家族との関係性やカミングアウト、避けては通れないテーマも描く
そんな発想に“おっさん”が入ってくるまでには、どんな経緯があったのだろうか。
「職場ですごく尊敬している理想の上司から告白されたら、大好きだからこそ困るだろうなぁと。ライクなのかラブなのか、いやそもそもそういう問題なのか?とか。吉田鋼太郎さんとはAP時代『刑事七人』で初めてご一緒したのですが、色気もあって男性としてとても魅力的なのに、どこか可愛らしい部分が潜んでいて。この方に乙女心を持ったカッコいい上司を演じていただいたら、きっと愛されるヒロインになるのではないかと思いつきました」
「連ドラ化にあたり、もう一度ストーリーを一から作り直すことになりました。春田と黒澤は以前と変わらないキャラクターですが、黒澤には大塚さん演じる妻がいて、熟年離婚を切り出したときに、夫婦として、家族として、どう受け止めるのかというストーリーが加わります。前回、落合モトキさんが演じた長谷川と春田のお話は完結してしまっているので、新しい恋を生み出す必要があると思いました。林さんが演じる“ドSな後輩”の牧凌太は、子どもの頃からゲイという役なので、そのバックボーンや、彼の家族との関係性なども連ドラでは描いていきたい。また、黒澤も牧も「男性が好き」ということを周囲には言っていないのですが、同じ職場で男同士で恋をしている彼らにとって、避けては通れないテーマだなと思い、『Can you“Coming Out”?』という回を設けています。それを知られるのは恥ずかしいことなのか、人を好きになることは誰かに批判されることなのか、などきちんと描くつもりです」
観終わったときには「月9だった」と思ってもらえる
「男女ともに働く時代に、価値観のすれ違いや、そこから生じる恋愛関係のもつれはどこにでもあるもの。今作は、そういった同世代の女性も共感できるポイントがたくさんある、ふつうの恋愛ドラマなんです。最初の企画意図にも結婚できない男女の今を切り取りたいという気持ちが第一にありました。なので、男性同士の恋というところでの社会的なメッセージを声高に伝えようとしているわけではありません。視聴者の方には、おっさんのラブコメがおもしろそうとか、どんな恋愛をするのか気になるといった入口でもいいんです。気楽に観ていただいて、笑ったり切なくなったり、「自分も恋したいな」と思ってもらえたらうれしいです。きっと観終わったときには、「月9の恋愛ドラマだった」と思っていただけると思います(笑)。そして、ダメ男・春田がいったい何を選ぶのか、ドキドキしながら見守っていただきたいです。今、ドラマの観方って変わってきているとは言われていますが、楽しんで元気になりたくて観ている人はまだまだ多いはず。それを信じて、“ふつうの恋愛ドラマ”を作っています」
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』
キャスト:田中圭、林遣都、内田理央、大塚寧々、眞島秀和、吉田鋼太郎ほか
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove/(外部サイト)
(C)テレビ朝日
最新号コンフィデンス2018年5月14日号
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