かぼちゃ以外の人までもが裁判起こした模様です。。
今朝、白い豹に襲われる悪夢で目が覚めましたw
こんにちは。
「融資が厳しくなって来た」というセリフで始まるメルマガが増えてきた昨今、、
恐らくそんな業者さんが手に染めて来たであろう例のフカし融資を巡りとうとうこんな提訴があったもようです。。
「マンション投資「融資書類改ざん」、スルガ銀などを提訴」
今まではかぼちゃ事件を巡る裁判沙汰で済んでた話がとうとう過去にフカし融資で物件を買った人までもが「俺も被害者だ」と裁判に討って出たということになるのですが、、、
こんな裁判を起こされてしまうと「をを!かぼちゃ以外にもこんな闇があったのかw」と便乗する人権派弁護士さんや被害者の会系コンサルさんなどがまた結集し、集団訴訟なんて事態にでもなればスルガさん以外でも横行していたフカし融資の実態までが暴露されてしまい、たかだか1000億程度で済んでた話が兆の単位の話にもなりかねません。。
またこの手のフカしスキームに加担していた業者さんはかぼちゃに加担していた業者の数より遥かに多いですから、可能性は限りなく低いにしても今回の提訴で原告が勝って判例とでもなれば前にあったサラ金の過払い訴訟並みの盛り上がりを見せるんじゃないかと思います。(言うまでもなく当時のサラ金業者が絶滅したのってこの過払い訴訟も原因の一つでしたから)
ワタクシ、この問題の根幹にあるのは政府主導で行った「サンタメスキームのための法改正」が原因じゃないかと思うのですが、このサンタメスキームが流行った理由をご存知の方ってどのくらいいらっしゃるんでしょうか?
そもそもこのスキームは一時期禁止された「中間省略登記」を「第三者のための契約(サンタメの語源ですw)」として「新中間省略登記」なんて名前で復活させてしまったことに端を発します。
要するに不動産屋が物件を仕入れて再販する際に中間省略登記で売買すると登記が無いので不動産取得税や登録免許税などが不要になり余計な経費を掛けずに転売が出来るのですが、これだと税収が下がってしまうので一時期この「中間省略登記」を禁止た時期があったんです。
しかし、それだといちいち転売の度に物件仕入れて登記しないといけないのでエンド客にその経費が乗っかってしまい物件価格が割高になってしまうことから不動産団体が国に陳情し「なんとかしてこの中間省略登記を復活させてくれ」と動いていました。
結局、この陳情の成果もあり「第三者のためにする契約」と言う名で「中間省略登記」が認められてしまうことになるのですが、当時、高属性なサラリーマン向けにやってた区分マンション売りの業者がこの手法に目を付けて一棟物件でも始めたのがそもそもの始まりだったと思います。
おりしもその頃には例のアベノミクスのために日銀が大規模な金融緩和を始めた時期でもあり、不動産投資が「投資の王道」として注目され始めた時期でもあり不動産投資を煽る人が続々登場し、その結果、爆発的にプレーヤーが増加して物件価格は見る見る急上昇を始めました。
その際、この「サンタメスキーム」を使うとやりようによっては「自己資金ゼロで不動産投資を始められる」という状態になり「やたら本業収入は多いけど貯金がほとんど無い」という高属性サラリーマンの格好の投資対象となりました。
そんなサンタメスキームですが、まだ流行り出した当初は物件価格も安くサンタメ業者さんもそんな無理やり融資を付けることもなく転売業者にサヤ抜きはされるにしてもそんな酷いことにはなっていませんでした。
しかしそんなサンタメ業者さんが「俺も俺も」と新規参入し始めてひしめき合いだすと融資のスピードの遅い業者さんではせっかく物件を仕入れても決済まで持ち込むことが厳しくなってきました。(これが俗にいう瞬間蒸発物件です)
そこでどの業者さんも「融資審査が早い銀行」を探すことになり、金利について文句言わなければ抜群に審査が早い銀行での融資付けが盛んに行われることになります。(ここ読んでる人に具体的な銀行名を挙げなくともわかると思うのでいちいち名前は挙げませんw)
「いい物件は瞬間蒸発しちゃうので早い者勝ちですw」
こんなセリフで物件資料をメールで送りつけられた人も多いんじゃないかと思いますが、実際は「融資が付く物件はたとえクソ物件であっても飛ぶように売れていく」が正解で当時からブログを書いていたワタクシ、、これについてはブログ、セミナーを通じて口が酸っぱくなるほど警鐘を鳴らし続けてましたが実はここが心配だったからです。
それでも一度の転売で数千万の利益が上げられるスキームなだけにこれに参入する業者は増え続け、手口も次第に荒っぽいものに変貌を遂げます。
えぇ、、今になって世の中が騒いでいる「エビデンスの偽造」です。。
最初の頃は年収をごまかす程度の可愛いものだったものが融資する側のチェックが厳しくなった頃には
①レントロール上の賃料を引き上げて家賃収入が高いように見せかける
②実際の家賃収入が銀行にバレると困るので募集中の賃貸広告をネットから下げさせる
③金融機関が現地のチェックの際に空室がバレないようにカーテンつけたり台所に洗剤などを並べて居住しているように装う
④決済代金の差を指摘されないように契約には存在しない「中間金」を加算し、実際にその見せ金として買主に売り主や仲介さんが貸し付けて自己資金があるように装う
⑤自己資金があるように偽造するためにネット銀行のプログラムを改変し自己資金があるように装う
