去年も一昨年も、この時期には建国記念日のネットのバカの行動に関して書いた記憶があります。前二回の記事と重なるところがないように注意して、今日というネットがバカの大見本市になるの日の感想を書いてみたいと思います。  子どものころに零戦の物語を読んでいたら、戦前には日本特有の年の数え方があって、昭和15年がその日本特有の年の数え方で皇紀2600年にあたるので、末尾の0を取って零式艦上戦闘機と名付けられましたと書いてありました。そのときにそんな皇紀なんてものがあったことを初めて知りました。  周囲には明治生まれや大正生まれがいっぱいいましたが、自分の生年や過去を語るのは元号一本であり、明治38年に日比谷焼き討ち事件があったとか、大正12年に関東体震災があったとか、そんな表現であって、2565年に日比谷焼き討ち事件があったとは誰も言いません。  西暦で言うと、1900で言われても分からんと拒絶されましたが、その人たちが過去や生年を皇紀で語ることは一切なかったのです。知っているが、誰かに禁止されていて口にしないのではなく、そんなものがあったことを忘れているという状態でした。  明治や大正のころに皇紀が世間で使われていた形跡は見当たらず、昭和になると、短期間で変わる元号の数字を兵器の年式に用いることの不合理さに気がついた軍が皇紀を兵器番号に使うことになりますが、一般にはまったく浸透せず世間の人たちの年の表記は元号一本でした。  政府が2600年祭と言い出したときの世間の反応は、現在の21世紀のように、使っているものが満期になったといった感じではなく、それはなんなのだという印象で、政府は皇紀の由来から説明しなければならない状態でした。  ところが今日のネットを見れば、祝・紀元節などとして神武天皇の即位を歴史的事実として扱い、今年を2678年と威張って表記しています。皇紀など、2600年祭前後に日本史の中では瞬間的に政府が言い触らしていただけのものという、当たり前のことも知らないバカの大見本市状態になっています。 人気ブログランキング
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