凄腕の女地上げ師(87)チンカス・ジャーナル編・5
武富士が上場をする頃、ヤクザ・右翼・総会屋・ジャーナリスト(殆どがブラック)・元警察OB等、ありとあらゆる分野から、「上場したら創業者利益1000億円」に在り付こうと、武富士参りに日参した。
ゴマを擂って近づく者、新たな敵になって攻める者、様々である。ゴマを擂る者は、せいぜいが仕入れた情報を売る者やゴマすり記事を書く者だから、安い。
敵になって攻める者は、成功すれば高いが、失敗すれば用心棒に潰され、徒労に終わる可能性もある、それより命を落とす危険性もあった。
当紙は最初から攻める方を選んだ。当然攻める材料を持っていたからである。この頃書き屋で、武富士から見て嫌な存在が三人居て、正確には二人と一団体である。
堀川氏と山岡と敬天新聞である。なぜこの三組がそうであったかというと、その後の検証で実証されているのである。堀川氏は武富士の顧問も務めていたらしいが、仲違いして武富士の敵になっていた。内部に居たため、中の情報を詳しく知っていた。
それをファックスでばら撒いていたので、上場に影響したのであろう。ある日事務所を襲撃され瀕死の重傷を負い、その傷が元で何か月か後に亡くなった。今のように防犯カメラがないので、犯人はわからないままである。
山岡の場合は、何の記事を書いていたのか知らないが、武富士に依頼された探偵社が山岡の自宅に盗聴器を仕掛けていたのがバレ、確か2000万円を払い、和解したんじゃなかったっけ?これは武富士が悪い。
その後、武富士の社員が資料を持ち出して、山岡に渡すのであるが、その資料を基に恐喝未遂事件が起こった。山岡はその資料を基にしっかり記事を書いていた。
社員→山岡→大塚万吉氏と資料が渡って、大塚氏が恐喝未遂事件を起こし、社員も逮捕されたが、仲介者の山岡は事情聴取だけで逮捕はされなかった。その資料を大塚氏に渡さなければ事件は起きなかったはずである。
後日、社員から聞いた話では、山岡に資料を渡す時、「この資料を5000万円で買ってくれる人はいませんか?」と相談して、預けたそうである。
それを知って資料を預かったくせに、そしてその資料を大塚氏に渡したくせに、自分だけ関係ありませんは、ないだろう。その社員に会った時「何でうちに持って来ないんだよ。お前もバカだねー」と言ったことも付け加えておく。
うちの場合は、チラシを撒くと同時に、武富士の会社の周りを街宣して回ってたので、目障りだったのであろう。「山口組と武富士」という著書の中に、武富士の内部資料が掲載されていて、「敬天新聞・6000万円」という欄がある。私自身は、それだけを受け取った記憶はない。
その資料を見ると、他者が50万だ100万だと書いてあるので、突出した数字である。それだけ武富士から見たら、煙たい存在だったんだろう。
山岡が介入したお陰で、青春が蘇ってきたよ。山岡よ有難う。これもマキリン記事なの?