな音まで出せるので、伴奏にもいいしメロディーにもいいし。
4人もいるんで、和音をやってもいいし、みんなでユニゾンしてもいいし。
アレですよ。「アルプスの少女ハイジ」の主題歌で、イントロを奏でている楽器ですよ。

ただし、本物のホルンの場合、音程が実に取りにくい楽器でもあります。特に高い音は。打ち込みなら問題ないんですけどね。
あと、すごい速いフレーズなんかは苦手かも。
雄大な感じとか、勇壮な感じとか、雄々しい感じを出したいときは、是非ともホルンでよろしくどうぞ。

音は、穏やかに吹くとこんな感じ。







強く演奏しますと、より金管楽器らしい音になります。







もっと金属的な音が欲しいときは楽譜に「金属的に」ってな意味の書き込みをします。
もっと、吠えてるような音が欲しいときは、ホルンのアサガオの部分を上に向けて演奏するように指示したりいたします。
通常は、アサガオの部分は、斜め後ろを向いています。
後ろ向きに出た音が、背面の壁に当たってはね返ってきた音を聴くわけです。
世の中に数多あるDTM用の音源は、はね返った音を収録しているのか、アサガオの音を直で収録しているのか、気になるところであります。

音域は広いですよね。まさに万能。
でも、高くて弱い音なんてのは実にムズカシイ。らしい。
この楽譜よりももうちょっと高い音も出ますけどもね。
使いやすい音域じゃなくなっちゃうので。

french_horn



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トランペット

ラピュタで、パズーが吹いていたことでおなじみですな。まあ、ラッパですよ。オーケストラでは3人くらいいますよ。
パズーが吹いていたのは朝のシーンでしたけど、あの曲って、聴きようによっては軍隊調にも聞こえませんか。
そう、トランペットは軍隊調というか、勇ましいフレーズを奏でるにはもってこいです。

テンポの速いフレーズは、金管楽器の中では得意な方です。
パズーが吹いていたのも、わりと軽やかな曲でしたもんね。
こんな見た目

音を聴いてみましょうか。
軍隊調も いいけども、メランコリックなのも合います。
まずは、比較的元気な音。







次に、やや情緒的な音。







ちょっとね、高すぎる音は、豊かな感じがなくて、ピーピー鳴ってるような感じですわね。
この辺りの音域は、効果音的な使い方ならいいんですけどね。
音楽的なことをやるには、ちょっとキツイ。
普通のトランペットよりも多少高めの音に適した「ピッコロ・トランペット」なんてのもあります。

トランペットは、ジャズなんかだと特に、「ミュート」をした状態で使うことも多いんですよ。
DTM音源だと、「Muted Trumpet」なんて音色が必ず入っていますもんね。
ミュートってのは、トランペットの「アサガオ」の部分に詰め物をして、音色を変えることをいいます。
「ミュート」って名前だけども、音を消したりするわけじゃあないんですよね。
音を弱めるというよりは、もっと積極的に、こんな音にしたいっていうような時に用いますよ。
詰め物の種類によっても音色は変わってまいります。
こんな音。ちょっとオーボエにも似た音になりますな。







空気の通り道を狭めることで、木管のリードみたいな効果をもたらすんですね。
実際、オーボエと組み合わせることもあるんですよ。


トランペットの音域はこんな。

trumpet

ただ、木管と一緒に和音を演奏する場合、高い音をトランペットが受け持つと木管が聞こえなくなってしまうので、中音域あたりをトランペットさんには吹いていただくとよろしいでしょう。
クラリネットよりも低い音がよろしいですな。
とにもかくにも、金管楽器は音がデカイのです。


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トロンボーン

まあ、谷啓さんが吹いているやつですよ。オーケストラでは3人くらい。
音色的には、低い音のトランペットなんですけど、形は全然違います。
こんな形
演奏している姿は実にカッコイイ。
トランペットと組み合わせて使ったり、単独で使ったり。メロディーも伴奏もやってくれるにくいヤツです。
ただ、早いフレーズは苦手です。

音色はこんな感じです。







音域は、ホルンに近いですかね。

trombone

ホルンの音色が木管と金管の中間なのに対し、トロンボーンはもう、モロに金管!っていう音色です。華やかです。
いわゆる「トロンボーン」ってのは、「テナー・トロンボーン」のことでして、もっと低い音が欲しいときは「バス・トロンボーン」なんてのがあります。
まあ、でもチューバでいいんでないかね。

トロンボーンでも、トランペットで出てきた「ミュート」があります。
まあ、音色は割愛。
同じような効果があるものと思っていただいて。
ちなみに、ホルンにも次のチューバにも、ミュートはあります。


