こんにちは。たこ焼き神(たこやきしん)です。
いきなり現れた、つけ麺屋のおっさんみたいな恰好をした豚が「たこ焼き神」を名乗ったところで、「たこ焼き神って、なに?」って言われると思うので説明しますね。
たこ焼きの、神です。
というわけで改めてこんにちは。たこ焼き神のヨッピーです。
普段から僕は「銭湯神」とか「鼻炎王」とか、何の根拠もなくえらそうな肩書きを名乗るのが大好きなのですが、実はこの、「たこ焼き神」という肩書きに関してはちゃんと根拠があります。
例えば僕が過去に書いたたこ焼きの記事、
r.gnavi.co.jp
これがGoogle検索において「大阪 たこ焼き」で1位の位置に掲載されているからであります。どう?すごくない?
ちなみに「東京 たこ焼き」でも僕の記事が2位に来ます。
これはもう「たこ焼き神」を名乗っても完全に許されるのではないでしょうか。え?許されない?そうなの?なんかみんなちょっと冷たくない?
ちなみに、上記2本の記事を書くにあたっては大阪、東京それぞれ30店舗ずつくらい有名なお店を食べ歩いた上で、味はもちろん、記事を見た人に「じゃあ行ってみるか」と気軽に思ってもらえるようにお店へのアクセスの良さなども考慮してお店をピックアップしてるんですよね。大阪だと梅田難波天王寺、東京なら銀座や上野など、基本的に大きなターミナル駅近くにあるお店を紹介しております。
しかし、そんな中で唯一、東京の笹塚という、ちょっぴりマイナー気味な駅から選ばれているお店がこちらの「神戸みなと屋」さんです。
そんな、アクセスが良いとは言いづらいこちらのお店をなぜ選んだかと言うと、端的に言って「マジで一番美味しかったから」です。
いやほんとに。「わなか」や「はなだこ」など、大阪の名店にも決して引けを取らない、というか「ひょっとして超えてるのでは……?」と思わせるほどの美味さ!これはちょっと書かずにはおれんかったわ……!
こちらが「神戸みなと屋」ご主人の北さん。
大阪の名店「くくる」で修行を積んだのち、この笹塚で「みなと屋」をはじめたそうです。たこ焼きの材料となる小麦粉やソースなどはわざわざ関西から取り寄せて使用するこだわりっぷり。
使い込まれた銅板でフワッフワに焼かれるたこ焼き。
これが「みなと屋」さんのたこ焼きダ!
マジでフワッフワでちょっと信じられないくらいに美味い。
銀だこに代表されるような、「外カリ中フワ」タイプのたこ焼きしか食べたことがない人はたこ焼きの概念がひっくり返ると思う。
食べるとこんな感じの顔になる。
いやー、ほんとに美味いわ~~~!
「みんなのごはん」でも活躍中の料理研究家、りな助さんも大絶賛!
今日はそんな「たこ焼き皇帝※」こと「みなと屋」のご主人に、家でたこ焼きを食べる時に美味しく作る秘訣を伝授して頂きます!
※編集部注……「たこ焼き皇帝」はヨッピーさんがご主人に勝手につけたあだ名です。ご主人が実際に名乗っているわけではありません。
「ちょっとヨッピーさん!僕、たこ焼き屋やってるのになんで家庭のたこ焼きのレシピを教えなあかんのですか!営業妨害じゃないですかそれ!」
「あれ?みなと屋のたこ焼きって、簡単に家で再現できる程度のものでしたっけ?」
「そんなわけないでしょ!設備も材料も違いますし、家で作るたこ焼きには絶対に限界がありますからね!」
「じゃあ別にいいじゃないですか!『これよりもっと美味しいたこ焼きが食べたかったらみなと屋に来てね』みたいなスタンスで!」
「まあ確かに、それはそうか……」
「ちょろいわ」
【まずは普通に作ってみよう】
まずは「普通にレシピ通り作ってみよう」という事で、一般的なレシピ通り作ってみる。
材料は以下の通り。
【コンロ】
イワタニ 炎(えん)たこ
【材料】
たこ焼き粉100g
水300cc
卵1個
青ネギ
紅しょうが
あげ玉(天かす)
真だこ(茹で)
青のり
鰹節
オタフクソース
コンロはカセットボンベ式のものを使いました。ご主人いわく電気式のものよりガスの強火で焼く方が美味しく焼けるそうです。特にこのイワタニの「炎たこ」シリーズはおすすめ!更には鉄より銅の方が熱伝導率が高いので、こだわるのであれば銅板を使って欲しいとのこと。ちなみに、今回の企画にあたって、浅草のかっぱ橋でたこ焼き用の銅板を探しまくったのですが、このコンロに合うサイズのものがなかったので諦めました。悔しい。
生地に天かす、ネギ、紅しょうが、たこを入れてバシバシ焼いていきます。
「さすがヨッピーさん、大阪の人だけあって上手ですね」
「でしょう。僕けっこう家でたこ焼き作ったりしますからね。他人の家のたこ焼きパーティでも焼き方がなってないと怒鳴り散らして串を取り上げます。たこ焼きを舐めてる奴は許せないんで」
「大阪のイメージが悪くなる」
焼きあがったらソース、青のり、鰹節をかけて完成!
