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AIの搭載でBIが賢く便利に(上)
2018/05/14
機械学習を活用したデータ分析の恩恵にあやかりたいと考えている企業各社は、少々意外な旧知の助っ人に目を向けつつある。ビジネスインテリジェンス(BI)システムだ。BIシステムというと、これまでは主に過去の実績の分析を担ってきたが、今や人工知能(AI)を取り入れて、予測機能を搭載したレポート能力を備えつつある。
AIをBIに取り入れた企業の一例が、米ヘルスケア事業者のSymphony Post Acute Networkだ。イリノイ州、インディアナ州、ウィスコンシン州で28の施設を運営し、その総床数が5000床に及ぶ同社は、ひざ手術などの術後のリハビリ患者や、透析治療を受けている患者など、年間最大8万人に対してケアを提供している。そして、そのケアを向上するために、AIや機械学習を活用したいと考えていた。例えば、患者の医療データの重要部分を掘り下げることによって、危険な転倒のリスクが大きいかどうかのサインを探り、特別な用心が必要な患者を識別するといった活用法だ。
こうしたサインは、個別のデータ要素から得られるのかもしれないし、データの微妙なパターンから得られるのかもしれない。機械学習で見つけ出すのにうってつけだ。しかし、モデルの構築は簡単な作業ではない。
Symphonyでデータサイエンスとアナリティクスを担当するNathan Patrick Taylorディレクターは次のように言う。「私のもとには、予測についての質問が次から次へと寄せられていた。仮に私が機械学習モデルの構築に明け暮れたとしても、すべての質問に対処することは絶対に無理だ」
そのため同社は、データサイエンティストを新たに2人採用した。「安い支出ではない。だがそれでも、必要なリターンは得られなかった。非常に難しく、費用もかさんだ」
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