ほぼ感覚だけで岐阜ことばを操る永野芽郁に驚きと脱力感… 尾関伸次(岐阜ことば指導/高校教師・山田先生役)【「半分、青い。」インタビュー】

2018年4月27日 / 08:35

-だとすると、永野さんはどうやって覚えているのでしょうか。

 僕は撮影がないときも、前室などでは岐阜ことばでしゃべっているので、そこから吸収しつつ、普段の会話の中では、アクセントが間違っていても、とにかく出力しようとしています。びっくりしたのは、台本にはないけど、つなぎで必要なアドリブみたいなせりふに関してで、律くんは毎回相談に来るけど、鈴愛ちゃんは勝手に言っていることが合っていたりするんですよ。だからこそ、(律は)ちゃんと音源を聞いて完璧に表現してくれている、いい生徒だと思っていたんです。そういう意味では鈴愛ちゃんはすごいですよね。大物が現れたな…という感じです。

-永野さんは普段の会話にも岐阜ことばが出るとおっしゃっていましたが、佐藤さんはいかがですか。

 「仕事以外は使いません」みたいなスタンスでいますけど、ぽろっと出ていることはありますよ。「よしよし」と思いますね(笑)。

-逆に、苦戦している人はいますか。

 名古屋弁に近い部分もあるので、名古屋出身の宇太郎(滝藤賢一)さんは、微妙なアクセントの違いに苦労されています。あとは、字で見ると関西弁っぽいので、そっちのイントネーションに流されてしまう方もいます。

-「あまちゃん」の「じぇじぇじぇ」のように、今後、はやることを期待している方言はありますか。

 北川さんがよく書かれている「やってまった(やってしまった)」もそうですけど、「ほやらぁ(でしょ)」は女の子が言うとかわいいので使ってほしいです。地元にいた頃はこういう言葉がかわいいと思ったことはなかったけど、鈴愛ちゃんや菜生(奈緒)ちゃんがアドリブで好んで使ってくれているということは、女の子にはなじみやすいのかも知れないですしね。

-尾関さんは数々の映画やドラマでも活躍されていますが、本作での経験が今後の役者人生に変化をもたらしそうですか。

 同じ作品に1年間も関わることは初めてだし、その中で一流の役者陣から吸収した、役に対する考え方やアプローチの仕方は、今後必ず役に立つと思います。スタッフさんたちのご苦労も身に沁みて体験出来ていますし(笑)、一生の宝物になるとても貴重な時間と出会いを頂いていると思い感謝しています。

(取材・文/錦怜那)

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