温泉宿に泊まった時は、その宿のパンフレットがあれば、いただいて帰るようにしています。宿のフロントの脇に置いてある、たいてい4つ折りで縦長の、あれです。
最近は宿のホームページがパンフレットの代わりになっていますし、段々とパンフレット自体が減ってきた感じがします。
が、温泉宿のパンフレットって、古臭いものも結構あって面白い。
今回はそんなことを書いてみます。
宿のパンフレットの好きなところ
一言で言ってしまうと、その「古臭さ」が好きです。新しいものもありますが、その中で古臭いものを見つけると嬉しくなります。
古い、というのは、
- 書かれている情報が古いまま。
- 写真が古い。
というものです。
あとは、団体旅行向けと思われる情報も、自分とは縁がないけれども、見てて面白い。
やはり、宿のパンフレットは宿をPRする情報としてはもはや微妙な存在になりつつあるような。
でも、多く印刷しすぎて余っているのか、宿のパンフレットは今も現役で、フロントの脇に置かれていることが多いですね。
情報が古いまま
宿の古いパンフレットでは、交通アクセスの情報や、その宿の住所などの情報が微妙に古いまま放置されていることがあります。
例えば、こんなところ。
- 今は特急列車なのに「急行列車」。JRの急行列車は今はほぼ絶滅しました。
- 会社が変わったのが反映されていない。「信越本線」(現「しなの鉄道」)とか、旅行会社としての「日本交通公社」(現「JTB」)とか。
- 住所名称が市町村合併前の住所のまま。
中にはそんな「古くて要修正」の部分だけピンポイントで貼り紙や黒塗りで隠してあったり、修正されていることもありますが、そのまま、というパターンもあり。
電車に関する古い情報だと、自分も電車が好きなので、そういうのを情報を見ると気になりながらも、少しばかりの懐かしさを感じますね。
写真が古い。
宿のパンフレットには、その宿の部屋やお風呂でくつろいでいたり、浴衣姿で温泉街を散歩している人の写真が載っています。
そんな人物の服装とか髪型に時代を感じますね。特に女性の眉の形とか、パーマのかかり具合とか。
あとは印刷の品質の問題なのか、写真がちょっと色あせていたりもします。
団体旅行向けの?情報
宿の古いパンフレットには、団体様向けとおぼしき情報が書かれています。
- 宴会やカラオケができる大広間の紹介。飲んで歌って宴会!
- ゲートボール場の情報。シニア世代の団体旅行には必要な情報なのでしょうね。
- 宿の収容人数。これも団体旅行の幹事さんには重要な情報でしょうね。
- バーカウンター。実際に行ってみると、バーの営業はしていないことが多いですが・・・。
- やけに豪華な食事の写真。恐らくはその宿の一番豪華な料理の写真でしょうね。実際に泊まって食事を見ると「あれ?」と思うことも結構あり。
- 「近隣の」観光地の紹介。車でかなり行く距離なのに、近隣の観光地として紹介されています。
もちろん今も団体旅行はそれなりにあると思います。自分も、以前働いていた会社で社員旅行に行ったことがありますし。
貸切バスで温泉と観光地を巡る団体旅行には、上記のような情報が必要になってくるのでしょうね。
そう、宿泊の前後に観光地を巡って、宿では宴会、と。
パンフレットを見かけなくなってきた
宿の公式ホームページが普通にある時代になり、お金をかけて紙のパンフレットを作る宿は徐々に減ってきている気がします。
パンフレットの代わりに、名刺のようなカードを置いている宿も増えましたね。
民宿のような小さな宿だと、印刷業者に頼むようなきれいなものではなく、自前のインクジェットプリンターで印刷したような手作りパンフレットがあったりします。
なので、温泉宿の昔ながらの豪華なパンフレットは段々貴重な存在になってきました。
その古臭さが興味深いというのは書いてきましたが、ある意味、ひと昔前の時代を表す資料にもなりますよね。
この温泉宿、昔はこんな感じだったんだな、と思いを巡らせながらパンフレットを眺めるのも、結構楽しかったりします。
中にはパンフレットの頃と変わらない古さをキープしている宿もありますが。
ということで、温泉宿に泊まった時はぜひ、フロントの脇にたたずんでいるパンフレットを手に取ってみてはいかがでしょう?
さて、今度はどこへ行こうかな。