今までニッカの銘柄をいろいろ飲んでいきましたが、1万円で買えるものとしてはこれが最後となります。
鶴17年です。
鶴17年は1976年に発売され、ニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝が最後に手掛けた銘柄です。
察しの良い方だと分かるかもしれませんが、そもそもの最初のボトルが登場した時点では、宮城峡蒸溜所が建設されたのが1969年でまだ17年熟成の原酒がないわけですから、モルト原酒としては余市しか使ってないということになります。
それ以降、常にニッカのブレンデッドのフラグシップとして君臨してきましたが、ネット時代の今においては、検索をかけても「竹鶴17年」が先にヒットしてしまうため、この鶴17年の存在を知らない人もいるかもしれません。
ただし、蒸留所の無料試飲コーナーで飲めましたから、それで覚えている人もいるでしょう。
ではまず、ストレートで飲んでみます。
グラスから香るのは、少々のエステリーさを持ちつつも、ウッディ、レーズン、ナシなどの様々な香りです。
口に含むと、意外なほどアルコールの刺激が強く、辛さがダイレクトにやってきます。
香りは、グラスから来るのと同じレーズン、ナシ、さらにはピートから来るスモーキーさ、レモンのような柑橘系の爽やかさがあります。
味わいは先ほどのアルコールの辛さと酸味が強く、ストレートで飲むにはつらさがあります。
一方でロックにしてみると、先ほどのアルコールの強烈な刺激はどこ吹く風、ドライフルーツや柑橘系の香りが目立ってきます。
味わいも酸味が程よく残り、アルコールからの辛さが消えています。
この香りや味の変化は、「ザ・ニッカ12年」に似ています。ストレートでは癖が強いけど、ロックや水割りでは程よくなるブレンドは、竹鶴翁が手掛けた鶴17年が先に実現させていたのでしょう。
そういう意味では、ザ・ニッカ12年は、鶴17年の後継にふさわしいかもしれません。
一方で、同じブレンデッドのサントリー響17年と比べると、ストレートでの強烈な辛さが同じなのは興味深いところです。
しかし、加水後の傾向は、鶴17年のほうが酸味が強く、余市モルトが織りなす癖とボディの強さを残している印象です。
本物のウイスキーにこだわった竹鶴政孝がたどり着いた先は、奇しくもサントリーが目指した、日本人がよく飲む水割りに最適なウイスキーだったというのは面白いところです。
むしろ彼の亡き後で登場した、シングルモルト余市や竹鶴ピュアモルトは、ストレートでもまろやかで飲みやすいものになっています。
このあたりは、日本人の嗜好の変化という点でも面白い題材になるでしょう。
700mL、アルコール度数は43度で、価格は9000円ほど(通販では倍以上のプレミアムがついている模様...。行きつけの薄野のお店に3つ在庫があったのは奇跡か?)。
一方、ガラスのボトルのほかに、白磁のボトルも同価格で販売しています。
残念なことに、2015年8月で、販売終了してしまいます。もしお店で見かけたときには、清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ってみるのも一興です。
<個人的評価>
・香り A: ストレートではアルコールの刺激が強いが、加水することで豊かな香りが広がる。
・味わい B: ストレートでは辛すぎる。ロック、水割りなどで、酸味の強い余市らしさを堪能できる。
・総評 A: 竹鶴政孝最後の作品として飲む価値はある。
鶴17年です。
察しの良い方だと分かるかもしれませんが、そもそもの最初のボトルが登場した時点では、宮城峡蒸溜所が建設されたのが1969年でまだ17年熟成の原酒がないわけですから、モルト原酒としては余市しか使ってないということになります。
それ以降、常にニッカのブレンデッドのフラグシップとして君臨してきましたが、ネット時代の今においては、検索をかけても「竹鶴17年」が先にヒットしてしまうため、この鶴17年の存在を知らない人もいるかもしれません。
ただし、蒸留所の無料試飲コーナーで飲めましたから、それで覚えている人もいるでしょう。
ではまず、ストレートで飲んでみます。
グラスから香るのは、少々のエステリーさを持ちつつも、ウッディ、レーズン、ナシなどの様々な香りです。
