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【大相撲】

白鵬、らしさ全開!白星スタート 張り差し解禁

2018年5月14日 紙面から

2020年東京五輪をモチーフにした浴衣を着て、手で「20」を作る白鵬(手前)ら=両国国技館で(七森祐也撮影)

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◇夏場所<初日>

(13日・両国国技館)

 上位陣は安泰だった。2場所連続休場からの復活を目指す横綱白鵬(33)=宮城野=は激しい攻めで平幕玉鷲を押し出し、初の2場所連続優勝を狙う横綱鶴竜(32)=井筒=は危なげない内容で新小結遠藤を引き落とした。大関とりの関脇栃ノ心(30)=春日野=も平幕松鳳山を力強く寄り切った。

 夏男の白鵬が休場明けをものともせず、“らしさ全開”の白星スタートを切った。

 過去10戦全勝の玉鷲が相手。とはいえ、今まで経験のない2場所連続休場明けの大事な初日。勝負に徹した。

 横審の批判を受け初場所は封印していた立ち合いの張り差しを解禁。組み止められず、突き合いから両者の動きが止まる場面もあったが、「多少間があったけどね。間があっても前に出た。前に出られたから、いい相撲が取れた」と土俵下まで押し出す内容を満足そうに振り返った。

 これまで休場は8場所あるが、ないのは夏場所だけ。「たまたまじゃないかな」と言うものの初優勝も夏、横綱昇進を決めたのも夏、昨年まで2年連続で全勝優勝も飾っている。復活の条件はそろっている。それだけに「攻めすぎず、守りすぎず」。平常心を保てれば結果はついてくるだろう。

 父への手向けの場所でもある。先月9日に父・ムンフバトさんを亡くした。来日するまで母と3人で川の字で寝ていた甘えん坊だった。葬儀に参列するためモンゴルへ向かう機内で「夢に出てきた」という。

 だが、葬儀を終えてから不思議と「夢で見てない」。母・タミルさんから「あなたがちゃんと送ったから、そっとしてくれていると言われた。うれしい言葉でした。親孝行したというのかな」と話す。

 “らしさ”は今年の浴衣にも表れていた。赤地に白い綱でデザインされた五輪マーク。その下に2020。この時期に非売品として個人で浴衣地をつくり、関係者に配るのが恒例。東京五輪まで現役を目標に定めている横綱は「常に目の前にあれば、自然に意識していくんじゃないかな」と意図を説明し、「みんな欲しがるかな」と例年より200反増やし1000反用意したという。

 あと2年。この場所での復活で再び流れを呼び寄せる。(岸本隆)

 

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