『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』2人の少年が作った「リメイク版レイダース!」から見える「レイダース」の本質とは
2018.05.11
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『レイダース』を完全リメイクした奇跡の作品
多作で知られるスティーブン・スピルバーグだが、中でも『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』を最高傑作と推す声は根強い。そんな『レイダース』を忠実にリメイクした幻の作品が存在することをあなたはご存じだろうか。その作品は『レイダース』の合わせ鏡として見ることで、同作の魅力とスピルバーグの精神を再発見できる、そんな素晴らしく熱い作品なのだ。
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2002年、アメリカの映画マニアが集まる小さな映画祭で『Raiders Of The Lost Ark: The Adaptation』と題された作品が上映された。荒いビデオ画像のチープな自主映画だったが、上映が始まると映画ファン達は釘づけになった。なんとその作品は『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』をカット割りから何から何まで細部にわたって完全に再現していたのだ。役者は子供、セットも特殊効果も素人丸出しだったが、観客たちは拍手喝采!時間の関係によって途中で上映が打ち切られるとブーイングが起こったという。
この作品を作ったのは、クリス・ストロンポロスとエリック・ザラという二人の少年だった。彼らは11歳の時に劇場で見た『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』に心を奪われ、家庭用ビデオカメラでリメイクを決意。7年という歳月をかけ、映画を完全再現してしまったのだ。この作品は『 ホステル』などで知られる監督イーライ・ロスによって前述の映画祭に持ち込まれ一躍世間に知られるようになった。そしてリメイク版の7年にも及ぶ制作過程はドキュメンタリー映画『 レイダース!』(2015)として紹介された。
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