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【大相撲】

北の富士さん、稀勢に辛口エール 「バカになって稽古して乗り切れ」

2018年5月12日 紙面から

 日本相撲協会は11日、大相撲夏場所(13日初日)の取組編成会議を開き、初日と2日目の幕内取組などを決めた。自身初の連覇を目指す鶴竜は新小結の遠藤、玉鷲の順で挑戦を受ける。2場所連続休場からの再起を期す白鵬は初日に玉鷲、2日目に御嶽海と対戦。大関とりに挑む栃ノ心は松鳳山、阿炎の順で顔を合わせる。稀勢の里、高安の2人が初日から休場となった。

 13日から夏場所が始まる。そこで一句。

 夏柳 おい舞の海 初日だぞ

 どうです。初日の緊張感が出ている実に良い句ではありませんか。私の会心の一作と言いたいところですが、先日、神楽坂の飲み会で俳人のK氏にいただいたものであります。特に「おい舞の海」が気に入っているのですが、そんな冗談を言っている場合ではない。たった今、稀勢の里と高安の休場が発表された。

 総見と二所ノ関一門の稽古を見た限り、稀勢の里の状態は最悪で、休場は十分に予想していたので驚きはない。今の状態で出場しても序盤で休場に追い込まれるのは間違いないだろう。そのぐらい状態が悪い。良くなっているどころか、むしろ悪化が進行しているといった方が適切だろう。

 左腕と大胸筋断裂のケガより、自信喪失の方が深刻と思われる。途中休場を繰り返したことが大きな原因になったと私は思っている。

 これで名古屋場所が正念場となるが、はっきり言って非常に難しいだろう。しかし精神力さえしっかり持てれば、乗り切れる可能性もあるかもしれない。それと徹底的に足腰の強化に取り組むことも大事である。私の見たところ、相当足腰が弱っている。体も太り過ぎだ。冷静に、横綱昇進前と昇進してからの自分を比べて見てみるのも大切なことだ。

 一門の親方衆は異口同音に稽古量が少なくなったと言っている。横綱になると周囲の人たちも何も言えなくなる。そして自分も、知らず知らずのうちに偉くなっていくものだ。そして孤立していくのである。もう一度バカになることだ。汗と砂にまみれていた若いころを思い出してもらいたい。そこで一句。

 青やなぎ おい稀勢の里 稽古せよ (盗作)

 高安も力任せの相撲ばかり取っているからケガが多い。大いに反省すべきだ。

 

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