2017.6.10 (土) 07:00
飲食スペース(昼どきになると周囲の会社員でいっぱいになる)。奥はオープンキッチン。
先日、とあるニューヨークの高級レストランが2017年度の世界一に選ばれた。世界のトップレストランを決める毎年恒例の「World’s 50 Best Restaurants」で栄えある1位に選ばれたのは、マンハッタンのノマドエリアにある高級レストラン「イレブン・マジソンパーク(Eleven Madison Park Restaurant)」である。
さすがは世界最高峰。お値段も一流クラスで、テースティングメニューは1人295ドル(税別、チップ込み)。旅行中はいろんなことに挑戦してみたい気分になるから、ハイソサエティーなニューヨーカーに混じるのもよい経験だろう。しかし、食事のみで300ドル越えとなると、なかなか簡単に踏み切れるものではない。
しかし!諦めることなかれ。2017年4月、姉妹店のファストカジュアル・ダイニング店がオープンしたのだ。お店の名前は「メイドナイス(Made Nice)」。
この店はオープンキッチン・スタイルで、商品をカウンター越しに受け取るシステム。テーブル席もあるので店内でも食べられるし、トゥーゴー(持ち帰り)もできる。特筆すべきは、イレブン・マジソンパークと同じ食材とテクニックで作った良質のものを、ニューヨークでは破格の10ドル代で楽しめるということだ。
また、ファストフード店ではなく「ファストカジュアル店」なのもミソ。ニューヨークのファストフードは、おいしくない、早くない、健康によくない、それほど安くない……など悪名高く、一部の層で不人気になりつつあるが、そこで誕生しているのが、おいしくてスピーディー、リーズナブルで健康にも良い、メイドナイスのようなファストカジュアル店だ。トレンドとして近年、ニューヨークで注目されている。
ランチメニューの人気ナンバー1は、ハンガーステーキとブロッコリーの「Khao Salad」(15ドル)。また、マネージャーのカークさんの一押しは、蒸し煮したチキンとインド系のバスマティライスの「Chicken Rice」(14ドル)や、カリフラワー、豆腐、クスクスの「Curry Cauliflower」(11ドル)。
アイスコーヒーとココアニブ(ココアパウダーのようなもの)をミックスした同店オリジナル「Cofee Soda」(4.5ドル)。
夏におすすめのドリンク。クランベリーとジンジャーを使った、ハウスメードのスパークリング「Sparkling Cran Fizz」(3.5ドル)。
特に「Curry Cauliflower」は、イレブン・マジソンパークで6年間にもわたって人気のあるメニューと“ほぼ同じ”内容らしい。試してみたが、おこげがほんのり香るカリフラワーはほどよくジューシーで、クスクスと一緒にミッスクされているココナッツやレモングラス、クレソン、アーモンド、グレープなどとの相性もバッチリだった。
カリフラワーにほのかな酸味とフルーツの甘みが合わさった「Curry Cauliflower」(11ドル)。カレー味といっても新鮮な素材を味が引き出るような上品な味付け。
ランチメニューは常時9種類そろっている。季節の素材を使うため、シーズンごとに変化し、いつ行っても週に何度通っても飽きない工夫がされている。また、午後5時以降はディナーメニュー(22ドル)もプラスオン。ブルックリン産の地ビールやニューヨーク州産のローカルワインは、昼夜共にあり。この夏ニューヨークを訪れることがあれば、ここはもうマストでしょう!
「1週間に何度もランチに来てくれる近隣の会社員も多いですよ」と、ジェネラルマネージャーのカークさん。
窓からはエンパイアステートビルを臨める。
(文・写真:安部かすみ fromニューヨーク)
■取材国:アメリカ
安部かすみ(あべ・かすみ)
2002年に渡米し、在ニューヨークの新聞社でのシニアエディター職を経て、2014年からフリーの編集者、ライターに。ニューヨークから食やエンタメ、テック系などのトレンドを発信中。編集者歴は日米で20年。
関連タグ
この記事が気に入ったら、
いいね!しよう。
【アニメ化】漫画『ゴールデンカムイ』が面白い! 今絶対に読むべき理由をTSUTAYAマンガ通がプレゼン
日本最大級ビアガーデン「ヒビヤガーデン2018」日比谷公園で5月18日から開催
部屋が見違えるほどオシャレに!? 書店員が教える、本棚レイアウトのテクニック5つ
ミニチュアアーティスト田中智の個展、銀座で4月27日から。指先サイズの世界にときめく