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チューバ

金管楽器の最低音域を支える楽器、チューバ。オーケストラでは1人ないしは2人。
もうね、とにかくデカイのね。こんな感じ
低い音を出す楽器はでかくて、高い音を出す楽器は小さいんですけど、チューバはデカイし重いし。
でもって、あんまりメロディーのようなものを奏でることはないですね。
どっしりと構えて、「自分不器用なもんで」と言いつつ他の楽器がメロディーを奏でているのを支える感じ。
主に、金管楽器の中でベースを担当したり、短い音(スタッカート)でリズミカルな感じを与えたり。

こんな音ですよ。







すごく息をたくさん使うので、長すぎるフレーズとか、速すぎるフレーズは苦手です。

音域はさすがにね、メロディーを担当するには、ちょっと音が低すぎるよな。

tuba



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金管楽器のオーケストレーション

金管楽器は、あんまり組み合わせとかって考えないのね。
音域に合ったところをババーンとやるかんじで。
というのは、先に述べましたように、木管の場合は音色の違いが結構あるんだけど、金管は音の高低だけで、音色自体はそんなに違わないんですよ。
だから、木管みたいに、どう重ねたらどんな音色になるとか、そういうことはあんまり考えなくてもどうにかなりますわね。
一方で、木管のときと同じように、交叉させたり、包み込んだり、オーバーラップさせたりっていうようなやり方は、金管でも有効です。
どの音を強調させたいのかっていうことですよね。

よく、合唱なんかで、4声帯なんて言い方をしますけども。
それに当てはめますと、

ソプラノ = トランペット
アルト = フレンチホルン
テナー = トロンボーン
バス = チューバ

って感じです。
とはいえ、ホルンはわりと独立した感じで用いられることも多いです。

ド迫力が欲しいときに、金管の皆さんで一斉に和音を奏でたりすると、カッコイイわけ。
伸ばす音でもいいし、短いスタッカートでもかっこいいのよ。

ただ、金管はボリュームがあるので、金管全体がばばーんと演奏するっていうのはそんなに多くありません。
ここで示す例は、金管のみのアンサンブルだとこうですよっていう例で、この調子で1曲全部やっちゃうと、演奏する方も聴く方も疲れ果てます。

トランペットがメロディーで、他の金管で伴奏させてみようか。
曲は、木管の時と同じベートーベンのピアノソナタ「悲愴」第2楽章の冒頭部分ですよ。
木管の例より、半オクターブくらい下げています。(ex.1)

brass_ens1







ちょっとね、慣習として、フレンチホルンを楽譜の一番上に書くことになっているもんで、見づらい感じがあるかもしれません。すみません。
でも、見やすくするために、一般の表記とはちょっと違う表記をしています。
(例えば、普通のスコアでは、ホルンは2段に分けて書くのです。まあ、その辺は、参考文献でも読んでクダサイ)
ホルンは4人いるはずなのに、楽譜では音が2つしかないじゃないかとお思いのむきがあるやもしれませんが。
なにも4人バラバラの音を演奏しなきゃイケナイってわけじゃないです。
2人ずつ同じ音を演奏したり、あるいは1人だけお休みにしちゃってもいいですよね。

上の例では、トロンボーンとチューバが和音で、ホルンがちょっと動きのある伴奏をやっています。
多少、木管の時の例を流用しています。スミマセン。
穏やかな宗教音楽っぽい感じですかな。
多少、重厚すぎる感じがあるかも。
そう、金管全体で演奏すると、重厚すぎちゃうこともあります。

次は、ホルンがメロディーで、トランペットがおかずの例。
アレンジのコンセプトは、「星条旗よ永遠なれ」っぽい感じで。(ex.2)

brass_ens2







途中まで、トロンボーンもメロディーを演奏させています。
でもって、途中からトランペットもメロディー。
チューバがこういう感じで入ると、わりと何でも「星条旗よ永遠なれ」っぽい感じになるんですよね。

もいっちょ。
今度は「ザ・ブラスバンド」って感じで。(ex.3)

brass_ens3







メロディーはホルンだけど、トランペットもメロディーを補強してる。
で、チューバとトロンボーンで「ブンチャ、ブンチャ」のリズム。
小太鼓とか入れたくなりますな。

金管は、息をたくさん使うので、演奏するととにかく疲れます。
なので、あんまりのべつまくなしに金管が鳴っているってのは、よくありません。
曲全体の3割くらいがいいところじゃないですかね。
ここぞというところで見せ場を作ってあげる楽器群って感じですかね。金管は。

実際、オーケストラのアレンジをする際は、「弦楽器+ホルンのみ」とか、「弦楽器+木管楽器+トランペットのみ」なんてのもよくある話で。



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