信販会社のコールセンターでキャッシングの督促業務を担っていた榎本まみさんは、“逆ギレ”する客の怒りを鎮め、返済を促すプロだ。だが、もともと内気で話し下手。新人の頃は、何気ない応対が客の怒りを増幅させたという。
客から怒号を浴びる日々が続き、「このままでは自分が病んでしまう」と危機感を覚えた榎本さんは、それまで通り一遍だった「聞き方」を、相手を“誘導”するための手段として捉え直すことに。その結果、回収できる確率が大幅に上がり、年間2000億円もの回収に成功するようになった。
榎本さんが、逆ギレする人を“動かす”ために意識しているのは、「聞き方の工夫で怒りを鎮める」→「効果的な質問で相手を動かす」という2つのステップだ。
「怒りを鎮める」ポイントは大きく5つ(次ページの囲み参照)。1つ目は「相づちのバリエーションで、聞く姿勢と共感をアピールすること」だ。
「はい」「すみません」をおざなりに繰り返すだけでは、相手をイラつかせ、さらに怒りを増幅させかねない。「確かにその通りです」「お気持ち分かります」などと相づちのフレーズを複数用意し、共感しながら聞けば、相手が「親身に話を聞いてくれている」と感じ、警戒心が薄れる場合が多いという。
榎本氏のやり方はとても素晴らしいと思います。
ただ同時に思ったのは、話し方一つで2000億回収できるという事は、滞納している側は金がないわけではないのですね。金があるならさっさと返せばいいものを、ずいぶん意地汚い人たちがいるものだと感じました。(2018/05/14 04:53)