・・・挙げ出したらキリが無いのでこのくらいにしておきますw
なんてほぼ犯罪だろこれwwってレベルの偽装工作を駆使して誰よりも早く融資を取付けそこから初めてセミナーやメルマガで囲い込んだ顧客に一斉にメール送信して物件を売ることになるのですが、時々、そのエンド客が予定されていた決済までに嵌らず決済延期になってしまい売り主さんが激怒する事件が多発したもの「サンタメ取引のあるある話」ですw
今回の訴訟のニュース記事を読むと買った時期が2015年ということですからちょうどその頃くらいからどこの業者さんも荒っぽい手口を使いだした時期でもありワタクシのところにもそんな買い方で物件を掴まされた人からの相談が激増してきた時期でもあります。
しかし業者さんの勢いと銀行のジャブジャブな融資姿勢があまりにシンクロし過ぎていたためワタクシがいくら注意喚起をしたところで焼け石に水。。(セミナーの懇親会とかで「今月3棟で5億円買いましたよ」なんて言われて涙目になったこともありましたっけw)
また当時はどこに行っても融資自慢と言うか資産と借金の額をごっちゃにしていた人が多く、同時に「たった○年で資産○億」なんて本が大量に出版された時期でもある関係で大家の飲み会で聞く言葉は「物件どのくらい持ってるんですか?」が合言葉になってた時期でもありました。
それが昨年来の金融庁のチェックのおかげでどこの金融機関も融資が渋くなり始め「どーでもいいけど手金無しじゃ融資しねーぞ」という金融機関が続出し、結局ここでは「自己資金がたくさんあるように装うためのサンタメ取引」が横行するようになり今回のかぼちゃ騒動でスルガさんの融資がストップしたことでサンタメ取引やフカし融資の取引が出来なくなって来て「会社の規模を縮小します」だの「業態を変更します」などと白旗をあげる業者さんが増えてきた、、、、という流れです。
実際に裁判になると銀行だけじゃなく書類改ざんを主導した業者さんにメスが入ることになるのですがワタクシが知る限り業者さんのやってた不正行為は犯罪レベルの行為ばっかりでしたから正直言って銀行のエビデンスチェックだけではほぼイタチごっこな状態じゃなかったかと思います。(審査基準が厳しくなるとそこをうまく掻いくぐる策を新たに開発する、、、みたいなw)
しかも銀行側にも融資のノルマがあり担当者ベースでは「わかっちゃいるけどこっちにもノルマがあるんだよ」という想いで見逃していたフシもあります。(実際、ウチの会社にも銀行の融資担当が飛び込みで「ウチの顧客に嵌めこめる物件は無いか?」と問い合わせがたくさんありましたよw)
しかし、実際に物件が買えて晴れて不動産投資を始められたとしてもそもそも見合った家賃以上の価格で物件を買ってるわけだしそれほど経験値の高くない顧客を狙い撃ちして物件を掴ませていますから当然ながら賃貸物件の運営能力にも疑問符が付く人ばかりが物件を保有しています。
ちょっと頭のいい人であれば賃料収入が危ういと感じて同じ大家にコンサルとして接近して「私の持ってるノウハウを提供するから」と高額なコンサルフィーを奪い取り凹んだ賃料収入の足しにも出来ますが、サンタメ物件になんら疑いを持たずに買ってしまう人ではそこまでの知識も無いでしょう。
そんなこんながここ4~5年で起きてたことであり、今の不動産投資業界の現状であるのですが、可哀そうなのはそんな不動産狂騒曲に踊らされて業者の甘い言葉に翻弄されついつい投資物件を買ってしまい出口もすっかり無くなって塩漬けにしたくても家賃収入が返済額を下回り手出しが増えるんじゃないかって人です。
恐らく、そんな人はサンタメ取引の条件で付いて来た「家賃保証期間」も切れた頃だしその家賃保証が「銀行融資の条件だった」とい気が付くのも今の時期じゃないかと思います。(えぇ、、銀行は買っていきなり空室ってのは困るので一定期間の満室状態を条件に融資承認しているケースが多く、サンタメ業者が粗利の中から家賃を補填していただけなんです)
なのでワタクシ、この事態を憂いで結構前から「とにかく保有耐性を上げろ」と言い続けていたわけですがかぼちゃ事件以降このブログのアクセス数が倍になったのもそういう事態に直面した人が慌てて読み漁っているのではないかと思い始めています。。
正直言うと、ワタクシ今回の裁判沙汰のニュースを読んでこの手の物件を掴まされた人って「かぼちゃみたいにほぼ全空物件ってわけじゃないけど買った価格が売値を遥かに上回るだろうと思うことと、そろそろ訪れる大規模修繕の波と陳腐化する賃貸居住環境で差別化の波にさらされ結局はかぼちゃに似たような目に遭うんじゃないか?」と思ってます。
その被害者の予備軍数たるやかぼちゃの被害者の数どころではありませんので確率論的に考えてもかぼちゃの数倍はいるであろうそんな方達が一斉蜂起して業者や銀行を訴える日も近いんじゃないかと。。。。(ってか誰か必ずそういう集団訴訟の動きを見せる人が出て来そうな気がするんです)
ただあれです。。
何度も言いますが、
その書類偽造などの不正行為はホントに知らないところで勝手にやられたんですか?(えぇ、、自己資金や収入の水増ししてでも「とにかく融資が緩い今、一刻でも早く不動産投資を始めないと・・・」って思ってませんでしたか?)
お互い傷があるからみんな銀行ばっかり訴えようとしてるようにしか見えないんじゃんw