2018.05.11 Fri posted at 16:44 JST
(CNN) アジア太平洋地域の25カ国について経済、軍事、外交分野での影響力を比較したランキングを、オーストラリア・シドニーのシンクタンク「ローウィー研究所」が今年初めて発表した。現状では米国の国力が抜きん出ているが、今後中国の追い上げが予想される。
同研究所は各国が持つ軍事同盟などの国防体制、軍事力、文化面と外交面の影響力、経済資源、対外経済関係、脅威への対応力、さらに2030年までに予想される将来性を比較して「アジア国力指数」を算出した。
総合1位は米国、2位が中国だった。だが調査チームを率いたエルベ・ルメイユ氏によると、トランプ米政権がアジアから撤退する姿勢を示唆する一方、中国は今後数年で急激に追い上げる可能性がある。米国がアジアの同盟国からの信頼を失えば、国防体制のランクは低下する。その結果、アジア諸国間の力の均衡が大きく変動するかもしれないと、ルメイユ氏は指摘する。
米国は今のところ、文化面の影響力やアジア各国との軍事協力関係で中国を大きく引き離している。米国がオーストラリアや日本、韓国などと緊密な同盟関係を結んでいるのに対し、中国にとって長年の盟友といえるのは北朝鮮だけだ。
しかし中国は米国に対抗しようと、「一帯一路」と呼ばれる経済圏構想やアジアインフラ投資銀行の創設などを通し、各地の港や鉄道などに盛んに投資している。対外援助の規模はアジアでトップだ。ルメイユ氏らのランキングでも、外交面の影響力と経済関係はすでに米国を上回っている。
米国、中国に次ぐ3位の座を争っているのは日本とインドだ。日本は外交面の影響力が強い。インドは経済成長が目覚ましく、今後さらに労働人口が劇的に増えることが予想される。インドの人口は30年までに中国を上回る見通しだ。
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