口に含むと、意外なほどアルコールの刺激が強く、辛さがダイレクトにやってきます。
香りは、グラスから来るのと同じレーズン、ナシ、さらにはピートから来るスモーキーさ、レモンのような柑橘系の爽やかさがあります。
味わいは先ほどのアルコールの辛さと酸味が強く、ストレートで飲むにはつらさがあります。
一方でロックにしてみると、先ほどのアルコールの強烈な刺激はどこ吹く風、ドライフルーツや柑橘系の香りが目立ってきます。
味わいも酸味が程よく残り、アルコールからの辛さが消えています。
この香りや味の変化は、「ザ・ニッカ12年」に似ています。ストレートでは癖が強いけど、ロックや水割りでは程よくなるブレンドは、竹鶴翁が手掛けた鶴17年が先に実現させていたのでしょう。
そういう意味では、ザ・ニッカ12年は、鶴17年の後継にふさわしいかもしれません。
一方で、同じブレンデッドのサントリー響17年と比べると、ストレートでの強烈な辛さが同じなのは興味深いところです。
しかし、加水後の傾向は、鶴17年のほうが酸味が強く、余市モルトが織りなす癖とボディの強さを残している印象です。
本物のウイスキーにこだわった竹鶴政孝がたどり着いた先は、奇しくもサントリーが目指した、日本人がよく飲む水割りに最適なウイスキーだったというのは面白いところです。
むしろ彼の亡き後で登場した、シングルモルト余市や竹鶴ピュアモルトは、ストレートでもまろやかで飲みやすいものになっています。
このあたりは、日本人の嗜好の変化という点でも面白い題材になるでしょう。
700mL、アルコール度数は43度で、価格は9000円ほど(通販では倍以上のプレミアムがついている模様...。行きつけの薄野のお店に3つ在庫があったのは奇跡か?)。
一方、ガラスのボトルのほかに、白磁のボトルも同価格で販売しています。
残念なことに、2015年8月で、販売終了してしまいます。もしお店で見かけたときには、清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ってみるのも一興です。
<個人的評価>
・香り A: ストレートではアルコールの刺激が強いが、加水することで豊かな香りが広がる。
・味わい B: ストレートでは辛すぎる。ロック、水割りなどで、酸味の強い余市らしさを堪能できる。
・総評 A: 竹鶴政孝最後の作品として飲む価値はある。
甘く芳しいフレッシュさを感じる、スムースな飲みやすさを実現。ニッカ ウイスキー 鶴 17年 43... |
コメント
コメント一覧
鶴ですね
試飲での辛いイメージが思い出されます。
もう、地元の酒屋にはありませんね。
ずっと、売れ残ってたのに。
余市終売と同じく転売屋ーかと。
今G&Gを飲みながら、古くからある銘柄は
残してほしいなーと、想うところでございます。
しばらくはこのレビューを見て、イメージで味わいます。
知名度が低いことは否定できませんが、ニッカの指名買いで、残っていた鶴が売れたとも考えられますね。
絶対的な原酒の残りが少なくなっている現状を考えると、17年物のウイスキーは出しにくくなりますね。
個人的には、ニッカがなくなったといってウイスキー熱がさめるようなことになってほしくない、スコッチやバーボンにも手を伸ばしてほしいと思います。
鶴17年になると、今後復活するかもわからないので、特に白磁のボトルにはプレミアがさらにつきそうな雰囲気です。
ウイスキー愛が乏しい人であれば、相場が上がった時にオークションで売ってしまえ、とでもアドバイスしちゃいますが、さすがにジョニ党さんには失礼ですね。
ハイニッカも1000円以上になるようですが
それはちょっと・・・
バランタイン飲みますわなそりゃ
鶴の事を色々なブログで調べていた時に、どこかのブログで現行鶴17年のマスターブレンダーは竹鶴威さんで、旧ボトルの鶴表記のみのマスターブレンダーが竹鶴政孝さんという話がありました。
もし旧ボトルを手に入れる機会がありましたら試してみてください!いつも楽しみにしています。
最近はウイスキー関連の批評サイトでは最上位なので凄いですね。
白磁のボトルで恰好いいです!
もう酒販店では見かけないですが、自腹で欲しい1本です。
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