いまの世の中で「ネタバレ」を回避するのは難しい。
この『わたしを離さないで』に関しては、僕の観測範囲では、わざとネタバレしている人は少なかったのではないか、と思います。
同じような話はこれまでもあったのではないか、とも感じたので「秘密」が、そんなに「意外」ではなかったというのもあります。
個人的には、『わたしを離さないで』は、その「仕掛け」よりも、登場人物の心理描写の素晴らしさに感動した作品なのです。
あらためて考えてみると、この作品の日本語訳が世に出てから10年以上も経っており、海外で映画化もされ、綾瀬はるかさん主演でこの小説をもとにしたドラマにもなったので、よくネタバレを回避できたものですよね。
僕の場合は、小説に関しては、けっこう早めに読んでしまうので、先にネタバレを食らうことはないというのもあるのでしょう。
でもほんと、出かけていて、帰ってから競馬の結果を録画で見よう、楽しみだなあ、なんて思っていると、ネタバレを回避するのはかなり大変です。
Yahoo!のトップページやTwitterは絶対見られないし、昔はローソンの店内放送で、タイキシャトルが4歳時に勝ったマイルCSの結果を知ったこともありました。そのときは、馬券も当たっていたのでまあよかったのですが、今年の皐月賞なんて、エポカドーロの勝利を新幹線の車内のニュース掲示板で「見てしまった」のです。あれは、その後のことも含めて悲惨だったな……
ある程度興味を持っている人が限られている競馬でも「ネタバレ回避」はかなり難しいので、ワールドカップの日本代表の試合を家に帰ってから観るんだ、絶対にネタバレなしで頼む!なんていうのは、本当に至難の技ですよね……
もちろん、ネット時代以前にもネタバレはありましたし、マンガやゲームの話だと、「みんな知っているもの」として話し掛けてくるヤツが少なからずいて、娯楽は休みの前日までとっておきたい派の僕としては、何度も煮え湯を飲まされたことを思い出します。
ネタバレのなかには、あまりにもその作品が有名で、時代の代名詞になったり、のちの作品に大きな影響を与えたため、「古典」として、そのトリックやオチは知っているのが、好事家のあいだでは「常識」になっているものもあるのです。
というわけで、ふと思いついたので、僕の「殿堂入りネタバレ」を18個ほど紹介してみたいと思います。
ただし、あくまでも本とテレビと映画、ゲームが大好きな、40代の男(というか僕)基準なので、「これはちょっとマイナーすぎるだろう」というものについても、ご笑納いただければありがたいです。
いちおう、一部の「あまりにも知られすぎてしまったネタバレ」を除いては、伏字にしていますので、どのくらいわかるか、お試しください。
(1)犯人はヤス(『ポートピア連続殺人事件』)
たぶんネット界隈ではもっとも知られているというか、いまや「ネタバレの代名詞」と化している感もありますね。元ネタを知らない、『ポートピア』は遊んだことはない、人もけっこういるのだろうなあ。
(2)『シックス・センス』の主人公は、実は○○だった!
この作品の秘密は絶対に人に教えないでください、という前置きではじまる映画。
映画にはいろんな「自称・どんでん返し」があるのですが、「これはやられた!」と本当に思った数少ない作品のひとつです。
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(3)マミる(『魔法少女まどか☆マギカ』)
これほんと、リアルタイムで観た人は、けっこう面食らったのではなかろうか。
僕はネタバレ済みの状態で観たので、「ああ……」って感じでしたが。
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(4)私がお前の父だ!(『スター・ウォーズ エピソード5『帝国の逆襲』)
これはさすがに書いてもいいよね。僕もネタバレ済みの状態で観ました。
まあしかし、ジェダイっていうのも狭い世界で生きているものではありますね。
『エピソード7』のあの人のことは受け入れ難いというか、僕の子どもの頃のヒーローをこんな目にあわせるのなら、続編つくるな!とか思ったのだけれど、『8』のあの人の場合は、なんか「もうこっちも諦めている」感じではありました。
(5)葉桜の季節に君を想うということ
この最後のどんでん返しはけっこうびっくりしました。正直、ミステリとしては何が面白いのかよくわからん、とか思っていたのだけれど。こちらの「先入観」を見透かされたような感じ。
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(6)イニシエーション・ラブ
映画化もされたのですが、映画の真ん中くらいの変身シーンには大笑いしてしまいました。
いわゆる「叙述トリック」なんですが(けっこうネタバレ)、ある種の人間的成長(?)が描かれている、とも言えそうです。
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(7)○○○○○○が○早々に○んでしまう!(『銀河英雄伝説』)
田中芳樹さんも、後日、「あれはちょっと後悔している、というか、順番が逆だったら……というようなことを書かれていました。ただ、その「なんで?」が、この作品を忘れられないものにしている、という面もありますね。今から考えると。
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(8)本能寺の変
織田信長の生涯って、歴史とかで学ぶことなく伝記や歴史小説で読んだら、「ドラマチックすぎて、リアリティがない」って思ってしまいそうな気がします。もちろん、後世の人が脚色したところもたくさんあるのでしょうけど。
(9)『ドラゴンクエスト3』の勇者は、○○だった!
