トランプ大統領、ZTE事業再開へ協力表明 中国の雇用守るためと
ドナルド・トランプ米大統領は13日、米政府による制裁を受け事業停止した中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)の救済に協力する意向を明らかにした。
米商務省が先月、ZTEがイランや北朝鮮に不法に製品を出荷していたなどとして、米企業がZTEに部品を供給するのを7年間にわたり禁止する措置を発表した。ZTEは不法行為を認めている。
トランプ氏はツイッターへの投稿で、中国で余りに多くの雇用が失われる危険が生じているとして、ZTEが早期に事業を再開できるよう、中国の習近平国家主席と協力していると述べた。
米国では、中国が米国の雇用を奪っていると主張してきたトランプ大統領が姿勢を大きく転換させたと指摘する声が出ている。
ワシントンでは今週、米中のハイレベル通商協議が予定されており、貿易をめぐる両国間の対立の解決策が話し合われる見通し。
中国政府は、約8万人を雇用するZTEの問題の解決を、より幅広い米中貿易に関する合意に向けた要求の一つに上げている。
ZTEは昨年3月に、米国の経済制裁に違反する形で米企業の技術を使った製品をイランと北朝鮮に出荷していたと認め、11億ドル(約1200億円)の罰金処分を受けた。
しかし、経済制裁に違反する行為にかかわった社員の処分に関してZTEが虚偽の説明を米側にしたとされ、ZTEへの部品供給を禁止する現在の処分が決まった。
携帯電話や通信機器を製造するZTEは、自社製品に使用する全部品の少なくとも4分の1を米企業からの供給に頼る。ZTEが昨年、約200の米企業から輸入した額は、23億ドル以上に上った。
ZTEに部品を供給する米企業の一部を顧客に持つダグラス・ジェイコブソン弁護士は、「制裁や輸出規制の問題が地政学的なものに発展した興味深く異例な出来事だ」と語った。「これに関する法的な仕組みはない。今後どうなるかはまだ分からない。彼ら(ZTE)は単に、通常通りに事業を再開できるわけではない」。
(英語記事 Trump seeks to save Chinese jobs at ZTE ahead of trade talks)