(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年5月14日付)
ベネズエラでは、今週末に実施される大統領選挙で誰が勝つか、本気で迷っている人は誰もいない。間違いなく、ニコラス・マドゥロ大統領は疑いを抱いていない。
「革命は、その選挙史上最大の勝利を記録することになる」
マドゥロ氏は先週、選挙遊説から首都カラカスへ戻る大統領専用機の中でこう豪語した。「美しきベネズエラよ、万歳!」
カラカスに本拠を構える政治アナリストのディミトリス・パントウラス氏は、大統領の自信には十分な根拠があると考えており、「マドゥロが勝つ。その点について、私の疑念はゼロだ」と言い切る。
「もっと言えば、マドゥロは勝つために、投票日に露骨な不正を用いる必要さえないと思う。選挙のプロセスが大統領に有利になるようあまりに大きく歪められているため、必要な票が得られるからだ」
ベネズエラの経済破綻の規模と、マドゥロ氏による支配に対する国際的な反対論の拡大、国内での社会的不満、それに軍の内部での苛立ちの高まりを考えると、最大の問題は、今度の日曜日の選挙後にマドゥロ氏が何をするか、だ。
「『チャビスモ』内でクーデターが起きたとしても驚かない・・・マドゥロはこんなふうに国を運営し続けることはできない」
パントウラス氏は、マドゥロ氏の庇護者にして前任者だった故ウゴ・チャベス大統領が立ち上げた支配的な運動に言及し、こう語った。「ベネズエラは目下、統治不能だ」