『長々とのびる前線が南下するときに晴れ間が出ると、かなり高温になることがある』
今週は暑い!水曜(16日)の予想最高気温をみると、30℃超えのところも。木曜は晴れれば、これ以上に気温が上がる可能性あり。
1週間の天気予報を振り返って当たったかどうかを検証する週1連載。
勝敗とその理由を振り返ります。はたして今週の成績はどうだったのか。 (本連載は振り返りが中心で、詳しい予報は行っていません。予報が見たいかたはウェザーマップなどの専門サイトをどうぞ)
1977年滋賀生まれ。お天気キャスター。的中率、夢の9割をめざす気象予報士です。 好きな言葉は「予報当たりましたね」。株式会社ウェザーマップ所属。
ツイッターでも気象情報やってます。
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天気は当てたんですが、気温が…先週前半は、東京も梅雨のリハーサル第一弾のような天気。雨の日がつづくなか、そこそこ良い感じの予報で切り抜けた。
木曜(10日)は雷雨になったが、雨のタイミングも雷が鳴ることも予報はバッチリ当たり! おっしゃーと心の中で当たりを喜んだものの、気温が……。 20℃近くまで上がることを、天気予報でも強気で連呼していたのに、気温はぜんぜん上がらず。雨が降っている間は寒いくらい。 気温が上がらないことなんて想像すらしてなくて、自分も薄着で外出。「予報士でも服装を間違えることがあるんです」と、自虐ネタにするしかない一日に…。 天気は当たったんですが、気温的にも、ハズした予報士の気持ち的にも、あまりにお寒い日だったので、心情的に○にするわけにいかず…。木曜は、△にさせていただきます。 木曜に寒い思いをしたかた、ごめんなさい! ぼくも寒かったので、ゆるして!
【今週のみこみ】今週の“ここ最高”は「木の下」今年は春以降、とにかく季節の進みが早い。
今週も、季節さきどりの気温に。週前半は、晴れるところが多く、連日の日差しによって、どんどん気温は上がる。 九州~東北南部では、内陸などで30℃を超えるところもありそうだ。 暑さをさけて日かげへ…そんなときは、緑が生い茂ってきた木の下がおすすめ。この時季は、夏とちがって、湿度が低いので、吹き抜けていく風が最高に気持ちいい。 目に見えない風を、葉っぱが揺らされることで可視化してくれる木の下は、いっそう涼しく感じるはずだ。ちなみに、夏の風鈴も、風を音で可視化して涼もうとした昔の人の知恵と言われる。 木曜はこんな感じで雲が広がる予測が出ているが、うすーい雲なら、おかまいなしに気温は上昇。
気温が最も上がる可能性があるのが、木曜(17日)。この日まで晴れれば、東京でも30℃を超える可能性があり、内陸はさらに高温に。
ただ、雲が広がってくれば、気温はそこまで上がらず。どれくらい暑くなるか、カギをにぎる雲。結果は来週! 今週の格言
『暑さをやわらげるには視覚もポイント。可視化された風は、体感温度を下げてくれる(はず)』 TEN-DOKU前回(4/30)の出題は、「この天気図のときに起こったことはどれでしょう?」でした。
選択肢はこの4つ。
1)北海道で気温が35℃を超えた所があった 2)関東で気温が35℃を超えた所があった 3)東海で湿度が5%を下回った所があった 4)沖縄で湿度が5%を下回った所があった 2004年5月31日。気象庁天気図。
正解は「2)関東で気温が35℃を超えた所があった」でした。
この日は、晴れ間が出て、5月なのに埼玉県の熊谷で35℃を超えたんですね。夜勤明けの予報当番で、思いっきり予報をはずしたので、今でも覚えています。 ざっくり言うと、前線の南側には、気温が高く、湿度が高い空気があります。 さらに、今回の問題のような長々とのびる前線が南下するときは、ブルドーザーが土を押して進むように、前線が高温多湿の空気を押して南へ進み、前線のすぐ南に高温多湿の空気がたまるんですね。それで晴れ間が出ると、気温はグンと上昇。初夏でも、内陸などで35℃を超えることがあるんです。 今回の問題では、前線の雨雲が、関東の北部や西部の山地でブロックされて晴れたため、気温が上がりました。 ちなみにですが、沖縄は海に囲まれているので、最小湿度が5%を下回ったことはありません。 「前線や低気圧の南で寒冷前線の通過前は気温が上昇するため、関東地方では暑くなり特に内陸部では35度を超える暑さとなったと考えたので、2番。(トムさん)」 そうなんです! 「低気圧が南の暖かい空気を引き込んで前線の南側は気温が上がったのかな。答えは2で。(あるふぁさん)」 そう、南側は気温が高いんです。 「答えは2ですかね。高気圧の縁を回って、南西から北の低気圧に向かって湿った暖かい風が吹き上げます。その風が関東の西の山々を越える時にフェーン現象が起き、暑い空気が関東平野に流れ込んで、季節外れの暑さになった、でしょうか。(あきやんさん)」 詳しい解説、いいですね! 正解です! 「2番にします。寒冷前線接近時、関東では南西フェーンになる場で、それにより群馬県か埼玉県の一部で猛暑日になったところがあった。と考えました。(金星さん)」 県名まで、バッチリです! 「先日は早速のお返事ありがとうございました! 早速廊下の掲示板に貼ったところ、一部に大盛況です。(ぱすかるさん)」 おぉ、さっそく中学校の掲示板にTEN-DOKUの問題をはっていただいたんですね!ありがとうございます! 今週の定石はこちら。 今週の定石
『長々とのびる前線が南下するときに晴れ間が出ると、かなり高温になることがある』
今回、正解したみなさんはこちら。
jacksakuraさん、かまきりさん、おにくさん、あるふぁさん、天気オタクさん、雄大積雲さん、あきやんさん、金星さん、ベルヌーイさん、シアーライン。さん、イシロさん、tosi-sさん、せうしらふさん、ニノさま、おさかなマイスターさん、トムさん、syamu_weatherさん、ぱすかるさん、naraoさん、メロポンさん、ゆりまりさん。 ここ最近では、正答率が低い問題でした。ちょっと、むずかしかったでしょうか。正解したみなさん、おめでとうございます! 今週の問題はこちら。 今週の問題この日は東京で雹(ひょう)が降りました。その日の天気図はどれでしょう?
<答えはこの4つのどれかです>1)
2)
3)
4)
(ヒント)
・まずはノーヒントでいってみましょう!
解答はこちらから↓
理由などとともにお願いします。
正解は再来週(5/28)に! 編集部より:増田さんへの質問を募集しています。投稿はこちら。
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