来たぜ!
早速聴く。
これはいい。
『英雄』の決定盤じゃなかろうか?
まず、音がいい。
音場が実に広い。
実演はこうだったよなぁ、と思い出が蘇る。
演奏も、新日本フィルが良くやる、とにかくしっかり合わせなきゃ!という硬さがない。
実に朗々と、豊かな響きを醸し出している。
こうなると大フィルはもう敵わない。
だからと言って細部が疎かな訳ではない。実に完璧。
テクスチュアも明朗。
しかし、とにかく細かいこと抜きで、響きが素晴らしいのだ。
これが朝比奈が辿り着いた「ブルックナー的」ベートーヴェン解釈と言える。
それがフィナーレでは打って変わって、非常に大胆さが目立つ。
粗ではないのだが、極度にエモーショナルな表現になる。
これも実に面白いところだ。
響きの豊かさと傷のなさでは、この盤がベストだろう。
買っておいて良かった!
この全集は期待するしかない。