街を走るシカの群れ 動画話題に

奈良公園の国の天然記念物、「奈良のシカ」が30頭以上の列をなし、住宅地を駆け抜ける様子を撮影した動画が、SNSに投稿され、話題となっています。
この動画は、奈良市の大学生が今月13日の午前6時ごろ、奈良公園から300メートルほど離れた住宅地で撮影し、ツイッターに投稿しました。
動画は、30頭以上のシカの群れが列をなして、住宅やお寺などが建ち並ぶ細い道を駆け抜ける様子を撮影したものです。
撮影した大学生によりますと、映っていないシカも含めると全部で50頭ほどいたということです。
動画は、16日正午現在でおよそ140万回再生され、「驚いた」とか「奈良に見に行きたい」などといったコメントが寄せられています。
奈良公園には柵などがないため、シカが公園の外に出てエサを探している姿は、たびたび見られますが、保護活動を行っている「奈良の鹿愛護会」によりますと、これだけ大きな群れが街の中で見られるのは珍しいということです。
近くにある奈良女子大学の大学院生は「いかにも奈良という感じがしますが、これほどの大群が街の中を走るのを見たのは初めてで、出くわしたら怖いですね」と話していました。
奈良公園に生息する「奈良のシカ」は、去年7月の時点で、合わせて1226頭と、手厚い保護もあって、増加傾向にありますが、公園の周辺でシカが交通事故に遭うケースも増えていて、年間100頭ほどが事故で死んだり、けがをしたりしているということです。
「奈良の鹿愛護会」の甲斐義明さんは、「街の中に迷い込み、何かに驚いて走り出したのかもしれません。シカは臆病な動物なので、静かに見守ってほしいです」と話しています。

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