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国際・外交 政局 北朝鮮

【特報】安倍首相があの「元総理」を北朝鮮に派遣か

拉致問題打開のために

北朝鮮で人質になっていた3人のアメリカ人を、ポンペオ国務長官が帰国させた。だが日本の拉致被害者は帰ってこない。安倍総理は「最後の手段」として、6月に「大物特使」の平壌派遣を決めた―。5月14日発売の「週刊現代」で、驚きの情報が記されている。

高まる危機感

「拉致問題に関して、李克強首相と文在寅大統領に協力を求め、支持を得ることができた」

5月9日、3年ぶりの日中韓サミットを東京で開催した安倍晋三総理は、3首脳で開いた共同記者会見で、胸を張った。

「日本は蚊帳の外に置かれている」――このところの北朝鮮を巡る雪解けムードに、日本政府は危機感を募らせていた。

 

昨年、あれほど緊迫した北朝鮮情勢だったが、今年2月、韓国が北朝鮮を平昌冬季オリンピックに参加させ、先月27日には歴史的な板門店会談を実現させた。また5年半にわたって、同様に北朝鮮との関係を悪化させていた中国も、3月と5月の2度にわたって、金正恩委員長を自国に招待した。

さらに、あれほど北朝鮮と敵対していたアメリカも、ポンペオ国務長官が3月~4月と5月に訪朝。北朝鮮は3人のアメリカ人を解放し、6月12日にはいよいよシンガポールで、トランプ大統領と金正恩委員長の「大一番」のトップ会談が迫っている――。

そんな中で、日本だけがポツンと取り残された格好だ。拉致被害者の家族たちは、「なぜアメリカ人は返還されて日本人は返還されないのだ」と忸怩たる思いでいる。

そのような日本を 見透かしたかのように、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』(5月6日付)は、「日本は悪い癖を捨てない限り、1億年経ってもわれわれの神聖な地を踏むことはできない」と非難した。

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日本もその間、決して手をこまねいていたわけではない。日本政府関係者が明かす。

「2月9日、平昌オリンピックの開会式のレセプション会場で、安倍総理は、北朝鮮代表団を率いて訪韓した金永南最高人民会議常任委員長に対して、『核、ミサイル、拉致問題を解決すべく金正恩委員長と話す用意がある』とラブコールを送りました。しかし齢90で貫禄十分の金永南委員長は、『拉致』という言葉を聞いたとたんに顔をこわばらせ、『そんなものは第一副部長同志に言ってくれ!』と一蹴したのです。

第一副部長同志とは、同行した金正恩委員長の妹・与正のことです。結局、与正第一副部長との面会もかなわず、失望した安倍総理は、予定を一日早めて平昌から帰国してしまいました」

その後、日本政府は、国交のない北朝鮮の大使館的役割を果たしている朝鮮総聯(在日本朝鮮人総聯合会)に、橋渡しを依頼した。

「だが、日本政府のメッセージが、朝鮮総聯から平壌の金正恩委員長にまできちんと伝わったかは不明で、うまくいかなかった」(同前)