更新日:2013年8月7日
購入した磁気活水器 さびが除去できない
【相談概要】
水の点検をすると、訪問のあった業者が水道水に検査薬を入れたところ紺色に変色した。販売員は、「水が汚い。パイプがさび付いている証拠だ」と言い、さびを取り除き、水をきれいにするという磁気活水器を勧めてきた。小さい孫もいるので、娘と相談して四十万円(現金一括払い)で購入することにした。磁気活水器は、水道管に直接取り付け、活水器を通った水道水が貯水タンクに貯まるようになっている。一ヵ月後、市販の簡易ろ過器具を水道の蛇口に取り付けたところ、茶色の水が出て、ろ過器具のフィルターが茶色になっている。さびを取る、きれいな水になると言うので購入したが、さびは取れていないのではないか。貯水タンクは、毎年清掃してもらっている。飲んでも大丈夫か調べたい。(女性七十歳代)
【処理概要】
相談者は、水質にこだわっていたので、まずは居住地の水道局で水質検査ができるか聞き、水質検査の結果、解約交渉が必要なときは再度相談するよう申し添えた。
相談者は、その日のうちに市の水道局に出向き相談。水道局では水質検査はできないので、民間の分析センターを紹介された。
分析センターで検査した結果、さび(鉄分)は残っていて、塩素は検出されず、一般細菌が水質基準の三倍検出された。
集金に来た販売店のセールスマンに検査の結果を見せたところ、驚いた様子で、直後に活水器は撤去されたと相談者から報告があった。
【アドバイス】
特定商取引法や消費者契約法では、事業者が商品の効果・性能等について事実と異なることを告げ(不実の告知)、消費者が誤認して契約の意思表示をした場合、消費者はその契約を取り消すことができます。
今回の事例は、販売員が実験をして見せて不安をあおり、さまざまな効果を言って勧誘し、その効果が現れていなかったことを消費者自らが、水質検査結果を示し、契約が取り消しになった例です。
磁気活水器は、磁気を利用して「水道水中に含まれる有害物質を除去する」とか、「水の分子集団(クラスター)が小さくなり、水がおいしくまろやかになる」という効果・性能をうたって販売されていますが、「活水器」には、浄水器と異なり公に定められた規格基準がありません。
販売員や事業者の一見、科学的な根拠に基づくかのように見える効果・効能の説明や表示をうのみにせず、多方面からの商品に関する情報等を収集して、契約は慎重にしましょう。
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