ThinkPadキーボードをこよなく愛する筆者だけど、つい出来心でリアルフォースとHHKB(Happy Hacking KeyBoard)に手を出してしまい……。その前編。

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 筆者はライターという職業柄、キーボードにはただならぬこだわりを持っています。キーボードの打鍵感とキー配列は、日々ハードにタイピングをする上で死活問題。特に打鍵感は、押下圧が軽くてストローク短めが好み。その理由は、いかにラクして原稿を書くか。ただでさえ辛い原稿書きを、タイピングごときでさらに辛いものにしたくないというのがホンネです。よって、キーボード選びは良い原稿を書くために最重要なポイントなのです。

原稿がウソのようにはかどるThinkPadキーボード

 前回の記事でも触れましたが、筆者はThinkPadのキーボードをこよなく愛しており、ノートPCだけでなく、デスクトップPCを使う上でも「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」を使用するくらい、打鍵感が気に入っています。どれだけ気に入っているかというと、現在使用しているもので既に5台目。使い込みすぎてほぼ1年に1度買い換えているほどです。

ThinkPadのキーボードとトラックポイント部分を抜き出したような製品「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード」。実勢価格は1万円前後
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 ThinkPadのキーボードは、ノートPCに搭載するため、パンタグラフ+メンブレン式を採用した極めて浅いストロークが持ち味で、押下圧は柔らかめ。それでいて程良いクリック感があり、キー入力されたかどうかが画面を見ずとも指先の感覚で解るほど。打鍵しているというよりも、自分とPCが一体になったかのようなフュージョン感が味わえ、あれだけやる気のなかった原稿がウソのように進みます。

トラックポイントも搭載されているので、マウスを触るためにホームポジションから指を離さなくていいのも地味にウレシイ
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 ところがこのThinkPadキーボード、ラバー素材であるメンブレンの宿命とでも言いましょうか、仕事で1年もハードに使用するとヘタってくるのです。そうなると新品当時の軽快なクリック感が失われ、なんだか打鍵も重く感じます。まるで、鉄球がついた鎖で足をつながれたまま歩いているかのように原稿の進みも遅くなってしまいます。また、パンタグラフ部分の強度も微妙にデリケートでして、ネコのツメの強攻撃でも喰らった日には、一撃で破壊されてしまうことも。

 そんな理由で、筆者はThinkPadキーボードを頻繁に買い換えているのです。