簡単!
見た目は綺麗に仕上がっているが、果たしてお味はどうか!
「なるほど。これはこれで美味しいですけどね。久々にこういう感じのたこ焼き食べましたわ」
「なるほど。でもちょっと粉っぽくないですか?」
「そうですね。まず生地が固いですね。それにおっしゃる通り粉っぽいです。まあ、家で作るたこ焼きやったらこんなもんちゃうかな、とは思うんですけど、これはまだまだ美味しくできますね。ちょっとやってみましょか」
※ちなみに営業中のお店を間借りして作業しております「まず、お水の量を増やしましょか。粉100gに対して水300ccっていうのはちょっと粉の分量が多いですね。基本的にたこ焼きは粉の量が少なければ少ないほど美味しいって言われてるんですよ。ただ、粉の量を減らすとそのぶんだけ焼くのが難しくなるんです。固まりづらくなるんで」
「なるほど。メーカーのレシピは、その焼き方の難しさを嫌って粉の分量を多めにしているのかもしれないですね」
「そうかもしれませんね。粉少なめに調整したら『ちゃんと焼けへんぞ!』ってクレームが来るかもしれないですし。あとはコクが足りないので、水じゃなくて出汁を使ってやるべきですね。出汁は濃いめにとった方が美味しいと思います」
そんなわけでご主人のアドバイスに従って、
【レシピ通り】
粉100g
水300cc
卵1個
という粉の分量を、
【アレンジ版】
粉100g
出汁400cc
卵2個
という具合に変更。
出汁は普通の分量の倍。
2パック使ってとりました。「たこ焼きってね、奥が深くてこだわりだすと本当にキリがないんですよね。
それこそ粉も北海道産の良い粉使って、出汁も羅臼の昆布と最高級の鰹節と、みたいにやれますから。ただ、それはコスパが良くないしあんまり現実的ではないので、あくまで市販品のアレンジをするんやったら、とりあえずこれくらいでもだいぶ味が変わると思いますよ」
あとは先ほどと同じように、天かす、ネギ、紅しょうが、タコを投入してがしがし焼きます!
そして出来上がったのがこちらの改良版!
「あーすごい!全然違う!完全に味が変わりましたね!食感もこっちの方がフワッフワになってる!」
「でしょう。あとはソースも本当はもうちょっと甘めの方が美味しいと思うんですけど、こればっかりはそれぞれの好みで、市販品の中から好きなものを使って頂くのが良いと思いますわ。流石にソースまで自作するとなると手間がかかりすぎるでしょうし」
「なるほど。市販品の中でご主人おすすめのソースってありますか?」
「そうですね。オタフクソースのお好みソースなんかは甘味があって美味しいと思います。あとは僕が働いてた『くくる』でも、店舗によっては持ち帰りでソースだけ売ってたりしますし、通販のたこ焼きセットにもソースが付いてくるのでそれを使っても良いかもしれませんね」
「勉強になるわぁ~~~!」
ちなみに「みなと屋」さんはたこ焼きだけではなくかき氷の名店としても知られていて、これから夏に向けて暑くなるとかき氷目当てのお客さんで死ぬほど行列ができるので、たこ焼きを食べてみたい人は本格的に暑くなる前に行くのがベスト!
あとはお店の前で勝手に「お店の一員」みたいな顔して写真を撮らせて頂きました。
「みなと屋」のたこ焼きは本当に美味しいのでぜひ一度ご賞味あれ。
神戸みなと屋
東京都渋谷区笹塚2-41-20 岡田ビル1F
03-6383-3120
11:00~なくなり次第終了
- ジャンル:たこ焼き
- 住所: 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚2-41-20
- エリア: 笹塚
- このお店を含むブログを見る | 笹塚のたこ焼きをぐるなびで見る
【自宅で再現してみよう】
さあ、そんなわけでみなと屋のご主人に聞いた「家でたこ焼きを美味しく作るコツ」を駆使した上で自分なりに試行錯誤して、「これぞ!」というレシピが完成したのでご紹介したいと思います!
【材料(2人前)】
たこ焼き粉100g
濃いめにとった出汁500cc
卵3個
青ネギ
紅しょうが
あげ玉
真だこ(茹で)
青のり
鰹節
オタフクソース
オイスターソース
1:材料を混ぜてタネを作る
まずは粉と出汁と卵を混ぜてタネを作ります。
出汁はちゃんとさましてから使わないと固まってしまうのでご注意!
この、「粉100gに対して出汁500cc」というのがキモで、これ以上出汁の分量を増やすとかたまりづらくなり、綺麗に丸めるのがめちゃくちゃ難しくなります。
むしろこの「粉100g 出汁500cc」という配分もけっこう難しい配分なので、自信がない人は400ccくらいからスタートするといいかも。
粉も目分量ではなく、ちゃんと重さを測りながら使おう!
