NTTの鵜浦博夫社長は11日の記者会見で、「漫画村」などの海賊版サイトの接続遮断(ブロッキング)を決めたことについて「ネットの自由を守るため、無法地帯にしない取り組みが必要」と述べた。鵜浦氏は「いたちごっこと言われるが犯罪行為を放置してはいけない。やるという強い意志が必要」と強調した。
NTTグループは4月、政府の知的財産戦略本部が指定した「漫画村」「Anitube」「Miomio」の3サイトについて、ブロッキングを実施すると発表した。学者や業界団体などから検閲にあたるとして批判の声が上がっている。
これについて鵜浦氏は「政府の検閲とかそういうのは私も大嫌い」と説明。その上で「ネット社会の自由やオープン性を守るために、無法状態で放置しておきたくない。なんらかの取り組みをしたいという思いがあった」とブロッキングに踏み切った理由を述べた。
違法サイトは今後も出る可能性があるが、「該当サイトが閉じたからといって不法行為が清算できたわけではない」と指摘。「コンテンツをつくるひとのインセンティブのためにも取り組みを強化する必要がある」とした。