出国禁止されたナジブ氏、1MDB巡るマレーシア国民の怒りに直面へ

  • マハティール首相、政府系ファンドの不正資金巡る捜査を再開
  • マハティール首相、ナジブ氏を無実とした司法長官を交代させる

マレーシアのナジブ前首相は、同国で最も権力ある人物として政府系ファンドの1MDBを巡る不正資金スキャンダルに関する情報への国民のアクセスを阻止しようと懸命に取り組んだ。しかし今後、興味をそそる詳細が判明してくるかもしれない。

  先の連邦下院選挙で勝利した92歳のマハティール首相は就任からわずか3日で、ナジブ氏の出国を禁止し、1MDBの不正資金疑惑捜査を再開すると発表した。マハティール氏はまた、ナジブ氏を無実とした司法長官を交代させ、1MDB関連の報告書を機密扱いの対象外とするよう指示した。

ナジブ前首相

フォトグラファー:Ore Huiying / Bloomberg

  ナジブ氏は2013年に行われた前回の選挙の前に個人口座で1MDBの資金とみられる約7億ドル(約765億円)を受領した疑惑が15年に発覚後、不正を否定し中傷する人々に激しく反撃。司法長官を解任し、自身に逆らう4閣僚を追放。名誉毀損で訴訟を起こし、批判的なニュースのウェブサイトを閉鎖していた。

  捜査再開は世界中に波紋を広げそうだ。多数の国で調査が進行しており、米当局はスイスやシンガポールなどの不正なペーパーカンパニーや不透明な取引を通じて45億ドル余りを1MDB関係者が資金洗浄したと主張している。

  マハティール氏は12日、新たな捜査が「できる限り早急に」決着することを求めると述べ、「米国やスイス、シンガポールと連絡を取る必要がある」と付け加えた。

  16年当時の司法長官は、ナジブ氏が個人口座で受容した資金はサウジ王室関係者からの「個人献金」で、その大半は返却されたとして、同氏を無罪放免とした。サウジは資金の目的を説明せず、「純粋な献金」だとの見解を示していた。

マハティール首相

フォトグラファー:Ore Huiying / Bloomberg

原題:Barred From Travel, Najib Faces Malaysia Wrath Over 1MDB Secrets(抜粋)

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