ごはんがすすむ、あまから味のおかずスープ

たっぷりの新たまねぎをひき肉と煮込んだあまから味のスープです。今が旬の新玉ねぎは、甘さもあり、やさしくみずみずしい味わい。出回っている今のうちにぜひお試しください。
スープ作家の有賀薫さんのスープレッスン。新刊『帰り遅いけどこんなスープなら作れそう』も大好評発売中です。

新たまねぎの甘さを生かして

やわらかくて甘くて、ごはんが欲しくなる新たまねぎのスープです。今の時季だけの新たまねぎは火の通りも早いから、大ぶりに切ってスープで煮るのにぴったり。醤油とちょっぴりの砂糖で味つけしたひき肉と煮込んで、肉のうまみをたまねぎにまとわせます。

コンソメ煮やだしではなく、ひき肉のだしを吸ったたまねぎは、食べ応えもしっかりあって満足感もじゅうぶん。小さなお子さんから大人まで楽しめる一皿です。出回っている今のうちに、ぜひお試しください。


新たまそぼろ煮スープ

材料(2人分) 所要時間約20分

新たまねぎ 2個
豚ひき肉 100g
醤油 大さじ2~3
砂糖 大さじ1
水 600mL
黒胡椒 少々

作り方

1.たまねぎを切る
たまねぎは皮をむき、6つ割りにする。★1

2.そぼろを煮る
ひき肉に醤油大さじ2と砂糖大さじ1、水100mLを混ぜ、中火の鍋で3分ほど煮る。★2

3.たまねぎを加えて煮込む
水500mLと切ったたまねぎを加えて強火にする。沸騰したら中火にして、アクをすくいながら10分ほど煮込む。たまねぎがやわらかくなったら味を見て、醤油でととのえる。器に盛りつけ、黒胡椒を振る。★3


レシピのポイント解説

・新たまねぎについて
・そぼろの作り方
・味つけについて

★1. 新たまねぎについて

たまねぎは、新たまねぎを選びます。皮が白っぽく、丸いものや平べったいものがあり、店頭でちゃんと「新たまねぎ」と表記されています。

本来、たまねぎは秋から冬にかけてが旬で、収穫後1カ月ほど乾燥してから出荷しています。それに対して3~5月頃にだけ出回る新たまねぎは収穫したものをそのまま店頭に並べてあり、フレッシュで水分が多いのが特長です。皮が薄くてたまねぎ特有の辛みやにおいも少なく、肉質がやわらかいため、生でそのまま食べられますし、火を通しても早く煮えます。


左が通常のたまねぎ、右が新たまねぎ。新たまねぎは貯蔵性は低いので買って来たらなるべく早く食べる

新たまねぎの上下を切りおとして皮をむいたら、6つ割りにします。


大きいたまねぎなら8つ割りでも

★2.そぼろの作り方

細かくて口当たりのいいそぼろを作るには、最初に水分を混ぜて、ひき肉を溶いてしまうのがポイントです。

これをせず、いきなり熱い油や煮汁に入れると、ひき肉がくっついて均等にばらけず、ダマダマになってしまいます。別のボウルや容器を使うのがめんどうな方は、鍋にいきなり入れて混ぜても構いません。


まず水100mLを入れて混ぜる


砂糖大さじ1と醤油大さじ2を加えて混ぜてしまう

このドロドロになったものを鍋に入れて火にかけ、煮詰めていくと肉そぼろができます。


火加減は中火で

肉だけ先に煮るのは、肉のだしを水に移すことが目的です。このまま水を煮切れば、ごはんにかけてもおいしい肉そぼろですが、今日はスープにするので、さっと火がとおれば大丈夫。


アクが気になる場合はすくう

★3. 味つけについて

ひき肉が煮えたら、そこに水500mLを足し、たまねぎを加えてやわらかくなるまで煮ていきます。約10分で煮えます。トロトロのやわらかさがお好みであれば、もう少し煮込みましょう。


新たまねぎは10分ほどでやわらかくなる

たまねぎが煮えたら、スープの味を見てみましょう。最初に入れた調味料だけでは、少し薄いと思います。醤油を大さじ1ぐらいまで少しずつ足しながら、味を決めましょう。

やさしい甘さが特長のスープですが、新たまねぎが手に入らず普通のたまねぎで作るときには、煮込み時間をやや長めにとります。

新たまねぎならではのおいしさを味わって

たまねぎは一年じゅう出回っており、ふだん旬を感じることのない野菜ですが、新たまねぎは短い時期しか食べることができないもの。クセがなく、やさしいみずみずしい味わいは、通常のたまねぎにはないものです。

生食にも向いているためサラダで使われることも多いのですが、トロトロに煮えた新たまねぎの食感はとても魅力的で、ぜひやっていただきたいスープです。比較的安価で、日々のお惣菜にも取り入れやすいと思います。

【アレンジ】形を変えればまた違ったおいしさに

たまねぎは、繊維に沿って(縦に)切るのと、繊維に垂直に(横に)切るのでは味が変わります。スープでもかなり食感が変わりますので試してみてください。まるごと煮るというのもひとつの選択です。

スライスたまねぎと鶏ひき肉のスープ

くたくたになったたまねぎがおいしい薄切りのスープです。縦半分に切ってから、輪切りにするように切ったたまねぎを使って、同じように作ります。たまねぎが薄い分、基本のレシピよりももっと早く煮えます。

まるごとたまねぎのスープ


切らずに、丸ごとのたまねぎを使いましょう。なるべくサイズの合った鍋を使い、たまねぎが肩までスープに浸かるようにします。量が足りない場合は水を足して煮詰めていきます。クッキングペーパーやアルミホイルで落し蓋をすると均等に火が通ります。たまねぎに味が絡みやすいよう、スープに水どき片栗粉でとろみをつけてあります。

この連載について

初回を読む
スープ・レッスン

有賀薫

野菜、お好きですか? おいしい旬の野菜を手に入れたら、ぜひシンプルなスープで味わってみてください。旬の野菜をたっぷり食べる、究極のベーシック・スープをスープ作家の有賀薫さんが教えててくれます。

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

ktos_tw 家の滅びかけ新玉ねぎで作ってみました マァおいしい…!新玉ねぎまた買ってこなきゃ…!(そしてまた足のはやい新玉ねぎを追いかける暮らし) 15分前 replyretweetfavorite

miraclemancar そぼろは先に水でバラバラにすれば良いのか。 約2時間前 replyretweetfavorite

coppe_coppee よーし今夜のスープはコレだ! どうせ量ほとんど入らないんだから、満足度の高そうなやつがいい✨ 約2時間前 replyretweetfavorite

chiruko_t ひき肉買ってこよう(`・ω・´)  約2時間前 replyretweetfavorite