ハリルホジッチの協会提訴、腐ったリンゴとミカン同士の癒着を暴けるか
ハリルホジッチの解任劇以来、協会に呆れ返って代表に関する話題からは意図的に気持ちを切り離していましたが、以前から噂に上がっていたハリルホジッチによる協会への提訴が報じられましたね。
<サッカー>ハリル氏、協会提訴へ 名誉回復求め(毎日新聞) – Yahoo!ニュース
「選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れたこと」を主な解任理由に挙げた事が事実と異なるため、名誉毀損(きそん)での謝罪と、裁判を通して解任理由を知ることが目的である事、田嶋会長が解任動議を理事会に諮らなかった事を問題しているようですね。
そもそも、信頼関係が薄れた事については、その後の選手談話などで正しい状況が明らかになりつつあります。槙野を初めとして、吉田や酒井宏樹、長友ら守備陣はハリルホジッチに対して肯定的な意見を述べており、明らかに支持派と言えるでしょう。
攻撃的な選手である原口や大迫らは、ハリルホジッチが指示したロングボールに異を唱えたとされていますが、それは指示を聞き過ぎて何でもかんでも蹴ってしまう主に国内組に対しての違和感であって、監督に対する否定ではありませんでした。そもそも、彼らは所属クラブで嫌ほど縦ポンサッカーをさせられているので、良い縦ポンと悪い縦ポンの違いは分かっているはずです。
サッカーダイジェストの最新号に柴崎のインタビューがあり、「日本にいる時はハリルホジッチが言っている事が理解出来なかったが、スペインに来てこういう事かと分かった」と書いてありましたが、国内組に関してはハリルホジッチの指導に対して違和感を持っていた可能性は高いです。とは言え、彼らが解任に与えた影響は限定的でしょう。
はっきりとハリルホジッチに反旗を翻していたのは、おそらく本田、香川、岡崎といったザックジャパン時代のレギュラー攻撃陣。彼らはブラジルW杯で失敗した分、今大会では自らの攻撃でリベンジしたいという欲求が非常に強いのでしょう。本田の腰巾着ライターで知られる木崎サンも、選手との「相性の悪さ」を嘆いておられましたね。
ハリル監督が戦術や指導ノウハウにこれ程乏しくなかったら、ここまでサッカー界が支持派と反対派、それに付随した派に分かれるなかっただろう。それが悲しく、虚しい。全ては監督との相性の悪さから不幸な話が始まっている。オファーを出す前に詳細な検査ができていれば、、、
— 木崎伸也 (@skizaki) 2018年5月2日
木崎サンの書き方では、いかにも日本サッカー全体と相性が悪いような印象操作で書かれていますが、明らかに某選手に限っての相性ですよね~。
ツイートの返信で、ハリルホジッチに代わって会長が任命した西野監督は、ハリルホジッチよりも戦術や指導ノウハウがあると思いますか?と質問してみたのですが、当然返事は返ってきませんでした(笑)。
プライドの高いベテラン選手がチームに与える影響については、オシムが昨日のインタビュー記事で「腐ったリンゴ」と見事に看破していますね。かつて協会を「腐ったミカン」と称したのはネルシーニョでしたが、今の代表はさながら腐ったリンゴとミカンの共演というところでしょうか(苦笑)。
オシムが語るハリル解任「腐ったリンゴの排除か、監督交代しかない」|サッカー代表|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva
90年のイタリア大会で、世論が望むファンタジスタをわざと3人起用して初戦に負け、その後は自分のやりたいメンバーでベスト8まで勝ち上がったオシムがハリルホジッチの立場だったら、おそらくさっさと本田と香川を代表から排除していたでしょう。
そこはハリルホジッチというかフランス人に良くある性癖で、トルシエがケンカしまくった松田をかわいがっていたように、いくら対立してもそれは単なる議論のすり合わせであり、議論を経ることで深いリスペクトが成立するはずと鷹揚に構えてしまったんでしょうね。残念ながら日本人はそこまでドライじゃないんですな。
オーストラリア戦で出番が無くて悔しがった事に危険を感じ取り、その後は招集せずにマリ戦でベストメンバーに近い形できっちり勝っていれば、スポンサー筋を諦めさせて世論も味方に付ける事が出来たかもしれません。しかし選考を最後まで引っ張った事で、既にワールドカップに向けた多くのスタービジネスが動き出し、後戻り出来なくなっていた会長のパニックを引き起こしてしまった。
ハリルホジッチが、オシムの半分ほどでも政治に対する感度を持っていたら解任を切り抜けられたはずで、その点はハリルホジッチの落ち度、ミスだったと言えるでしょう。覆水盆に返らずではありますが、今回の裁判で少しでも真実が明らかになり、協会の膿を絞り出す結果になる事を期待したいです。
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2018/05/12 | 日本代表
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