凄腕の女地上げ師(89)チンカス・ジャーナル編 7
今思いだしたけど、武富士から資料を持ちだして「これを5000万円で買ってくれる人を紹介して欲しい」と尋ねて来たのは、社員の中川だったな。それで、お前は大塚万吉氏を紹介した。
そしたら、大塚万吉氏がその資料を基に、武富士に1億円を要求したという恐喝未遂事件だったな。中川の要求を知ってて、それを実現可能な人物として大塚氏を紹介してるわけだから、ある程度予測は出来た筈である。
しかも資料はしっかり盗み見ているのである。盗み見たというより、堂々と大塚氏から見せて貰ったとは思うがね。当時は二個一と噂もあったぐらいだから。
確か中川は、武富士の元法務部長という肩書じゃなかったかな?そんな武富士の社員が、持ちだした資料を持って真っ先に訪ねて行くということは、余程お前が敷居が低いか、武富士に対して威力を持っていると理解されていたからであろう。
もう一つ、武富士に関して、山岡自身が書いてる話だが、武富士から自宅を盗聴された件で、中華料理を経営している野村という女から、和解話を何度も持ちかけられる途中に、中国を取材してくれという話を持ちかけられ、引き受けているが、あそこの部分を読むと、ひょっとして武富士側は、中国で山岡を暗殺するつもりじゃなかったのか?
友人の寺澤さんという人が「不自然」と思い、当日にキャンセルしたようだけど、あれはどう考えても、日本では無理だから、海外で亡き者にしようとした感じだなー。現に、堀川氏が襲撃されてたからなー。
ということは、裏を返せば、それだけお前が、鋭い攻撃をしていた、相手の痛い所を突いていた、ということの証左だよ。いい書き屋じゃないか。
攻められてる側も必死だから、色んな手を使ってくる。会社や法人が生き死に関わるネタを掴まれたら、どんな手でも使ってくるんだよ。
和解話を持ってくる場合もあるし、それが駄目なら、表で弁護士を使いながら、裏で暴力団を使う場合もある。中には警察を使う場合もある。そういうことは、何度も経験してるだろうから、わかるだろうよ。
だが、金のあるところは、色んな不正をしても、なかなか暴けない。理由は、金で色んな防御ができるからである。色んな人・モノ・権力を金で雇うことができるからである。
結局お前がビジネスとして天井次夫に頼まれてマキリン側から記事を書くのは構わんが、内容を書け。それと、自分だけ霞を食って生きてるようなことだけは言うな。
書き屋であろうが、取り屋であろうが、貰い屋であろうが、自分の責任において、必死に生きてるんだよ。出過ぎれば叩かれる。法を犯せば縛に付く。老いさらばえれば、世に捨てられる。人はいずれ自然の摂理に捌かれる。
元々の話は、今は民間とは言え、半官半民の立場である筈のURが、金の亡者の村上ファンドに落札させた物件を、転売禁止という縛りを付けておきながら、吸収合併という形でPAGに転売したことを、違法として、買戻し特約が付いてるにも拘わらず、買い戻さないから、みなが騒いでる話であって、お前の正義感から言えば、本当は、こちら側から記事を書く立場じゃないのかい?
俺なんか話を受ける時に、一応受ける側に大義があるかとか、考えるけどね。お前は考えてるようで、意外と考えないで動くんだね。
TSKは浅井健二が仕上げたと言われているが、本当に仕切ったのは米倉稔じゃないのかね。この南青山のUR問題では、米倉を騙した形の村上世彰だが、やはり米倉にも説明責任はあろう。