伏字にする意味があるのか、という感じではありますが、きっと、これからも、『ドラゴンクエスト』をはじめて遊ぶ、という人は生まれつづけていくのでしょうね。
(10)Yの悲劇
目次でネタバレ!(下記のリンクには、『Yの悲劇』の犯人についてのネタバレが含まれています)
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(11)ハリーが○○!(『ハリー・ポッターと死の秘宝』)
すごいお金をかけて、「ネタバレ防止プロジェクト」まで組まれていたのですが、そのことがかえってネタバレに拍車をかけてしまった気もします。
小説とか映画って、他人の感想を観に行かないようにすれば、以外とネタバレからは逃れやすいのですが。
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(12)『アスピック』のエンディング
あまりにも衝撃的というか、「僕は何のためにこのゲームをやってきたんだ……」と崩れ落ちる伝説のエンディング。映画だったら費やした時間は2時間で済むけどさ……
(13)ニューダンガンロンパV3
これまでの積み重ね諸共自爆するとは……
(14)「○○犯人!」(『オリエント急行殺人事件』)
ミステリの古典中の古典。最近映画化されたものでは、「もう、このトリックはみなさんご存知ですよね」って感じで、ポアロという人間をメインに描いていたようにみえました。
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(15)究極の魔法「アルテマ」の悲劇(ファイナルファンタジー2)
ファミコン版FFⅡのアルテマはなぜ弱かったのか?::Colorful Pieces of Game
これ、本当なのだろうか……
いやほんと、『ファイナルファンタジー2』って、レベルアップのために最も効率がいいのが、味方どうしの殴り合いとか、粗削りというか、けっこう無茶なゲームでしたよね。
(16)○○○○が○ぬ!(『ファイナルファンタジー7』)
いやほんと、なんとかなるんじゃないか、と僕も思いながらプレイしていたんですけどね……
しかし、こうやってみると「○ぬ」というのは、キャラクターにとっては悲劇であるのと同時に、プレイヤーの記憶には残りやすくなるのだよなあ。
Final Fantasy VII: Remake ファイナルファンタジー7 【北米版】
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(17)タッチ(いきなり〇〇が〇〇!)
これも説明不要というか、伏字じゃなくても良さそうなんですが、あらためて考えてみると、これがなかった場合の『タッチ』って、どうなっていたんでしょうね。
- 作者: あだち充
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(18)真っ白になっちまった……(『あしたのジョー』)
このマンガのすごいところは、結局、続編が描かれなかった(ちばてつや先生がいきなり描き始める可能性もゼロではないけど)、ということに尽きるのかもしれません。
「あんたに、もらってほしいんだ」カッコいい!でも死亡フラグ!
- 作者: 高森朝雄,ちばてつや
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ちなみに、18個という数にはとくに意味はなく、思いついたものを挙げてみたら、このくらいの数になった、というだけです。
今の世の中って、たぶん、みんなそれぞれ、ネタバレをしたりされたりしながら生きている。
コンテンツに早く触れることのメリットって、「ネタバレ前に」っていうのが、けっこう大きいものなあ。
皆様の「心に残る殿堂入りネタバレ」も教えていただけると喜びます(でも、ネタバレされるのは、けっこう困るよなあ)。
P.S. でも、ふだんはなるべくネタバレは自重しましょうね。僕も気をつけます。