5月6日(日)に「日本大学と関西学院大学によるアメリカンフットボールの定期戦」が行われ、日大の選手から悪質なタックルを受けた関学の QB が負傷するという問題が起きました。
日本大学が所属する関東学生連盟は「お咎めなし」の方針でしたが、プレーの悪質さがネットで炎上すると、方針を転換。10日に処分を発表するという “雑な仕事” をしているのです。
この点についても、大きな問題と言えるでしょう。
日本大学の LB 宮川泰介選手が行った悪質タックル
どのようなプレーだったかは映像で残っていますので、個々が判断を下せば良いことです。
関学との定期戦で日大の宮川選手(赤・91番)はパスを投げ終えた相手 QB (青・7番)に背後からタックルを敢行しているのです。
相手 QB がパスを投げたことは見えているはずです。見えていないのであれば、選手として致命的でしょう。「クオーターバック・サック」と呼ぶには無理がある時間が経過しているのですから、選手を傷つけることを意図した悪質極まりないタックルと言えるでしょう。
日大は内田正人監督および宮川泰介選手の厳重処分が不可避
日本大学ですが、アメフト部を率いる内田正人監督は悪質タックルに対し、次のように発言しています。
内田監督は「うちはこんなもの。今はリーグ5、6位の実力で連覇はきつい。トップと思わず、下から上がっていくだけ」と敗戦にも納得していた。
最初の守備でDL宮川が、不必要なラフプレーの反則を連発した。さらにプレー後に相手を殴って、資格没収=退場となった。「力がないから、厳しくプレシャーをかけている。待ちでなく、攻めて戦わないと。選手も必死。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」と独自の持論を展開した。
「厳しいプレッシャー」と「相手選手を負傷させるレイトタックル」は別物です。
内田監督は悪質なレイトタックルを敢行した宮川選手を叱責するのではなく、サイドラインに下がった際に、労うかのような態度で接しています。この姿勢は大いに問題視されるべきものでしょう。
なぜなら、選手が暴走して悪質なレイトタックルをしたのではなく、監督が「相手 QB を負傷退場させるぐらいの激しいプレーをやれ」と言って送り出している可能性が高いからです。
公式規則(PDF)に「スポーツマンシップについて」という項目があることは当然知っているはずです。それができていないのですから、厳しい処分を科さなければならないことと言えるでしょう。
関東学生連盟を含めた厳罰が必要
日本大学の宮川泰介選手が行った悪質タックル問題については関東学連を含めた処分が必要です。
- 宮川泰介(選手):対外試合禁止1年
- 内田正人(監督):指導禁止2年
- 関東学連:処分判断の遅れによる担当者および役員への処分
最低でも上記の処分内容でしょう。もし、監督がラフプレーが指示していたのなら、内田正人氏には永久追放処分を下さなければなりません。この場合に限り、宮川選手の処分は対外試合禁止 3〜6 ヶ月になるべきものだからです。
また、「審判が試合中に反則を取ったから追加処分を不要」などと無責任な立場を採っていた関東学連も処罰を受けなければなりません。それほど重大な問題が起きてしまったからです。
今後の注目点は「日本代表に選ばれている宮川泰介選手をどの社会人チームが獲得するか」という点でしょう。
スポーツマンシップを無視したプレーを平気で行った “札付き” の選手なのです。内田正人監督が「私が宮川に悪質タックルを指示しました。有望な選手のキャリアを潰さないで下さい。責任を取って私は引退します」と涙ながらに謝罪をすれば、許されるかもしれません。
いずれにせよ、「逃げ続けることは逆効果になる」と自覚する必要があります。宮川選手を “生贄” にすることで、内田監督は保身を図ることはできるのです。
日大がこの問題に対し、どのような処分を下すのかに注目と言えるのではないでしょうか。