ちなみに、
「粉に出汁を入れてかき混ぜる」だとダマが出来やすく綺麗に混ざらないので、「出汁に粉を入れてかき混ぜる」っていう順番を守るのが良いそうです!
2:鉄板にタネを注ぎ、タコ、あげ玉、ネギ、紅しょうがを入れる
火力は強火でがーっと焼きましょう。
みなと屋のご主人いわく、弱火でトロトロ焼いてしまうと、中にまで火が通ってしまって綺麗に丸まらなくなるので、強火で表面だけ一気に焼いてしまって即座にひっくり返すのがうまく作るコツらしい!
3:ひっくり返す下準備
まずはこうやって正方形に生地を切り分けます。最近のたこ焼きプレートはガイドの溝が入っていたりするので簡単なはず!ちなみに樹脂加工がされている鉄板に金属製の串を使うと痛めてしまうので、その場合は割りばしなんかで代用しよう!
そして更に四角く切り分けた生地を真ん中に集めて丸くします!
これをやらないと上手くひっくり返せないぞ!
4:一気にひっくり返す!
最後は次々にひっくり返すだけ!みなと屋のご主人は「最初に天地逆に180度ひっくり返すやり方がベスト」とおっしゃっていたのですが、技術的にけっこう難しいので画像のように最初は90度ずつ返していくやり方でチャレンジしてみよう!
真ん中の方から焼けるのが早いので、真ん中→端っていう順番でひっくり返すのが良いと思います。ちなみにこの辺って大阪人からすると常識なんですが、「そもそもたこ焼き焼いたことないから知らんわ」みたいな人もけっこういてビックリしたのでぜひとも参考にしてください!
あとは材料の投入から完成までは手早くしないと焦げますし、ひっくり返す前に焼きあがってしまうと美味く丸まらないのでご注意!
そして出来上がったのがこれ。はい完全に美味いやつ~~~~!
ちなみにソースはオタフクソースを使用しているのですが、
コクを足すためにオイスターソースを隠し味に入れると更にぐっと味が良くなります。
あとは甘めのソースがお好みの人はハチミツ、もしくは煮切りみりん(一度沸騰させてアルコールを飛ばしたみりん)をお好みで入れるとグッド!
【友達に試食させてみた】
そんなわけでせっかくレシピを完成させたので、自宅に友人を呼んでたこ焼き会を開いてみました。
かなり手馴れてきた僕。どっかで大炎上してライターの仕事がなくなってもこれで食べていける気がしてきた。
そして完成!
完全に美味そう~~~~!
友達連中もこの表情!
友人代表:ハルくん
これめちゃめちゃ美味しいですね!お店のたこ焼きより全然美味しいのでは!? いやー、ビールが進むわ~~~!
「まあ、いわゆるたこ焼きの名店とされるお店にはまだまだ勝てる気がしないけど、平均レベルのお店には勝てるやろうね」
「そもそもね、みんなたこ焼きっちゅうもんを舐めすぎなんよ。『たこ焼きはお祭りの屋台で食べる雰囲気の食べ物』とか思ってない?思ってるでしょ?あとは『ウェーイ!今度家でたこパしよ~~!』とかね。それでドンキで1,000円くらいの電気プレート買って、分量も計らずにカンで適当に粉混ぜて、焦げたたこ焼き2,3個食べて『なんか、もういいかな……』みたいなパターンね。マジで許せんわ。言っとくけどたこ焼きに対する冒とくは許さへんよ」
「みなと屋のご主人も言うてたけど、たこ焼きってマジで奥が深いんよ。『そうかなぁ~?別にそんな変わらなくない?』とか言うてる豚どもは、大阪に行った時に『わなか』『はなだこ』らへんを食べたら『違う……!』って絶対になるし、東京でも今日紹介した笹塚の『みなと屋』や銀座の『ふくよし』らへんを食べてみて欲しいんよホンマに。その上で『別に美味しくない』って言うんやったら謝るわ。それは完全にワシが悪いわ。確かに味覚や好みの違いもあるから絶対なんてことはないしね。でも食べずにたこ焼きに対して舐めた発言をする人に対しては許さへん!」
「今回のレシピも確かに美味しく出来てるよ。出来てるけど、これを食べた上で更に高いレベルのたこ焼きを経験して欲しいなと思うんよ。『大阪の人ってなんでそんなにたこ焼き好きなの?』みたいな事を聞いて来る人もいるけど、だって、大阪のたこ焼きってだいたい美味しいからね。僕だって東京来て『東京にも美味しいたこ焼き屋さんあるやん!』って気づくまでは全然東京でたこ焼き食べへんかったし」
「なあ、聞いてる?」
【今回のまとめ】
ライター:ヨッピーのプロフィール
「オモコロ」「SPOT」「Yahoo!ニュース個人」「みんなのごはん」など、さまざまなWEBメディアで活躍中のライター。「WEBでウケること」の第一人者として、タイアップ広告案件なども多数手がける
Twitter ID: @yoppymodel / 公式サイト:ヨッピーのブログ