僕は中村文則さんの本が好きで
今の所全ての彼の小説を読んできました。
今回は
「中村文則さんの本を読みたいけどどれを読んでいいのか分からない」
と悩んでるあなたのために中村文則さんの小説べスト3を紹介していきたいと思います
(あくまで僕的ベスト3です。)
「掏摸(スリ)」
この小説はプロのスリとして東京で荒み生きる天才スリ師の青年が主人公の物語。
この作品の魅力は何と言っても圧倒的な緊張感。
作中には主人公がスリをする描写が何度か出てくるんですがあまりにもリアルすぎる
その描写に読んでいるこちらが緊張させられます。
また後半に行くにつれて闇の世界に引きずり込まれ命の危機に晒されてゆく中で
主人公がスリのスキルを駆使し理不尽な悪に果敢に立ち向っていきます。
僕はこの作品を一番始めに読んで中村文則作品に引き込まれました!
何を読んだら良いか分からない方は比較的短く読みやすく読破しやすい
この作品をとりあえずお試しで読んでみてはいかがでしょうか!
この作品は世界的に評価が高く様々な言語で翻訳されています。
映画化されたら絶対面白いだろうなぁと思っていたんですが
案の定近年映画化されるらしいですね!そちらも楽しみです!
「銃(じゅう)」
この小説は主人公の大学生の男が雨が降りしきる河原で銃を拾う所から物語が始まります。
主人公はその銃に魅了され拾って家に持ち帰り大事に宝物、
我が子の様に扱う中いつか自分はこの銃を発砲するという確信の中で彼は生活をしていきます。
銃を所持しはじめて彼はイキイキすする反面、
銃を所持すること自体が罪の日本という国で次第に追い込まれていきます。
中村文則独特の言葉遣いと情景描写に読み手である自分が銃を所持していると
錯覚させられる程物語に引き込まれました。
また物語に見え隠れする憂鬱な空気感暗いダウナーな世界観が
ジャンキーでこれを読む前と読んだ後では現実世界の見え方が変わって見えてきます。
新潮新人賞を受賞した中村文則さんのデビュー作です。
こちらも短めで読みやすく面白いです。一作目にしてこのクオリティ、本当に凄いです。
「教団X(きょうだんえっくす)」
この小説はある日突然女性が目の前から失踪してその女性を探す男が主人公の物語です。
その女性を追い辿り着いた圧倒的な光と悪の二つの宗教団体
(正確には一つは宗教団体とは言い切っていない)の中で
彼は本来の目的を見失い自我を失い欲望に溺れ汚れてゆく。
光と闇の宗教団体の中で行われ続ける駆け引きや争い洗脳や性行為から
読者は、「正義とは何か、思想とは何か」を何度も問われる事になる。
オウム真理教の地下鉄サリン事件をきっかけとして作者は
この物語の制作に取り掛かったとありどうしても教団Xの教祖に麻原を重ねてしまうだろう。
長編小説ですので読むなら休日にカフェなどに出向き一気に読み上げるのが良いと思います!
少し前に芸人のピース又吉さんの推薦していましたので今更紹介しても(笑)
と思いましたが本当に名作なので是非読んでみてください!
以上簡単でしたが中村文則の読むべきおすすめベスト3でした!(僕的)
中村文則さんの小説は主人公が必ず憂鬱の中に生きているというところが好きです。
ダウナーな世界の中で魅力的な闇を見せてくれたり反対に強い光で元気にしてくれたり
読み応えがあるのにスラスラと読み進められてしまいます。
頻繁に描かれる性描写はいやらしいとかエロいという類のものではなく
総じて「憂鬱」の体現として描かれているため
その様な描写が苦手な方でもあまり引っかかることなく読み進めることができます
また、性というものについてどの作品でも考え直させられえます。
また3作品に通じて言える事ですが作中の緊張感が凄い。
一歩間違えれば命を落としたり警察に捕まったりする中で
行われる主人公達のやりとりは少年漫画の様なワクワク感も与えてくれます。
中村文則さんの作品はどれも本当に読みやすいので
読書をあまりしない、してこなかった人にも
おすすめで物語も小説や文学というよりも
映画や漫画に近いものがありますので是非読んでみてください!!
ではではでは!!!